好みが分かれるところ
2022/05/13 11:54
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の作家の作品の内容と、彼の実体験が、あいまいなまま下巻も進む。途中、いったん頭を整理しないと、訳が分からなくなってしまった。
筆者の作家としての力量はよく分かるが、小説IN小説といったこの作品の味わいをどの程度楽しめるか、評価が別れるところだろう。
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投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の中で、小説家である主人公の妄想と現実が綯い交ぜになる構成に酔いしれた。であるがために、結末をはっきりと示さない小説が肌に合わない人は要注意。
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下巻もつまんなかった。
とにかくまどろこっしいし、主人公が本当にだめ。
読む時間もお金も無駄だったなー。
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これはミステリーではないのね
さて僕の言葉とは何の事だったんだろう
やっぱ俺感性が欠落してんのかなぁ…
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面白かった。複雑なパズルの種明かしの話しを延々とされている感じ。下巻はでも、ちょっと間延び感ある。虚構と現実の間で、著者本人はわざと遊びつつ、読み手は遊ばされる。それで、伝書鳩の出発のようにクルクルと、帰って来る。
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最後まで素晴らしかった。実際と作中作が交差しあって、”あれ、これって実際に起こったことだっけ?”みたいな錯綜的気分も心地よく、相変わらずかなりハードボイルドな内容にも関わらず、読後感も爽快。1000ページ超えの分量ながら、それを感じさせられない充実度でした。いや~、良かった。やっぱり他の作品も読んでみないと。
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上巻で気になっていた伏線が次々に回収されスッキリ。
ラストに近付くにつれ思わぬ事実に涙ぐみそうに…が、しかしこれは津田が勝手に創作した妄想紛いの小説では?
実際のところはどうなの?
ここで涙ぐんだら津田にまんまと嵌められることになるのか?
立つ鳥跡を濁さず、と言いつつも結局濁して逃げてる津田に半ば呆れながら、けれどみんなに煙たがれながらも何やかんやとアテにされている、どこか憎めないキャラに苦笑いしてしまう。
「鳩」の意味も分かり消えた本の謎も解け、また津田の続編が読んでみたいと思った。
願わくは、コーヒーの染みの付いたピーターパンの本だけはこの先も津田にはしっかり持っていてほしい。
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この作者,完全に楽しんでがる(笑)
あらすじ(背表紙より)
―このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。だけど厳密にやばいのはあんただ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ。身を潜めて小説の下書きを進める津田伸一は、退職金をいきなり手渡された。ついに“あのひと”が現れたのか?忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、うごめく裏社会、疑惑の大金…多くのひとの運命を狂わせた、たった一日の物語が浮かびあがる。数多の作家をも魅了した、ユーモアとスリル、そして飛び立った“鳩”のあまりにも鮮烈な軌跡。現代小説の名手佐藤正午渾身の最高到達点。
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読み終わった時点ではストーリーをきちんと理解出来ているか不安な状態。というのも、作中作と事実が入り乱れ、かつ小説中の事実をベースにした作中作であるため、結局はどこまでが事実かを理解するのが複雑なためである。
ミステリータッチのため、最後にまとめて解答編のようなものがあるかと思ったが無かった。
解答編が無くてもストーリーの全てを覚えていたら傑作ということなんだろうが、そうではない分、自分にはハマらなかったのかも知れない。
とはいえ、つまらないわけでは決して無い。
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忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、疑惑つきの大金、そして鳩の行方‥‥。多くのひとの運命を狂わせたあの日の邂逅が、たった一日の物語となって雪の夜に浮かびあがる。
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上巻に引き続き読み込んだが、締めくくりが個人的には少々拍子抜け。おそらくこの本はいろいろな話の伏線や言い回しが好きな人には面白いんだろうと思う。
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これでもかと伏線を回収し続け、キャラのたちっぷりも痛快、読めない展開、読みやすい文体…これは一気読みの面白さ。
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下巻読み終わりました。やはり、時間軸や話の構造を無理に複雑にして、強引に関連づけしてる印象が拭えません。
伏線を、無駄に貼りすぎ、それを回収していくものだから、結局話の本筋がよくわかりません。
もっとシンプルなほうが‥
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星3.5
結局、思ったよりゴタゴタには巻き込まれなかったので、ホッとする気持ちと物足りなさが半々。
津田クンのクズさ加減や本通り裏の人など、振り切っていないのがリアルに感じる。
まぁ、長いよね。
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一生に一度は誰でもあの時こうしていたらとか、そっちを選んでいたら…という思いに捉われたことがあると思います。佐藤正午の小説はこうした人生の分岐点を取り上げ、もしも…したら…していればの、もう一方の風景を描いてみせます。
今回の小説は、落ちぶれた直木賞受賞作家の津田伸一が主人公。現実の自分を俯瞰している小説家の津田が同時進行で、物語を創りあげていく過程を述べながらの内容で、重層に入り組んでいるので最後の方まで結末が予測が出来ませでした。
「ピーターパンとウエンディ」この子ども向けの本のフレーズがところどころに引用され、隠喩となり本自体も行方が重要なお話の鍵となります。
生活苦で喘ぐ津田に思わぬことから突然転がりこんできた大金でしたが、このことが発端になり事件に巻き込まれていきます。「別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった」というお話の中で登場するキャッチコピー。この言葉の持つ悲劇性が暗示するように、夫婦と幼子の3人が忽然と姿を消した事実も関係し、事態はその人間関係を軸に複雑に絡み合い、縺れていきます。ストーリーもさることながら、登場人物の会話も頭文字会話が出てきたりで笑える部分もありながら、ハードボイルド的な要素も含まれていますから意外性も十分。
読んでいる私たちが先が読めないのは当然のこと、ようやく最終局面で、様々なエピソードを繋ぎ合せお話は収束するかのように見えながら、書いている津田自身も…ほんとうに終わりなのか…と自問自答しているくらいですから無理もありません。
人生においてはどうしてそうなったのか当の本人にはわからないことばかり。神ではない私たちに全体の風景はけっして俯瞰できないものだからです。