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気づけば一年以上読んでいた。読書体験として極めてまれで、楽しい日々であった。野崎まど以来のfor meの感覚である。
現実世界におけるヒトを有限オートマトン(FA)だとすると、その状態とは、すなわちミーム群である。ヒトとヒト、ヒトと書籍、ヒトとアニメの間でコミュニケーションが発生すると、ヒトというFAにあるミームが入力され、FA内部のミーム群という状態の遷移が発生する。また、状態遷移と同時に動いているのが時間である。すなわちミームの違いは時間の違いである。
ミームを基準としたキャラクターや世界の動きの説明には足りないものがあった。時間パラメタである。
「エヴォリューションがーるず」を読み始めた時は、まだけもフレ2の放送前であった。5ページも読めば、けもフレの記憶や新たな考察が浮かびあがり1か月読む手が止まる。10ページも読めば、爆死の記憶が刺激され止まる。そしてけもフレ2が訪れ、意識はケムリの向こうでたなびくクサとなり、無心を持ってエヴォがると相対することになった。
同じ冒頭5ページを読んでも、当時と今では心に移りゆくものが違う。続けて2回読んでも、1回目と2回目では違う。本は何度でも読める。読むたびに様々な感想が浮かぶ。すなわち本はガチャである。日曜日の優雅な時間を対価に回されるガチャ、言い換えればソシャゲである。ソシャゲにハマって、読んでは止め、読み返して止めを繰り返し、結局たどり着くのは、この本は捉えようがないという現状、つまり爆死だ。読み始める前のこの本を知らない状態と、読み終わって捉えきれない状態は、違うようでいて同じでもある。頭の中を駆け巡っていたはずの考察は、文章として形を持つ前に消え去り、それが存在していた証拠はどこにもない。1年の歳月で変化したはずの時間パラメタは、ミーム群へ線形に投射されることなく、ソシャゲによって捻じ曲げられた。
ソシャゲは自由意志エネルギーを搾取する。そうだろう、この一年、読書量が減少した理由は多数存在するが、この本の影響も大きい。しかし、一年にも渡る高揚感があったのだ。そして私にはまだまだ捉えられない。まだ回せる。次のソシャゲ(『大進化どうぶつデスゲーム』『これは学園ラブコメです。』)が積まれてる。私が涸渇するまで、時間パラメタを超えるソシャゲを回し続けていたい。
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未評価にします。なぜなら、ワタシには分からへんから。これを推薦した人に話を聞くことにします。
付け足し。
円環の世界。
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読んで思わず第一声。酷え!(褒め言葉) 作風がグロ多用なので読む人を選ぶところはあるかも知れないけども、何故この題材でにこまきなのか全く理解できない。ただ、オチとしてはちゃんと説明は為されているが、非常にメタいところがあって、夢オチの亜種のようなものだが、それも新しい夢オチというかなんというか。個人的にはエヴォリューションがーるずの方が好み。フレンズというよりまどマギ感がというか、脳内にClariSの歌が流れた。暗黒声優はある意味正統派SFだけど、ちょっとなあ。でも重力が無くなった原因については驚愕。
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ジャケ買いでしたが、イラストの可愛らしさは数ページで失われましたww 題材に反比例して、SFだった。すごい。
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最後にして最初の矢澤ということでR-18G
アイドルとは、ガチャとは、声優とは、というテーマにSF的観点から迫る異端作?
そして百合
短編として「最後にして最初のアイドル」は読んだことあったのに、つい買ってしまう魅力がある
「エボリューションがーるず」はアイドルと大まかな展開か同じような気もしたけど、アイドルは草野原々版ラブライブ、がーるずは草野原々版けものフレンズだと思えば
どちらも少し血生臭いが
きみはガチャが得意ながーるずなんだね!
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最初はアイドルものだと思いつつ、読み進めるうちに「アイドルとは?」って驚愕する。
けれども、ラストまで読むと「アイドルだった」となる。
さすがSF。
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・言われるほどひどくはなくけっこう楽しめた。ある意味しっちゃかめっちゃかなおバカSFだがSF好きというより理科好きの人の方が面白がれるかもしんない。一度は考えるようなこと、意識はなぜ発生したのかとか、文化はなぜ発生したのかとかそんな問いへのひとつの好き勝手な回答とも言えるから。その点では筋が通っているように見える。
・アイドルになりたかった少女が失意の自殺をしたことでなかば狂った友人が太陽異変に端を発した地球生物壊滅の危機のなか少女を狂ったアイドルとして復活させることに成功し宇宙の創生や意識の創生につながるアイドル活動が始まる表題作。「ラブライブ」をイメージ。
・ソシャゲ中毒の女が事故で死に自分がゲームキャラとなり死後も課金を続け進化を体感し自由意志=可能性と決定論の間でなぜソシャゲが生まれたかを理解する「エヴォリューションがーるず」。「けものフレンズ」をイメージ。
・重力が限定条件下でしか存在せず宇宙はエーテルで充たされており声優がそれをコントロールできほぼ万能だが便利な道具として使われている世界。ある意味そんな世界のシミュレーション小説とも言える「暗黒声優」。強いて言えば「鉄腕アトム」の「地上最大のロボット」と「青騎士編」と、「鋼の錬金術師」のスカーをイメージしたり。
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とんでもないものを読んでしまった!
脳に閃光が走るとはこういうことなのかもしれない。まるで、宇宙の概念のようなものに触れてしまったかのような衝撃だった。
「アイドル活動頑張ります!」「挫折もあるけど、負けないもん!」的なアイドル作品かと思ってはいけない。気を抜くと10億年くらい経ってたりするのだから。
でもテーマが”アイドル””ソシャゲ””声優”と身近で、どんどんこの世界観に引き摺り込まれていってしまう。恐ろしい、草野氏ワールド。これは癖になりそうだ。
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しっちゃかめっちゃかでグロを超大真面目なSF設定を盛り込んだか…という小説。賛否両論あるけど、個人的におもしろくないので、表題作と「エヴォリューションがーるず」の途中で投げ出した。
続きはヒマな時気が向いたら読む。
初期の筒井康隆のエログロナンセンスなバカSFがお好きの方はおすすめ出来ると思います。
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この小説でいう「アイドル」は変数の箱であり、その中に入るのはツインテールの若い女子であったり、人とも肉塊ともつかない怪物であったりする。それでも箱に貼られたラベルはアイドルだから、これはアイドルの話なのだ(表題作)
全体として、この本は生物と宇宙の話だ。ものすごく難しい生態系の話をアイドルやソシャゲの概念を持ち出すことで分かりやすく噛み砕いてくれる、のではなく、実際はアイドルを餌に読者を誘い込んで未知の生態系に引き摺り込み捕食してくる。
意味を持つ単語と単語が接続詞という糸で結ばれて複雑な網を作り、もし単語一つの意味を知っていたとしても、織り上げられた網の全体像を理解することは一般的な知識を持った人間では不可能に近い。
我々はこの小説が作り出した網に囚われる進化途上の虫にすぎない。
でも大丈夫。我々には魂がある。
単語の意味がわからなくても、ぶっ飛んだ展開についていけなくても。魂で「なんとなく感じて楽しく読める」から。
理科が好きだと尚いいだろう。
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オタク文化とハードSFの融合作品と聞いて多くの疑問が浮かんだが、その疑問は読むことで簡単に解決される問題でしかなかった。あまりに壮大なストーリーと世界観に圧倒されてしまった。タイトルだけでは想像できない内容に度肝を抜かれることは間違いない。
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タイトルと表紙に騙されてはいけない。力のある作家がハヤりものを題材に再解釈してSFを作ると…なんでこんなえげつない有様に(いい意味で?)という作品集。
各中編はアイドル、課金ガチャ、声優の3主題の構成。
(以下ネタバレあり)
一作目は表題の「最後にして最初のアイドル」。
タイトルの由来はオラフ ステープルドンの「最後にして最初の人類」のパロディだと思われる。
アイドル志望の若い女性主人公がサクっと死ぬ。
同級生の病院で魔改造手術を受けて、アイドル活動という名の殺戮を始めて人類を滅ぼし、創造主にまで進化する。
何を言っているか分からないと思うが、ありのままに話すとこんな感じなのである。
二作目は進化ガチャの話。
重課金勢の若い女性主人公がサクッと死ぬ。
(作者は若い主人公を殺さないと話を進められない感じのひとなのかとの疑い浮上)
単細胞生物から出発して進化ガチャで少しずつ生物としての機能を備えてゆく。
話的にはこれが一番面白かった。
三作目は暗黒声優?の話。
エーテル宇宙で推進機関として働かされる声優という職業。
読み進めていくうちに声優って何なのかわからなくなる。
共通するのは、確かな知識に裏打ちされた世界設定。これがしっかりしているから陳腐にならずSFとしてなんだかんだで最後まで読めるのだと思う。
本作で星雲賞を受賞したとき、審査は賛否両論だったのもうなずける。
とにかくぶっ飛んでるSF。
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アイドル、ソシャゲ、声優と最近の流行りものを取り入れているので入り口はかなり広いと思われる。この本はハード百合SFと紹介されていたのをきっかけに読み始めた。たしかに嘘ではないがただの百合作品という枠組みに収まるような作品ではなかった。ぐいぐい読み進めさせる力のある文章によって繰り広げられるSFの世界観。わりとグロいシーンが多いので苦手な人は注意が必要かもしれない。特にソシャゲの話は百合として一番楽しめたので満足。
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短編が3つですが、基本的にはおばかなストーリーにハードSF的なものをかぶせていくスタイルのようです。最近の量子論とか宇宙論を取り入れているようですが、10年、20年後にはどんなテーマで書いているんでしょうね。かなり個性的ではありますが、SF好きにはおすすめだと思います。
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何を読んだのかさっぱりだ…という感想。いや、内容はわかるんだけど脳が理解を拒む感じの。 最後にして最初のアイドルに関しては、これをにこまきで思いつくのどういう頭をしているんだと。あといつのまにか私もアイドルになっていたらしい。 エヴォリューションがーるずは、まどマギとけもフレを足したような…しかし、進化は進化してソシャゲとなる…とは… 暗黒声優も内容は変わらずぶっ飛んでいたし、百合営業には笑った。 どれも流行りもの、文章にも勢いがありエンタメ性はすごかったが、読むのにもエネルギーがいる作品が多い印象