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今巻も、ゴスペルの可愛さと、ローレムの母性にKOされた
改めて感じた印象だが、この『息子がかわいくて仕方がない魔族の母親』は、藤田和日郎先生の『うしおととら』よりも、みなぎ得一先生の『足洗邸の住人たち。』や、オカヤド先生の『モンスター娘のいる日常』が好きな漫画読みの方がハマるかもしれない
戦闘ってほどじゃない、荒っぽいシーンは少しはあるにしろ、基本的には子育てに四苦八苦する、お母さんの普通の大変さと満足感が描かれているので、残酷な描写が苦手な人でも読める、と思う
また、この手の作品ではお約束と言うか、個人的に外してほしくない、人間と人間じゃない存在の共存ってテーマにも、真っ向から挑んでくれているので、どんどんと好感度が増していく、十五夜先生に対し
マジメに、って表現はおかしいかもしれないが、どうやったら、争いがあり、どちらにも多くの犠牲が出たって過去をお互いに抱えている人間と魔族の隔たりを埋められるか、そこを真剣に考え、先生なりの答えを読み手に示し、私達にも考えさせようとしている気概を感じる
十五夜先生の答えが、正解か、それは私だけでなく、誰にも判断できない
けど、思考し、行動する事が変化を起こす
人と魔の間がギスギスしていようが、お母さんにとっちゃ、自分の子供の方が大事
立っただけでも、お喋り(?)が出来るようになるだけでも、歯が一本生えただけでも嬉しくて、強く記憶へ残る。積み重ねていく一日が、かけがえのない宝物になっていく
そんな母娘を支え、励まし、共に喜んでくれる友人らもまた、微笑ましい
キャラが、どんどんと増えていっても、ストーリーは破綻しておらず、ホッとする
その一方で、各陣営が一枚岩でないことも明らかになっていき、これから、どんな波乱が起き、ローレムらが巻き込まれてしまうのか、不安も芽生える
まぁ、人間だろうが、魔族だろうが、お母さんは何よりも強い。子供を守るためなら、何にでもなるし、何でもやれる。ローレムは友達にも恵まれているから、何ら問題はなかろう
子育てや種族間の差別問題だけでなく、自分の夢を追う事の意義も、この(3)では描かれており、十五夜先生も成長している、と感じた
ふが君は水棲系の美少女に惚れられ、テレサさんには後輩が出来た。次巻では、彼らの関係の進展も楽しみにしている
怖さをしっかりと感じた上で、魔族の抱える苦しみにも寄り添おうとする優しさを持てるチハルの成長も、実に楽しみだ。しかし、自分らの考えだけが「普通」、「当たり前」で、違う考えを持つ人間を平然と迫害できる、ありふれた人間からすれば、彼女のようなタイプは邪魔に感じるだろうな
チハルに命の危機が迫った時に、メリーが平然としていられるか、その辺りが心配だな。何せ、単なる風邪でも、あんだけ焦るくらいだし
そんなチハルは、案の定、この(3)でもカバー下でエラい目に遭っている
彼女のプライドを慮りたい人は、見ないであげるのも優しさだろう。ちなみに、私は躊躇せず、カバーをめくった
この台詞を引用に選んだのは、かっこいい、と素直に思ったの��。正直なとこ、大変だとは思う、こんな野心溢れる上司についていくのは。けど、やりがいはあるだろうな。人が無理だ、と思っている事に挑むカッコ良さに、男も女もない。叶えたい夢、実現させたい理想があれば、むしろ、障害は大歓迎か