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ワシさんのレビュー一覧

投稿者:ワシ

309 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本反日種族主義 日韓危機の根源

2021/03/13 14:50

反日の克服にはまだまだ遠い

18人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

邦訳版の出版後、共著者の李宇衍氏が暴漢に襲われたそうです。
幸い大事には至らなかったものの反論があるなら言論で臨むべき、暴力で臨む時点で韓国の底が知れますよ…。

ざっくり本書で物足りない点から挙げてみますと、わが国では近現代史をおざなりにする傾向があり日清・日露戦争~朝鮮併合の時系列をお忘れの方も多いかもしれません。
独特の翻訳なまりや原文に近い表記や慣用句そのままの本文、「親日派」断罪やその政治的背景は我々には馴染みが薄くもう少し注釈やコラム程度でも解説が欲しいところです。
邦訳を急いだのは分かりますが不親切な構成と感じてしまいます。


さて、正確な数値の記録と統計は近代国家の礎です。僕らも日々雑多な資料や書類を書いては直してをしている通りです。
市中の物価から坑夫の賃金から公娼宿の報酬まで日本では記録が残されています(当たり前ですが)。
朝鮮総督府から陸海軍、町役場から警察に鉱山会社の経理まで記録が残されているのに、朝鮮側の記録ではこうだったという反証はありません。
著者らの「数字は嘘をつかないが数値を誤読させ嘘をつく学者」が後を絶たないという指摘にもつながっていきます。
このあたりを突かれると途端に「日本が記録を捏造・改ざんした」と荒唐無稽な話に飛ぶのが韓流とでもいえるでしょうか。

一方で巻末の久保田るり子氏の解説も気になります。
部分引用しますと「(前略)本書は社会現象ともいえる注目を集めベストセラーとなった。それはこの本が、(中略)日韓基本条約、請求権協定を否定する韓国文在寅政権に真っ向から挑む歴史観批判となったからだ。」
文政権に真っ向から挑む歴史観批判、さすがですね。

全体を通読しても編著者・共著者ともまだまだ反日性向に変わりはないのです。
もちろん「文政権の反日は雑で日本に軽く喝破されてしまう」そんな低レベルではない事はお分かり頂けるでしょう。
しかし、まだまだアンチ文政権の側面も強く「反日の否定」とお読みになった方は少し深読みが過ぎるかもしれません。
彼の国では反日は前提であり、それが硬派か軟派か、現時点ではその違いだけのようです。
誠実な史学者も反日の呪縛からは逃れるのは容易ではない、これは恐ろしい話です。

終章で編著者は「百九年前、一度国を失った」と記しています。
それ以前に国と呼べる体があったかは大いに疑問で夢見がちな印象が拭えません。
加えて李承晩を手放しで賞賛する姿勢にはやや寒気を覚えます。
反日とウソの歴史がエスカレートしたきっかけは李承晩の「上海臨時政府」に始まるのですから。

反日の克服はまだまだ遠いようです。
しかし本書はその足がかりとなる偉大な一歩なのかもしれません。

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電子書籍

英国女傑の観察眼

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

上下巻を合わせて合計一千ページを超す、まさに大作です。
これだけの紀行文をまとめ上げた筆者と訳者の時岡氏に惜しみない讃辞を送ります。

本書では横浜から上陸し、東海道~日光街道を抜け函館に至るおよそ千キロの道程を踏破しています。
道すがら目にした様々な体験を綴っているのですが、なにがしかの命を受けていたのか、女史自身の知的欲求がさせた事業なのか明瞭に語られることはありません。
我々が知りうるのは、文物から風俗から人々とのやり取りまで、点描に過ぎないものの事実を書き留めることに誠実であろうしたのだろう、それだけです。

大まかに著者自身の見分による時系列を追った書き付け、著者とその妹との間で交わされた私信をとりまとめた体裁で構成されています。
紀行と私信の差異も口語・文語表現をふんだんに取り入れた分かりやすい訳です。軽妙な言い回しながら遠慮なしに辛辣な皮肉を加える事も。

読了には相当時間が掛かるでしょう。
もっとも私の場合じっくり腰を据えて読んだのではなく全体をざっくり斜めに読み、現地を訪ねた折りに細部を再読(主に移動中の列車で)といった妙な読み方をしていたせいで大分時間を食いました。

齟齬や認識不足、取り違えこそあるものの裏付や取材を欠かさず、他国の類例とも比較しつつ、科学的・合理的な態度を崩そうとしない姿勢には敬意を覚えるばかり。
そしてわが国の当時の為政者や指導者に冷徹な達眼を持つ士がいた事実に驚かされます。
もっとも人の成す事であり八方万事うまくいくことはありません…。

時折り差し込まれる流麗な挿し絵、写真、スケッチも実に魅力的です(残念ながら電子版では解像度が低くボケていますが)。
著者本人の描写や同伴した日本人の案内人、車夫が描いたと思われるものもあり興味が尽きません。

明治維新を経て百五十余年が過ぎました。維新がもたらしたものには光陰・功罪とも多々あります。
我々の祭祀や宗教観にまつわる文化・風俗、北海道では蝦夷やアイヌといった時代の流れの中で壊されていくモノにも多々触れられています。
本文ではすぐ手の届く距離なのに、現在の私達は二度と触れることもできない、そんなモノも少なくありません。

案内人の伊藤がアイヌへの差別を丸出しにし筆者はそれを諫めるのですが、筆者自身も東洋人・有色人種への無自覚な差別が抜けておらず時代を感じさせますね。
叙情的で流麗な筆致で語り(訳者の国語表現が実に秀逸です)、他方では数字やいかめしい官職の羅列も論文然と扱っています。
失われゆくものに心を痛め発展の余地に心を躍らせる。どこか里心や郷愁をゆすられる、なんとも不思議な学術文庫です。

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電子書籍

電子書籍朝鮮紀行

2020/07/26 01:52

何年ぶりの再読か

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初めてお目にかかったのは高校の図書館だったような。

当時は「風変わりな人もいたんだなぁ」といった程度、読みかけで投げ出しましたが、電子版が刊行されているのを知り再読してみました。
“婦人“や“旅行記“といったキーワードが並んでいますが、著者は地位も知識もあり胆力と行動力を兼ね備えた女傑です。

なぜ高位の人々が大小の助力を重ねて、彼女を動乱さなかのキナ臭い日清・朝鮮半島へ(まるで狙い澄ましたかのように)送り込んだのか。
本文をご覧頂ければある程度は推察できるでしょう。

時に叙情的に見たままの情景をつづりますが、その態度はあくまで科学的。
気温、距離、貨幣価値といった数値は漏らさずそのまま記す一方、人物や造形といった数値化が難しいものは、好悪の印象をためらわずに書いています。
動植物から建築にまで造詣が深く、その知識は圧巻そのものです。

現代まで残ったのも、こうした科学的な接し方があったからこそでしょう。
残念ながら食べ物と料理に関しては、元祖メシマズ国の本領を存分に発揮しておりアテになりません(ほぼカレーだけで済ませている)。

触れずにいられないのは、朝鮮王朝と国府そして官吏のすさまじい腐敗と停滞です。行政も経済も完全にマヒしているが、大衆にもなにかを起こす気力も胆力もない。
ことを興すのはいつも日本人か清国人。
脱力してしまうのは、この紀行が書かれたのはほんの百年ほどの昔、曾祖父母と同じか少し上くらいという事実があるからでしょうか。

著者は当時の朝鮮王・高宗(その後には大韓帝国皇帝に)とも数度の面会の機会を得ています。
面会した印象に限れば一見気弱で温厚そうな人物です。
しかし実際の政治は優柔不断で逃げ腰、公私の分別が付かず無益な処刑を乱発したりと為政者の器とはとても言えません。
印象だけに全てを語らせないこうした点も非常に説得力があります。
国王ご自身もそうですが、臣下から国民まで誰もが不幸としか書きようがないのですが…。

巻末で筆者はある結論に達しますが、それは現代にも通ずる、いや現代の勢力図そのものを予言しているような気もします。
英国の知識人が南京虫と戦い身体を張って書いた力作。
殺伐とした時代の中ですが時に笑えて心温まる描写もあり、肩ひじを張らずに読んでみるのも良さそうです。

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電子書籍

電子書籍テコンダー朴

2019/12/07 21:18

日本は謝罪しる!!!!

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

世界が注目する華麗な格闘技、大韓民国のテコンドーを主軸に置いた壮大なスケールの物語である!
その創造性は世界の人類が瞠目してなお足りない!

本書は紀元前から脈々と続く大韓民国の輝かしい歴史の端緒を切り取ったに過ぎない!
あらゆる文化・芸能・工芸の祖であり、起源でもある大韓民国!
一時は日帝の圧政で無残に破壊され収奪されたが、植民地から解放され再び世界一の国にかえり咲いた大韓民国!

本書をお手に取れば、ノーベル財団がダイナマイト起源である大韓民国をどれほど畏れ多く感じているか、その断片がご理解頂けるだろう!
二十一世紀になっても日本帝国主義の野望は未だ衰えを知らず、日本を統べる覇皇は世界征服の機会を虎視眈々と狙っている!
韓国起源の文物ですら、あたかも日本発祥あるかのように僭称する卑劣な日本!

そこへ現れたニューヒーロー!まさに新英傑の朴星日(ぼくせいじつ・パクスンイル)!!
格闘技の源流であるテコンドーを極めた朴は並みいる敵を片っ端から打ち倒す!
テコンドーの秘奥義を手にした彼にもはや敵はない!!
強きを助け弱きをくじく世界最高民族「大韓民族」!その本懐の血がうずく!
戦え!戦うのだ朴!
全てを奪い踏みにじった日帝とチョッパリに今こそに正義の鉄槌を下せ!!!日本は反省しる!!

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紙の本

大まかな原理と仕組みを学べる図鑑

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

少し前ですと専門書の手前、絵解きや漫画も交え一般向けよりもう少し踏み込んだ書籍がありましたが、この出版不況に理数離れで中々お目にかかれません。

こういったギミック満載の製本で、身をもって「世の中はカラクリで成り立っている」と体現してくれる図説は実にありがたいですね。
(工学畑のせいか、どうしても専門的で解りづらい説明になってしまうのです…)

本書をめくって頂くと、家電も昇降機も輸送機も冷暖房も、回転エネルギー=モーターと原動機が動力源である事が分かります。
(ぜひお子さんにも教えてあげて下さい)

対して、人や動物の筋肉は収縮と弛緩の繰り返しで力を出します。根本的に動きが違うのですね。
さて、小学校低学年の甥と姪がたどり着いたのは「モーターはどうして回るの?」「どうしてモーターを回すと電気が起きるの?」、電気と磁気の部分でした。

ここからは実践あるのみ。
鉄板を切り出して並べ、それに手でコイルを巻き付けて回転子を作り「モーターらしき物」をこさえさせてみました。
どうにか、磁気の吸着と反発の繰り返しでモーターは回っているらしい、事はなんとなく分かった様子です。

その後は模型用のモーターを分解してみたり、それで簡単なオモチャを組んでみたり。
夏休みとはいえ一週間もたたずにエレベーターや自動販売機の機構を得意気に披露する姿はほほえましく、子供の知識欲と吸収の早さには驚かされます。
次は製本のややこしさも教えてやろうかしら・・・。

もはや在籍していた記憶も茫洋としていますが、母校の先生が監修を努めておられ懐かしくも感じました。

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電子書籍

電子書籍ドラえもん 0巻

2020/01/05 20:24

かえってきた新しい『ドラえもん』

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「みらいってなあに。」「みらいってむかしのはんたい。」正確なのに、こんな簡単で分かりやすい言い回しってあるんだなぁ。やはり言語感覚も素晴らしい。

実際に読んだのは連載から十年以上すぎてから。
けれど、ここまで年齢別に丁寧に描き分けられていれば「未来」に夢中にさせられたのも納得だと、感心してばかり。
週刊連載でも焼き直しではなく学年別に構成から変えている。
科学の面白さも、便利さの落とし穴も教わってその道に進んだけれど、のび太そのままの大人になってしまったなぁと反省。

コミックス一巻では「1988年 しゅうしょくできなくて自分で会社をはじめ」が、修正前の「小学四年生」では「1988年 父の会社をつぐ」と書かれている。
やさしいパパにママ、野比家は裕福なお宅だったのね。

だから借金が膨大になったり、乞食や押売に身をやつす姿が際立つのかな。その後はスネ夫に移されたようだけれど。
無理を言えばドラミが出した「自動コジ機」、F先生自身が加筆修正しているけれども元のナンセンスなギャグも見てみたかった。

『ドラえもん誕生』も初出は生まれる前だったのか。描いて描いて十数年、その努力がヒラメキに結実する一瞬は素晴らしい。

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電子書籍

電子書籍呪(しゅ)の血脈

2020/07/26 11:09

すべての意味を解いた時につながるモノ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

早くに父を亡くし、母と妹の暮らす小さな家庭を支える高藤正哉。
生来の口べた、自覚するほどのぶっきらぼうさで、仕事にも社会にもなじめない正哉。帰るべき家庭はとうに行き詰まっていた。

このところ正哉は凄惨な事故死の現場を目撃してばかりだ。
繁華街ではギャングまがいの少年達が「缶蹴り」と称して周囲を無差別に巻き込むゲームに興じる。
事故の連鎖、増える一方の悪漢、どうにも物騒きわまりない。

一方、大学で民俗学を学ぶ宮地紀之。
大学や学会の”政治”に身を置けない彼は、自説を確立し名を挙げるべく諏訪信仰のフィールドワークに熱を上げていた。
しかし鎌木村で犯した禁忌が住民に「祭り」の催行を余儀なくしてしまう。
村で出会った少女がささやく「なにがあっても知らないから」

まだインターネットが世間に普及し始めた時勢、だが冒頭から往時のランドマークが登場し、力点も別のところにある。
その甲斐もあり十数年が過ぎた現在でも違和感なく読める。
執筆当時はコンピュータやネットがまだマニアやオタクのおもちゃと見なされていた時代、その頃に心霊や怪異とネットとの相性が抜群である事を見抜いていた作家は少ない。
ネットの向こうにも人がいる。そして知能こそ人には及ばないが同じ工程をひたすら繰り返すまるで式のようなスクリプト群もある。物理的に接点を持つことが難しい異常な人々も多い。慧眼としか書けない。

そのネット上に忽然と姿を現した『天音』(あまね)。頭角を現しつつあるベンチャー企業のサービスに乗っているのは、占い師か新興宗教か。
『天音』の正体を探るうち、高藤が鎌木村の神官家系と偶然に知り高藤家を訪ねた宮地。
PCを通じて梓へ唐突に降ってわいた『お言葉』。
梓はお言葉と断片的な事実だけを持ち、なにかを悟ったように行方をくらませてしまう。正哉と宮地は梓を捜索しつつ、「祭り」を完遂させるため急きょ長野へ向かう。

めったに感情を出さず、黙りこくってなにを考えているか分からない、時折車内で紫煙をくゆらすだけの主人公の正哉。
考えがないわけではない、がさつだが暴力を振るう事もない。
殺伐とした居心地の悪さは読んでいても息が詰まる。この演出は文章でしかなしえないものだ。

本書の鍵になる「裏の祭り」「表の祭り」と奇怪さを前面に出しつつ、名前や音に隠された意図を読者から巧妙に隠している点がフィクションながら非常に興味深い。
(むしろ個々のピースは実際にあった挿話なのかも知れない)

土着信仰や神事がもつ真の意味、ある意味でダ洒落や掛詞や縁語の類だが、多くの忌み事や荒ぶる神の正体が隠されている。
どうして我々がそれら忌み詞を今でも避けるのか。なぜ同じモノや物に複数の名前を冠するのか、その理由と具体的な手法を作中で見事にまとめており作者の本領発揮である。

畳みかけるような展開で、立ち止まることも逡巡することも許されず、次々に決断を迫られる正哉、どうにか追いすがろうとする宮地。
綿密な知識で構成され、断片同士をわずかにずらす事で読者に違和感を与え新たな謎へ引き込んでいく。

徐々に明らかになるベンチャー企業の真の意図は。
正哉が持つモノ、早世した父を惑わした正体、祭りの本懐、それらが終盤の惨事で「一本の柱」としてつながってしまう…。

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紙の本

紙の本白銀の墟玄の月 1

2020/06/15 13:50

台風直撃前日の入手劇

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

発売当日に入手できたのだが、その直後は大災害に。
台風被害に遭われた方へのお見舞いと一日も早い復興を祈念申し上げます。


さて、慶を離れた泰麒と李斎の一行は、戴を立て直すために東奔西走。
アクションあり、バトルあり、グルメあり、大自然あり、辛くて苦しい旅と日常をつづった…(ここまでウソあらすじ。

しかし隔年十八年っすよ。「余命半年の母が”続きを読まずに死ねない”と言っている」なんて、ウソ手紙を年に何通も送っていた甲斐もあるというものだ。
書いてて自分でも頭おかしいな…。

『魔性の子』の菊地秀行の解説を「なんか違う…」と思いつつ、『風の海 迷宮の岸』そして『黄昏の岸 暁の天』を読み進めた時の衝撃ったらそりゃもうね、アンタ。
ここまで広げた風呂敷をどう畳むのよ!と期待せざるを得ないのだ。だが、作者は明らかにこのシリーズを好いていない(泣。
例えるならドイルがホームズを毛嫌いして滝壺に落として殺してしまったようなものだ。実に分かりづらいな。

前半、泰麒含む人物全員が恐縮して畏まって一向にお話が進まないのもおなじみ。
なんだかんだで泰麒は出奔するように単独行動を始めるけれど、この賭けは何かの計略なのか!?それとも麒麟の性ゆえなのか!?
その賭けは吉と出るか凶と出るか。『魔性の子』で示された謎と伏線は回収されるのか!?
続刊をお楽しみに!!

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電子書籍

電子書籍おしろい蝶々

2020/03/04 00:13

美しくほの暗い恋の物語

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

平家の衰亡からまだ東京市だったほんの少し昔まで、いくつもの時代をまたぎ人並み外れた恋の有り様を描く短篇集。

ただただ美しい左手に見惚れた老人、自身を蛇の化身と語る少年に魅了されてしまった青年、
負け戦を経てもなお主君を守り悪鬼となり果て熊野をさまよう従者、生来より光を知らず都を放逐され琵琶を携え幽鬼と語らう先帝、
画才に惚れ嫉妬に狂いついには憧れだった彼自身を手に掛けてしまう青年、菩薩のあまりの声の美しさに酔い廃仏毀釈に抗う僧。
時にその恋慕の先は人ならずこの世ならず、もとより対等ではなく決して成就する事もない。

それぞれの挿話はわずかな枚数でも、古典和歌漢籍に通じる作者だけに実に密度が濃い。
現代文ながらも往事を感じさせる洗練された文体。美しくもの悲しく響くその余韻は耳を去らない。
死に追われ命のやり取りを重ねる陰惨な奇譚でも、どうしてか気味の悪さや恐ろしさは希薄だ。

悲しい物語に差し落とされた一縷の希望、それは闇からくるもの達の温かさと優しさ。
人の世をうまく生きられなかった人々を抱擁しともに悲しみ慈しんでくれる。

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電子書籍

電子書籍かくしごと(12)

2020/08/01 01:59

本当に終わってしまった…

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なぜ大滝詠一なのか、なぜ青に重きを置いてそれをモチーフとしたのか。それらの断片をきれいにお話の核としてまとめてくれた。
めくるめくダジャレ、掛詞、縁語、類語、誤読、同音、それに派生するボケ、音韻の世界で多重構造の世界を作り、最後は松本隆の本歌取りで締める妙技。
このあたり『君は天然色』の制作当時の挿話に触れてみても面白いかも知れない(そんな有名な話とツッコまれそうだけれど、)。

永井博・わたせせいぞう・鈴木英人(えいじん)のように見えて、南国の雰囲気や陽気さを感じさせない、意図的に廃したようにも見えるカラーページ。
この後の嵐や波乱を告げているようで実に落ち着かない、そして白黒の本編はオチつかない。
(オタク層がメインの消費者となったいま市場がその価値を理解できるか…)

後天の疾患で色覚を、光をも失いつつあった姫の母。
視神経の機能不全が始まる大変な難病であり原理も機序も不明、予後も非常に悪い。

これを書いている私も異常3色覚で明度が鈍く視力も悪い。赤緑の区別は付きにくくその代わりに青系が一色多いヘンな色覚である。
(なおネットにあふれる「補正できる」「治療できる」「こう見えている」は全てウソです)
線描しか出来なかった私でもPC上ならCMYK/RGBに色を分解して適切に着色できるようになった。技術と文明の賜だ。

作中作『きんたましまし』はもちろん『風のタイツ』がどうゴルフマンガなのか、どう完結したのか非常に興味がある。
できればどこかでお目に掛かりたいものである。

連載は終了し晴れて「むしょく」(1巻・5号「あとがき」)の身になった久米田康治。
目下の新型コロナウイルス禍で仕事がないのは私も同じ(だいぶ怠けたので「久米田康治ワールド wikiサイト」でも更新しまくってやろうかw)。

妻を支え続けた可久士、その当人も事故の昏睡から目が覚め多くの人に支えられ復帰を果たしている。
過去作にも難病や寛解しない疾患は幾度も登場しており、人の支えと言葉も含めた縁は共通するテーマなのかもしれない。

「グレースケールでも色なんかいくらでも出せる」あらゆるジャンルの作家に影響を与えた熊倉祐一がかつてそんな事を述べていた。

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電子書籍

量産され純化されていく反日と憎悪

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

既に出版から七年余り経過しているが、なお内容の信憑性に古さはないので改めて書き加えておく。
序本結を適切に構成しているのはもちろん、引用、要約、主観、事実の書き分けも綿密で適切。さすがに日本で大学院修士課程まで修めただけあって、論文としても良質な出来だ。
髪を切った方がいい古谷ナントカ、歯を矯正した方がいい家系図商法家の竹田ナントカには国語レベルの躓きが見られるので、五十回は音読して欲しいものである。

著者の視点は徹底してニュートラルである。
韓国で作られた"常識"に疑問符をつけ、疑義を呈する様は冷徹であり時に酷薄さも感じる。
反日洗脳から脱却して帰国した筆者だが、身辺の安全には気をつけて欲しい。

我々日本人にも耳の痛い話が実に多い。
政府高官、閣僚や官僚がその場しのぎで「補償」や「誠意を尽くす」といったセリフを口にする。
安易に膝を折ったばかりに両国間に無意味な禍根だけを残した「河野談話」、訂正もせず事実をゆがめ反日に迎合する日本人の識者とメディア。
反日ネタの多くが日本で発明されており、不心得な人士は実は日本に多いという事実まで。

韓国では針小棒大に話をして字面通り・印象通りに受け止められやすく、悪い意味で素直で純粋なさがの人が多いのも相性が悪い。
わが国で省みると、受け売りで韓国叩きに精を出したり、読みもせずに「嫌韓本」レッテルを貼って満足したりという稚拙な動きが目立つのも気になる。
それら「可哀想な人」が急増している印象は拭えず、そんな卑怯な水準にだけは墜ちたくないものである。

安重根は破壊活動や暗殺に関わっているが、テロリストも立場が変わればレジスタンスである。
朝鮮半島の近代化、それは風呂嫌いの職なしヒキコモリ国を国際社会に引き出し、風呂に入れ散髪して手に職を付けさせ自活させるようなものだ。
第三者が見れば立派な話でも、当のヒキコモリは強制労働だと逆恨みしてもおかしくない。
どんな事象にも多層多面の視点を失ってはいけない事も教えてくれる。

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紙の本

忘れねばこそ思い出さず候

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

伊達綱宗を思って詠まれた歌の一節ですが、引いた意味は後ほど。

著者も挙げていますが、実は「間違えて」まとめて買った中の一冊だったのです(蔵書にも他作があるのになにをしているのでしょうか…)。
第三章「言葉は力」でも挙げた通り、こうした身近なエピソードに寄せて本論に引き込む点はさすがです。“入門書”とは謳いながらもそこそこ専門的かつ高度な部分まで掘り下げられており、中々の密度です。

以前、厚岸(あっけし)に滞在する機会があり、道すがらアイヌ文化と大自然に触れることができました。日常と様々に重なり合う“異文化”の珍しさと、容易に死に至る過酷な自然。
そんな背景、また知里幸恵、金田一京助、柳田國男らの銘文に触れた感銘を思い出しながら綴っています。

アイヌ文化には書き文字がなく、これはご存じの方も多いでしょう。口伝と口承の世界です。
実は我々が話している日本語にも文字がありませんでした。日本最古の『古事記』も口述を漢字・漢語で表したモノなのです。
表音文字ではないので現在では読みが分からない、意味が通じない部分も多くあります(神話だから、とは言い切れません)。
加えて、蝦夷・アイヌ・縄文の関係はほぼ未解明です。

坂上田村麻呂に下ったとされる「アテルイ」、こう読まれていますがこれが正しいかは不明です。
アシ(リ)パの表記、知里幸恵、金田一京助らの奮闘は古くて新しい、しかし連綿とつづく課題だったのですね。

文字には形而上の物事や思想すら拘束してしまう凄まじい力があります。
第八章「アシ(リ)パたちの言葉 アイヌ語とは」で「孤立言語」について触れています。
朝鮮では朝貢(ちょうこう)国という事もあり、漢字・漢語を公用語とし文化も風俗も支那王朝に倣っていました。
日本では漢字は取り入れつつも、中華思想からどう離れるかに多くの力を割いていました。
文字を持たなければ特定の文化に容易には染め上げられない、アイヌの先人がそう考えたかは分かりませんが、これも生き延びる知恵だったのかもしれません。
三つの孤立言語が選んだ道は実に不思議なものですね。
著者は三内丸山遺跡にも触れていますが、考古学の業績と科学分析の発展は多くの新事実をもたらしています。昭和当時と令和現在では、縄文の有り様は時代も時期も完全に変容しました。
既に多くが失われたアイヌ文化ですがこちらの業績にも期待したいですね。

「カムイ」について少し触れてみると正確に捉えるのは中々難しそうな概念です。
「神」は「かむ」の読みも多く混乱に拍車を掛けているように感じます。重なる部分が多くあるも両者は同一ではないのが不思議ですね。
眷族の狐や狼が敬われていった稲荷信仰、時に神・鬼が近しく、人に祟る荒御霊(あらみたま)といった存在も想起させます。

環境への畏敬、目に見えない現象や世界の説明、日常生活の具体的な規律と戒め、美しい物語の数々。
滅びの寸前でも口承されたモノは実に多く、現代の我々にも傾聴すべき内容が多くあります。

時に血なまぐさく、荒々しい摩擦もあったふたつの文化。
重なり合いズレながらも根や祖には共通するモノを多く持つようです。
冒頭の「思い出す事もしない、なぜなら片時も忘れる事がないから」、両者はそんな関係だったのかも知れません。
我々が「カムイ」に魅了される理由もその深さと密度ゆえなのでしょう。

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電子書籍

電子書籍怪談徒然草

2020/08/02 10:12

怪談ナイト

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

オカルティック七海が見聞・体験した怪異を三津田信三との対談、後半は東雅夫も交えた鼎談形式にまとめたドキュメンタリー。

MDレコーダー(当時)も満足に扱えない三津田、自分で書いた紙面の目録をど忘れする七海、括弧の補足がないと前後の脈絡がなさすぎて「ちょっと意味分かんないです…」な東雅夫という怪異。
語り口こそ話し言葉で軽いノリで適宜編集はなされているけれど、東は蛇足じゃないかなあ。

霜島(しもじま)ケイも関わった「三角屋敷」と、その後日譚。追取材も行っておりこの事実の重みと悪意にはため息しか出ない。。
きっかけと結末は偶然かも知れないし、コジツケやごく一面的な見方なのかも知れない。
明らかに悪意を持つ人の手がなければ成立しない内容が多く、合理的な説明で組み伏すことは難しい。
見ず知らずの第三者に呪詛がかかるよう、方位から敷地から施工まで練りに練って鬼門だらけの物件を作り上げるに至っては、小銭稼ぎで神域をないがしろにするなんてかわいらしく思えてしまう。

オカルトオタクの有閑な趣味なのか、宗教法人や企業なりが仕掛けるプロジェクトなのか、規模もコストも相当なのに全容が掴めないところは恐ろしい。
(報道が扱ってもいい内容のようにも思うのだが)
電子版では霜島ケイを指して「よく霧島さんと誤植されるけれども」(霧島ケイと書かれる事が多いので逆)とよく分からない誤植も怖い。

手の物件はいくつも存在するのかも知れない。
『呪の血脈』で新たな一柱を立てようと画策したベンチャー企業、『203号室』や『真理 MARI』のような故意に仕掛けられた罠も想像の産物ではない可能性が…。

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電子書籍今、韓国で起こっていること

2020/03/26 23:17

カルト宗教「反日」からの脱却

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

韓国の動きってどうもよく分からない。
反日を含めアンチなんてただの根無し草だ。しかし、それが独立国家の基盤になってしまうとはどういうことだ。
確かにわが国は文化・経済・歴史・技術とさまざまな点で他国よりも恵まれているかも知れない。都合八年ほど海外で起居しただけでもそう感じる。
同時に、そこまで日本は偉大な国か!?とも思うのだ。

確かに著者の主張する通り日本では和を重んじる。
しかし小国小名の諍い、社寺が荘園や僧兵を抱えて実力で権勢を誇っていたキナ臭い時代は長い。
武の筆頭は征“夷”大将軍、夷は蝦夷の夷でそいつらをやっつける親玉なのである。アイヌも最近まで法で「土人」呼ばわりだった通り。
何度も戦をして、しょうもない戦いも辞さなかったのも日本人の特性だ。
この傾向は割りと近代まで続き、対露をはじめ白人一強の世界秩序を逆転させたのも史実。

西洋よりも揺らぎが大きく、これぞ日本、と一言であらわせるような物があんまりないのよね。
日本人は割りと是々非々だから、その反極で国を作ってしまったら…足下は覚束ないよね。
だからこそ朝韓では二重どころかいくつもの基準が目まぐるしく入れ替わっていくのかも知れない。

その中で反日だけが揺るぎない。
これは国是を通り越した“国教”で“共通観念”と捉えるのが適切なのだろう。だけどしょっちゅうグラつくから韓国人もついていくのが大変そうだ。
早い話が南北ともカルト宗教を押し戴いていたのだ。北は金一族、南は慰安婦魔像を崇めていただけ。
謝罪賠償の声が衰えないのも教義を裏切るのと同義だからだろう。
“神話”には誇張がつきもの。この際だから日帝三十六年も百年とか半万年とか盛ってみても面白いかもしれない。

著者は「反日を脱した」と書く。カルト宗教に絡めとられた有名人の著作と比較すると類似点が多い。
こういった証言は実に貴重である。なにかにつけて「韓国の現地では反日は感じられなかった」とする自称文化人が多いからだ。

反日のただ中に入ってしまうとその知覚は難しい。高山に登るか水に落ちるかしないと空気の存在を知ることは難しいのと同じ。
現在進行中の戦略物資密輸出、北朝鮮への追従、GSOMIAの協定破棄、我々には頭の痛い問題が多い。
著者の語るとおり、韓国人は「日本にはなにをしても良い」と考える、白黒どちらかに塗り分けないと気が済まず、「いざという時は日本に甘えられる」と考えるからかもしれない。

南北間の諍いが増したり、経済苦境に耐えかねて国を捨てた韓国人がわが国へ殺到する恐れもあるのだが、そうはならないことを祈りたい。

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めぐる輪廻と人の思い

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桜の古木の下に小さな堂宇を構えるは地神盲僧(じしんもうそう)・清玄(せいげん)。
連れ合いの琵琶・十六夜(いざよい)を携え、その音曲は天仙地神、神霊精霊、悪鬼怨霊、様々なものを鎮め、人との仲立ちをするという。
この頃はすっかり訪れる人も絶えた堂宇、そこへ唐突に現れた少年。住みかを追われたと泣きわめく少年の正体は人か妖か。
やがて清玄の記憶をたどる、遠大な昔語が始まる。数多の戦と人の生死にをつづり、時は平安よりもはるか昔からいつしか平成へ。

人の思いは強く、だが常に忘却に支配され、その命はあまりにはかない。
やがて果てた命は新たな魂の器を求める。
鮮やかに咲き誇る桜の古木、その下で清玄が寿歌(ほぎうた)を奏でる、土の恵みのもとこの世に幸多かれと。
星の光ほど微かな琵琶歌、その音声と音色は誰の心に届いただろうか。
光を失った清弦の双眸は現世の明かりを写さない。
文中に明示されないが、どうにも夜桜の香りと気配を感じさせる哀しくも心温まる物語である。

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