紙の本
刑事 夏目信人シリーズ第四弾
2018/08/16 08:08
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「刑事のまなざし」「その鏡は嘘をつく」「刑事の約束」に続く、刑事 夏目信人シリーズの4作目。
この本には、
-黄昏
-生贄
-異邦人
-刑事の怒り(※書き下ろし)
の、4つの短編が収録されています。ジャンルとしては社会派ミステリーといったところ。シリーズで変わらず、夏目刑事のあたたかくも厳しい目が光ります。
この本から読み始めることもストーリー的に大きく問題は無いのですが、夏目さんが刑事になった経緯や家族構成等を知る上でも第1作から読まれることをお勧めしたいです。
薬丸岳さんのファンですが、今回は少し後味の悪い作品が多かったので、少し低めの評価にしてしまいました。
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夏目シリーズ第4弾。短編集。
夏目は錦糸町へ異動。
ちょっと付き合い難い女刑事本上との関係性の今後が気になる。
――こんなに怒りに打ち震えても、まだ、人の心を取り戻して欲しいと望まずにはいられない。
現代社会の希望なき闇に切り込んだ4篇。
隠れた犯罪多発地帯として知られる錦糸町の危険な一面と、夏目ならではの深い視点で事件の真相に迫る4編。
黄昏:母の死亡届出さず遺体と同居続けたのは年金搾取が目的ではなく・・・。
生贄:強姦被害の連鎖。犯人に一矢報いる、ってここまでするかなー?
異邦人:警察通訳人。同国出身犯罪者の取り調べ。冷遇される心優しい同郷者の悲しい現実。
刑事の怒り:事故後遺症で何年も寝たきりの患者。
患者本人の意思は?家族や恋人の思いは?
日頃冷静で感情の乱れを感じさせない夏目の心を揺るがす事件が。
夏目の視点は、いつも静かで深い。
また読み終わった後にいろいろ考えさせられたー。
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夏目刑事、鋭い推理に人情味があって好き。
本上との関係もよくなっていくといいな。
彼女の過去はあまりにも過酷だけど、あまりにも頑なで痛ましい。
事件は残酷で胸が痛くなる。
レイプは、本当に最低な事件だから、犯人に味方したい。
その気持ちがわからないのは、やっぱり夏目刑事が男だからなのかな、、、
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説明
内容紹介
被害者と加害者、その家族たちのやむにやまれぬ“想い”をみつめてきた刑事・夏目信人が出会う凄惨な事件の数々。年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護。社会の歪みが生み出す不平等や、やり場のない虚しさを抱えつつも懸命に前を向く人々を理不尽に踏みにじる犯人を前に、常に温かみに満ちていた彼のまなざしが悲しき“怒り”に燃えあがる。日本推理作家協会賞受賞短編を収録、現代社会の闇に切り込んだ4つの傑作ミステリー。
夏目刑事は理想の刑事さんですね。
優しさと強さを感じます。
ドラマ化された椎名桔平さんを思い描きながら読みました。またドラマ化の続編しないかなぁ〜
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事件には加害者と被害者がいて。加害者は罪を償いそしてその罪への報いを受ける。
けれど、そこには事件を起こさなければならなかった何かがあるはず。その何かを常に考えその罪によりそうのが刑事夏目。今回も悲しくてやるせない「何か」を夏目は見逃さない。なぜその事件は起こったのか。通りいっぺんの捜査では見つけられなかった本当の「罪」。
けれど今回、夏目が激しい怒りを見せた「何か」は夏目のどうしても許せない、そして譲ることのできない一線だったのだ。夏目の怒りが心を激しく揺さぶった。
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夏目シリーズ第4弾。
今作で夏目は錦糸町へ異動。舞台も錦糸町へと変わる。
隠れた犯罪多発地帯として知られる錦糸町の危険な一面と、夏目ならではの深い視点で事件の真相に迫る4編。
外国人犯罪、性犯罪、介護疲れ…
現代の闇を代表する犯罪を描いていて、それぞれ短編といえども、重い。
そして、表題である「刑事の怒り」普段感情の乱れを感じさせない夏目の心を揺るがす事件が描かれる。ここでは一つの物語に過ぎないが、生きていれば、誰もがぶつかる可能性が高い問題。読み終わった後に考えさせられる内容だった。
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久々の夏目刑事。最初は犯罪被害者支援の話とごっちゃになってしまったけど、やはり面白かった。娘が少しずつ回復しているので、次も期待したい。
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夏目シリーズ第4弾の短編集。やりきれない事件ばかりでちょっと滅入ってしまいました。夏目さんの地道な捜査には頭が下がりますね。これから、本上さんとどんな捜査をしていくのか楽しみですね。
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刑事が主人公の連作ミステリ。
人情系でありながら、介護など現代の社会問題を織り込ませて、物語に厚みをもたせている。
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2018年21冊目。刑事・夏目シリーズ最新作。⌈黄昏⌋ただただ感動。どうも最近こういうのに弱い。⌈生贄⌋夏目なれどままならないこともある。これこそ当事者にしか理解できないものなのだろう。⌈異邦人⌋これまた難しい問題。それでも救いの見えるラストは素敵。⌈刑事の怒り⌋夏目が見せる静かで激しい怒り。同じ境遇にある夏目だからこそ説得力が増します。
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半分の章で納得のいかない解決。逮捕はされたけど悔いていないのがどうも。「異邦人」は切ない。人手不足の業界の求人を海外に求める傾向の昨今。こんな思いしてほしくない。私の心は大丈夫だろうか。見つめ直すいい機会でした。「生贄」は同情するけど、同情できないのは私が幸せだから?「刑事の怒り」も身勝手でため息。「生贄」同様、復讐するなら当人だけにして下さい。それでも殺しちゃダメだけど。絵美ちゃんの道程もまだ遠く。怒りに震える気持ちは分かるけど、穏やかに絵美ちゃんの側に居てあげて下さい。
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夏目刑事シリーズもはや4作目。東池袋署から墨田区錦糸署へと移動になった夏目刑事。スカイツリーの見える家に引っ越し、前作で意識を取り戻した絵美も転院しリハビリに励んでいる。
4つの短編はそれぞれ、年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護といった社会問題をテーマに織り込みながら、事件そのものよりも、その背景にある人間を描いているという点がこのシリーズらしい。
夏目刑事のまなざしはいかなる時も温かい。その夏目が怒りに震えた標題作「刑事の怒り」はやるせなさの残る事件だった。
短篇だけに読み応えという点では満足のいくものではないが、新しい環境での夏目家のこれからと新しい同僚との関係性など5作目への期待大。
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夏目刑事シリーズの短編。夏目刑事の観察力に圧倒されました。さまざまな事件が起こるが、それぞれの犯人の深層心理が奥深い。短編なのにどの事件も重くすごく考えさせられました。
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夏目刑事シリーズ第4弾。連作短編集。4編。
今作にて、東池袋署から墨田区錦糸署へと移動になった夏目刑事。年金不正受給、性犯罪、外国人労働、介護といった社会問題をテーマに織り込みながら、事件そのものよりも、その背景にある人間を描く。
娘が少しずつ回復していることにほっとするが、そのことに相反して「刑事の怒り」では考えさせられる面も。
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夏目シリーズ短編集。ミステリとしての読み心地ももちろん、夏目の優しさがじんわりと染み入るのが最大の魅力です。
お気に入りは「刑事の怒り」。たしかにこの犯罪は、人の命を奪うという点だけではなく、周りの人の心も傷つけたという点で許されるものじゃないなあ。だけれど、怒りながらもやはり夏目の優しさは健在。この優しさが犯人の心にも幾分か染み入ってくれることを願うばかりです。
「生贄」も印象的でした。もちろん犯人のしたことに諸手を挙げて賛同はできませんが。完全に否定もできないと感じました。これは女性には残酷ですよね。