紙の本
日本人らしさ
2019/06/07 10:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:deka - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んでいる間自分がその時代の中にひきこまれている感覚で読めた。現代にない日本らしさがちりばめられていて生活が楽ではないけどいいなあと日本のよさ日本独特の感覚を感じることができた本だった。
投稿元:
レビューを見る
市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の金字塔
芳古堂に奉公する栄二とさぶ。才気煥発な栄二と少し鈍いがまっすぐなさぶ。ある日、栄二は盗みの疑いにより、芳古堂から放逐され、人足寄場へ送られるが―。生きることは苦しみか、希望か。没後50年記念復刊。
投稿元:
レビューを見る
恥ずかしながら、山本周五郎先生初読み。 友人から薦められた一冊。 色んなものが入った濃い内容だった。 人間。人間。人間。人へ思いを馳せる、そして自分を振り返る。人は弱いけどこれを繰り返しやっていくしかない、と学びました。
投稿元:
レビューを見る
さぶ、登場人物の一人。主人公ではなかった。
栄二は自分を理不尽に陥れた相手を憎んでいたが、周りの環境や事件によって憎しみが薄れていく。
が、実際問題そんなことはないのでないかと思う。理不尽な目にあい、さらに事件に巻き込まれる。私なら運が悪いと思うだろう。多分そこから抜け出せない。
時がたてば、環境を変えれば、付き合う人を変えれば抜けられるのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
1963年に書かれた本とは思えないぐらい現代につながるとこがあり、人の営みは変わらないとはいえ驚く。
身に覚えのない盗みから、人足寄場におくられた英二。この盗みの事件を誰が何のためにやったのかというミステリー要素としても続きが気になるし、"さぶ"や"のぶ"達の登場人物が魅力的。
不公平や理不尽なことがある世の中でも周囲の支えてくれてる人を大切にしたいと思う本
投稿元:
レビューを見る
「山本周五郎」の長篇時代小説『さぶ』を読みました。
『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』、『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋』、『若殿女難記』に続き、「山本周五郎」の作品です。
-----story-------------
小舟町の芳古堂に奉公する「栄二」と「さぶ」。
才気煥発な「栄二」と少し鈍いがまっすぐに生きる「さぶ」。
ある日、「栄二」は身の覚えのない盗みを咎められ、芳古堂から放逐されてしまう。
自棄になった「栄二」は身を持ち崩し人足寄場へ送られるが――。
生きることは苦しみか、希望か。
市井にあり、人間の本質を見つめ続けた作家の代表作。
-----------------------
「朝日新聞社」行の週刊誌『週刊朝日』の1963年(昭和38年)1月号から1963年(昭和38年)7月号に連載された「山本周五郎」の代表作とも呼ばれる作品です。
江戸下町・小舟町の表具店・芳古堂に奉公する「さぶ」と「栄二」… 男前で器用な「栄二」と愚鈍だが誠実な「さぶ」は、深い友情で結ばれていた、、、
ある日、「栄二」は得意先で盗みの罪を着せられる… 怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く「栄二」。
世を恨み、意固地になった「栄二」の心を溶かしたのは寄場の罪人たち、そして「栄二」を忍耐強く励まし支える「さぶ」のもつ人情の温もりだった…… 一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く物語。
人の成長、そして二人の青年の友情を巧みに描いた作品… 人間は一人で生きるわけじゃなく、多くの人の支えがあって何かを成し遂げるているんだということを、しみじみと感じました、、、
「どんなに賢くっても、にんげん自分の背中を見ることはできないんだからね」
「世の中には賢い人間と賢くない人間がいる、けれども賢い人間ばかりでも、世の中はうまくいかないらしい」
これ等は、人足寄場へ送られた「栄二」が、寄場の父と慕い尊敬することになる「与平」に言われる言葉なのですが… この物語の本質をついていると思いますね。
辛くて哀しいエピソードの連続なのですが、それでも、ページを捲る指を止めることができない… 上手く説明はできないのですが、不思議な魅力を持った作品でした、、、
そして、「栄二」のもとを「さぶ」が訪ねてくるシーンで結末を迎える物語… 劇的ではないけど、感動して、とても印象に残るエンディングでしたね。