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書評、或いはブックガイドとしてはいささか難あり。
なぜなら、引用が多めであることと、あまりにも、猫や、これら猫の本に愛情があり過ぎて、微に入り細に入り紹介してしまっていることで、元の本を読んだような気になってしまうから。
読み込んでいることはわかるのだけれど、もう少し距離があったほうが、読者は、この本だけでなく、これに導かれて元の本を読みたいと思うのではないだろうか。
猫本への愛がたっぷり過ぎる。
文体の古風さも、ちょっと、必要以上かな、という感じはある。
長田弘「ねこに未来はない」、大島弓子「綿の星国」、町田康「猫にかまけて」、庄司薫「ぼくが猫語を話せるわけ」、内田百閒「ノラや」などの定番はもちろんのこと、鴨居羊子「のら猫トラトラ」、平出隆「猫の客」などにも言及。
「猫鳴り」や「ブランケットキャッツ」や「しずく」や…と、入れてほしいものはまだまだあります。
読んだことのないもので読みたいなと思ったのは、笙野頼子「愛別外猫雑記」と吉本隆明「なぜ、猫とつきあうのか」。
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猫が主役だったり、脇役だったりする本を、著者が28作品紹介する本。
ブログはコチラ。たいしたことは書いてません。
http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/3940997.html
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表紙がかわいい☆
しかし本の表紙が中身より大きいのは
読んでいる時に手が疲れる。親指の負担が大きい。
たくさんの猫の本が紹介されていて嬉しい♪
批判的な文章は苦手。
・読みたくなった本リスト
富士日記 武田百合子
ひげよ、さらば 上野瞭
ねこに未来はない 長田弘
猫の結婚式/遠い野ばらの村 安房直子
白猫/猫のいる日々 大仏次郎
ふたつボン/あじの目だま 幸田文
のらねこ 三木卓
なんといったって猫 ドリス
小さな貴婦人 吉行理恵
のら猫トラトラ 鴨居羊子
愛別外猫雑記 生野頼子
「猫に自分の魂の分魂が宿るからその宿った分魂と一緒に猫が消える。つまり自分の魂の生きる力の半分がなくなる感じ」
遊興一匹 迷い猫預かってます 金井美恵子
猫の客 平出隆
ぼくが猫語を話せるわけ 庄司薫
内田百閒 ノラや
黒と白の猫 小沼丹
猫に時間の流れる 保坂和志
なぜ、猫とつきあうのか 吉本隆明
猫を撮る 岩合光昭
のらネコ、町をゆく 野澤延行
ネコの民俗学 大木卓
私は猫ストーカー/帰ってきた猫ストーカー 浅生ハルミン
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選者の木村衣有子さんは、あの「大阪のぞき」の作者さん。
この方の選んだ猫の本とはどんなものか興味津々で読み始めた。
自分でもびっくりしたのだけど、紹介されている本で読んでいたのは町田康さんの『猫にかまけて』だけだった。
あとは題名を知っているだけとか。有名すぎて、あらすじだけで満足してしまってるものとか。
さて、どの本から、読んでみましょうか、、、。
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古今東西、猫を見つめる作家たちの小説やエッセイの紹介本なのだけど、おや??なんか一味違うのは、木村さん自身の持つ猫への距離感のせい? 私は一時期、行きつけの(*^_^*)図書館で「じゅんさん、猫の新しい本が入りましたよ」と司書さんから声をかけられるほど、猫本を借りていたことがあります。
ただ、司書さんの言う“猫の新しい本”には猫が主人公のファンタジーとか、猫の写真集とかも含まれていて、申し訳ないけどそれは私が読みたいものではなかったんですよね。私が読みたいのは、ひたすら人間が猫を愛するエピソード、猫にやられちゃった人々のお話なのでした。
私自身、うちに今いる15歳と1歳の二匹の猫たちがただただ可愛くて、猫と一緒に住めるという幸福に感謝、そしてまた、去年15歳で身罷った猫には特別の思いがあるという、結局、同類の話が読みたいということから、なんですね。
でも、この「猫の本棚」で木村さんの取り上げた人間たちは、猫と人間との間の線引きが時にかなりのクールさであれれ???と思わせられてしまった。もちろん、猫を愛する人々のお話、ではあるのだけど、そっか、そういう角度からの猫大好き物語集もありだよね、と新鮮な思いで読みました。
たとえば、私の猫本コレクションで一番好きだと思っている金井美恵子「遊興一匹 迷い猫あずかっています」も、木村さんにかかると
金井美恵子がいくらトラーを甘やかしたとて、そのトラーの可愛らしさを綴る文章は決して甘ったるいものにはならない。徹底した甘やかしをシニカルにクールに描く。・・・それに金井美恵子が、猫を冗談めかした喩え方でしか擬人化せず、あくまでも愛玩動物として見ていることも、その甘やかさを引き締めている。
となり、
なるほどね・・、私はここまで猫を甘やかしはしないから、まだ私は大丈夫、なんて思っていたのが、う~~ん、やっぱり私の方がアブナイだろうか、なんて、初めて思ったり、
先般、トラーが息を引き取った時には、金井さんとお姉さんはどうされているだろう、と心配していたら、金井さんのエッセイで「トラーがいないとつまらない」と姉を言い合っている、とあり、
悲しい、ではなく、つまらない、と言われる金井さんに敬服したりしていたのだけど、その根本のお気持ちがここにあったのか、とまで思い当たったり。
また、内田百聞「ノラや」は、読みたびに大泣きしてしまう本なのだけど、そんな百聞にさえ、木村さんは、
彼は元来の猫好きではない。(これは確かに百聞自身も繰り返し言ってるけど)ノラが特別だったわけ、それはなんだろう。百聞はそのわけを自分ではわかっているにちがいないのだけど、はっきりとわかるように書きはしない。ノラは百聞の胸中の何かを開く鍵だったのだと思う。
と。
木村さんは、猫好きである自分が好き、という人がとてもお嫌いのようで、(そのお気持ちは私にもよくわかります。)そんな目線からの猫本紹介だから、なんでしょうね。
う~~ん、私はまだまだ修行が足りないなぁ、なんて、頷けるところも多かっただけに猫好き道(*^_^*)の奥深さを感じさせ��れた一冊でした。
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猫文学の案内書。
猫について書かれた小説・エッセイなどが
紹介されている。
『猫語の教科書』『吾輩は猫である』はもちろんのこと
『猫にかまけて』『富士日記』『ノラや』他多数
わりと有名どころばかりかな
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紀伊國屋でチェックし、後日購入。
いろいろな作家さんの猫ストーリー紹介です。
いくつか読んでみようと思う本ありでした。こういう切り口で本をchoiceするのもいいなあ~☆
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猫が出てくる文学作品をたくさん紹介している本。読んだことのある作品については、こんな捉え方があるのかという新しい発見があるし、読んだことのある作品については、読んでみたいなと思わせてくれます。
個人的には、後半の「猫を知る」のコーナーに出てくる作品の方が気になります。猫を取り巻く環境や状況の時代による変化は興味深いものです。
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木村衣有子さんの「猫の本棚」、2011.7発行です。安房直子、内田百閒、長田弘、鴨居洋子、幸田文、笙野頼子、谷崎潤一郎、夏目漱石、野澤延行、吉行理恵ら28人の作家の猫の文学作品が紹介されています。作品名を予想してみて下さいw。ーーー「猫の結婚式」「ノラや」「ねこに未来はない」「のら猫トラトラ」「ふたつボン」「愛別外猫雑記」「猫と庄造と二人の女」「吾輩は猫である」「のらネコ、町をゆく」「小さな貴婦人」ーーー
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著者は、猫が好きな自分が好きという人がひどく嫌いらしい。
猫がかわいくてたまらなくて、メロメロになっている人もあまり好きではないようだ。
だから、選ばれている本も、猫に対する眼差しがクールなものが多い。
そして古い本が多いからか猫の飼い方が現在と違い、放し飼いや私からするといい加減で適当に思えることが多くて、猫に対する考え方も昔と今とで随分変わったものだと思った。
著者はそういう、現代の室内に閉じ込めて甘々に甘やかして猫っ可愛がりすることが嫌なのだろう。
正直私は猫が好きで、猫を好きな自分も好きだ。
猫が好きという部分も含めて自分だからだ。自分を好きだから本当は猫のことは見ていないと、どうして断言できるだろう。
猫も自分も好きに決まっているではないか。
そのため、初っ端の前書きの時点で著者とは気が合わなかったし、読み終わっても同意できない。
ただ、迷い猫を探しているポスターに対する気持ちは痛いほどわかるし、全く同じだった。
結局、猫に対するスタンスは人それぞれ全く違うということなのだろうな。