電子書籍
淡々と語られる怪談集
2021/07/22 15:22
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑話というか怪談と言えば『耳嚢』(みみぶくろ)
時代は変わって、とにかく雑多な取材源に話を聞きまくった『新耳袋』、そのコンビの片割れ中山市朗の作。
おそらく『新耳袋』よりも後に拾われのかも知れない。怪談にはよく見られる伝聞調の体裁で書かれている。
ほんの数ページで終わるものから、長い語りまで種々雑多な怪談が収められている。
中には怪異や不可思議な現象を目撃しただけ、という「オチなし」の挿話もあるがご愛敬、創作でないのだから当然とも言える。
普段本を読まない人が創作すると、怪異に遭遇した本人が死亡あるいは行方不明で「どうやって聞いたのか?」と別の意味でホラーになってしまうミスが散見されることも多い。
(『テン・リトル・インディアンズ』問題、クリスティ『そして誰もいなくなった』問題とでも書けばいいだろうか…)
さすがにそんなレベルの低い筆の滑りはなかった。
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この手の話は短い文章で怖さを伝えるのがさすがって思ってしまう。それにすぐ忘れるように出来ている。そこもまた凄いなぁと感心する。消耗品の文章だけれど、時々本気で怖いものが混じっていて、これはヤバイと思うのがある。この中では「十五日にいきます」がヤバイと思った。話はありがちなのにぞわぞわさせすぎて怖いです(笑)最後のお母さんの話は良すぎました。あー面白かった! ありがとうございました!
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ゾクっとするの多かった
映像で見るよりも想像する方が怖い ということに気づいた。
最後の死んだはずの母親が自転車で素通りしていくのは、少し感動。
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体内に怪談を300話くらい吸収したのでこれだけ読めばいつ怪奇現象が起きてもおかしくないですねな怪談狩り第四段。四季の情景を頭に思い浮かべて読めば怖さ倍増
○五号室
怖くもあり切なくもなる戦後の話。情景が目に浮かんでくる
○卒業旅行
怪異に対抗するにはやはりフィジカル
○タカシの引越し
Mさんは踏んだり蹴ったりだけど最終的には良かったのかもしれない。2人で勝手にやってろ
○やめとかんね
「息を呑んだ。まぶしいほどの、満開の桜」
登場人物がみんな優しくて良い話。A子さんはきっといい人生を送っていけるはず。
○綺麗な梅林
拝み屋がさっさと帰ろうとするほどの"凄いもの"ってなんなんだろう…神に近い何かかな。「4年目以降は保証できません」の手詰まり感
○赤いコート
「ただ、顔は明らかにこっちを見ている。そこだけ、昼間と違う」
個人的本作最怖、想像するとマジで怖い。見つけた時点で帰らない彼らもメンタル強い
○妙なマンション
ホラー映画の導入で終わる話。このマンションで何かがあったのか、それとも住人が何かをしたのか…
毎回ちゃんと印象に残る話があるのが凄い
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季節で分けられてる、怪談。
どれも、好きだけど、
タカシの引越し、やめとかんね、富士の樹海、皆殺しの家 が、怖かった。
怪談=夏じゃない。どの季節にも怪談はあるんですね。