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日本の近い将来と遠い未来について。
人口問題、経済、科学技術、医療、それぞれの未来とそして最終章に歴史を振返る5章立て。
◆人口問題の章
合計特殊出生率の推移グラフ(出典:内閣府)1966年の丙午の迷信効果抜群すぎるのに笑ってしまった。
合計特殊出生率は2.00でトントン、下回ると人口減少。平成元年に初めて1.57を叩き出したらしいが、令和4年は1.26である。
自分も子を一人ももうけていないのでとやかく言えないが、今の日本では子供を増やすのは絶望的ではないだろうか。
◆経済問題の章
マンション問題はリアル。業界にいると過剰供給を肌で感じる。
建替えられたマンション棟数は全体の0.23%しかないのか。(国交省調べ)
老朽化、入居者高齢化、建替え費用の不足、管理組合が機能していない、当然だ。
色んな人が集まって住んでいるのだから上手くいくわけがない事、素人でも予想できそうな未来ではと思う(業界人として恥ずかしながら余剰容積率不足については考え及ばなかった。)。
これから新築されるマンションでは早めにシステムを変えていかないと似たようなスラムマンションだらけになるだろう!とはいえいい仕組みが思いつかないけど!
◆科学技術の章
本書は2017年発刊だが、2022年には生成AI元年の年となり、1年で飛躍的に進化を遂げた。
今や人が描いたものと遜色ないイラスト、実写と見まがう動画、プログラムを一瞬またはものの数分で生成する。
ChatGPTにも実際に触れたが、会話に不自然なところはなく相手がAIとは思えない。
シンギュラリティは上手くいけば2045年、私は50代半ばでそれを迎える予定だが、案外もっと早く訪れてしまうかもしれない。
AIの発展により、職を失わないためのスキルとして「コミュニケーション能力」「手先の器用さ」「頭脳と体力両方を使うメカトロ人材」が有利だとあるがどれも自分には無いもので不安が大きい。
AIやロボットの進化でユートピアとなるかディストピアとなるかは我々次第。人間の歴史を想うと性善説は支持しがたいのでディストピアになりそうだと思っている。
人類以外の知的生命体の存在についての説、どれも興味深い。
そもそもいない説、動物園説(我々がまだまだ愚かなので交流するに値する進化を遂げるまで観察されている笑)、じつはあちこちで生まれて瞬間的に繁栄するが文明の発展と共に結局すぐ滅んで重ならない説。
多くの科学者が人類は数100年〜数千年(開きがあるが億単位の宇宙の歴史からみると、誤差に等しい)の間に滅ぶととなえるようだ。
それを回避するのがロボットとの融合、『ヒューロ』という新たな生命体に進化する事らしい。これがムーンショットと関係あるのだろうか。
呼吸も食物もいらない。繁殖もしないのかな?
そこまでいくと途方もない未来である。見てみたい気もするけど恐い。