紙の本
激動の時代を駆け抜けた
2021/10/10 17:23
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
瀬長亀次郎の数奇な運命が伝わってきます。沖縄県民初の衆議院、本土復帰、今の時代にまで先送りにされた基地問題についても考えさせられました。
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2018年6月読了。
99ページ、受刑者の環境改善を求めると同時に、刑務所職員が天引きされている「互助会費」会計の明確化することを求めるあたり、単純な「受刑者対職員」という対立に陥っていないところがすごい。
210ページ、「日の丸」はwelcomeなところ。単純な「保革の対立軸」で沖縄を捉えることは誤解につながる。
234ページ、共産主義者とレッテル貼りされた瀬長から「ブルジョア民主主義の育成が必要」との発言。ここでも右左の単純な理解では沖縄を正しく捉えられないことが示される。
236ページ、「民族自決」、ホー・チ・ミンやガンジーを彷彿とさせる。
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不屈の闘志で沖縄の本土復帰、人権回復に尽力した瀬長亀次郎の戦いが記された一冊。
今では当たり前のように沖縄県として、日本国民として位置しているけれども、それが当たり前ではなく先人たちの努力があったからこそなのだと知れた。
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こういう人が、僕の中での政治家のイメージ。
彼の主張に現代の僕が100%同意できるということはないけども、彼の主張は一貫していて、間違いなく聴く価値がある。
国会議員となった瀬長亀次郎が、佐藤栄作総理と沖縄北方特別委員会で対決する場面が、本書の中でも出て来る。実際の音声も聴いたのだけど、瀬長の言葉には迫力がある。
瀬長亀次郎の死から18年。未だ瀬長の思い描いた沖縄にも日本にもなっていない。
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沖縄の英雄、瀬川亀治郎の伝記。
熱い話である。
瀬川は民族主義者だった。が、彼のいう民族は日本民族であり、そこには沖縄人も含まれる。琉球民族、大和民族という分け方はしなかった。学問的に共産主義を学びある程度支持していたが、これには時代性もあるだろう。暴力革命は明確に否定しており、本質的には共産主義者ではなかった。
後半の佐藤栄作との舌戦は、個人的にどちらかといえば佐藤側を支持する。地政学的な要地であるため沖縄に基地は必要、としか言いようがない。現実的にはそうだと思う。残念ながら、中国が一党独裁の軍事強国である時点で仕方がない。しかし、本土側からの歩み寄りも必要だろうと、改めて思う。
何にせよ、瀬川亀治郎の生きざまには敬意を覚えずにはいられない。
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凄い人です。
沖縄が アメリカ軍に我が物で 支配されていることに 真っ向から立ち向かった。
県民は カメジローに希望を見出して 皆で立ち上がった。
不屈の精神の カメジローは 田中正造さんと同じくらい 素晴らしい方だと思いました。
こういう人が議員さんだと思います。
現在 Amazonで ドキュメンタリー映画見れますので 合わせて見るのも良いでしょう
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1959年、石川市の宮森小学校に米軍戦闘機が墜落し、児童ら17人が死亡。パイロットは機体の異常を感じてパラシュートで脱出。県民婦女が受けた暴行もニュースになる。本土でこれらを人ごとのように目にしながら、基地を受け入れる事での利権で美味しい思いをしているなどと揶揄する。十把一絡げには事象は語れない。しかし、この温度差は、共感と理解の欠落による。
瀬長亀次郎は米国に支配された1950年代の那覇市長を務めた人物。投獄されても、資金凍結されても、決して屈しない。米軍が最も恐れた男と呼ばれながら、大衆的な沖縄のおじさんとしてタレントや芸能人のような存在でもあったという。阿諛追従せず、不屈、信念に生きた事で獲得したカリスマ性。
本著ではあまり有名ではないその生涯、収監、米軍や佐藤栄作との論戦などが綴られる。本人の書が、巻末に引かれる。以下だ。論理より、芯の熱意が伝わる内容だ。
ー不幸なるかな、我々は過去4分の3世紀にわたって琉球人が大和民族であると言う裏付けに成功の限りを尽くしてきた。恥ずかしいが、われわれは素直にこの事実を認めねばならぬ。琉球人は馬鹿にされていたので。喜劇に近いが、諦めよう。沖縄人はジャップでござい、を裏付けるための努力ではなかろう。沖縄においてはいかに高く文化的に評価されようが、最高潮に達する資本主義文化を満喫するアメリカ支配者たちに同じ評価を知るのは無理であり、無茶苦茶に近い。土を踏むのだ。われわれは、中空高く飛んではいけない。