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漱石は日清、日露、第一次世界大戦の時代に生きていたのを確認した。言論統制が厳しくなり、想うこと・考えたことをそのまま表現するのが困難な状況にあったことにもあらためて気付いた。このようなことを意識して、漱石の作品を読み返したい。また作品を読む歓びが一つ増えたと思う。
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[ 内容 ]
若い頃から晩年まで、漱石の戦争に関わる言説を網羅的に収集して変遷を辿り、その特質に迫る。
かつてはメディアや「国家主義」への“囚われ”から不適切な判断や表現をしてしまった漱石はその後、内なる「国家主義」をどのように克服し、戦争の悲惨への、独自の認識を深め得たのか?
「国家主義」から「個人主義」へ―近代知識人の、戦争との“闘い”の軌跡を追う。
[ 目次 ]
漱石と日清戦争
漱石と義和団事件・南アフリカ戦争
漱石と日露開戦
『吾輩は猫である』(一)「幻影の盾」と日露戦争
『吾輩は猫である』(二)「趣味の遺伝」と日露戦争
漱石と日露戦後
漱石と第一次世界大戦
結びに代えて―漱石の戦争言説の特徴
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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近代文学ってつい歴史物みたいな感覚で読んでしまうけど、書かれた当時は「現代」だったんだよな~としみじみ実感。
漱石作品にこんなに日露戦争の影があるとは全く意識していなかった。書かれた時代を知らないと作品の意図は読みとれないんですね。
戦争の時代に生きるということは、生活に、思想に、大きな影響を与えるんだなぁ…。