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電子書籍

『ぼくらの時代』の薫くんの話をほぼ全部集めた、彼の成長譚となる1冊

2022/01/15 22:22

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る

栗本薫の江戸川乱歩賞受賞作『ぼくらの時代』に始まるいわゆる「ぼくら3部作」と、その主人公(?)栗本薫が登場する『猫目石』『怒りをこめてふりかえれ』に『公園通り探偵団』その他を収めた電子全集第3巻。
というわけで、この巻には薫くんが登場するのだが、改めて、しかも薫くんシリーズとも言うべき作品をまとめて読むとなかなか面白かった。
『ぼくらの時代』は、薫くんのデビュー作であり、著者栗本薫にとっても商業作家としての実質的デビュー作で、今読み返すととても若々しい感覚(ただし、1970年代後半の)で語られていて、なるほどこれならば乱歩賞の選考委員が評価したのも確かだったのだろう。ただし、この巻にも収められている著者の言葉からすると、若さからくる勢いで書いたようにみえるところを緻密に計算して書き上げたものだったという、別の意味で栗本薫の才能を感じさせられてしまった。
続く『ぼくらの気持』『ぼくらの世界』と、似たような雰囲気の話が続くが、その背景にはバンド仲間のヤスヒコが就職していったり、薫くん自身もそれなりの仕事を持つようになったりと、若者の成長譚といった面も随所にみられる。
そして、『猫目石』だ。一見、栗本薫と伊集院大介の対決(?)のようにみせており、これも伊集院大介シリーズの1つと言っても良いのかもしれないが、ここでも薫くんの大恋愛が語られており、やはり若者の成長譚の1エピソードと読める。
さらに『怒りをこめてふりかえれ』に至ってはもはや推理小説とは言いにくく、ほとんどマスコミ・スキャンダルに追われる有名人のつらさや葛藤などで埋め尽くされているが、それと同時に薫くんが結婚をし、最後には子どもまで生れるという話にもなっている。
どうも、これら薫くんのシリーズは推理小説の体裁をとってはいるけれど、その実は薫くんがモラトリアム青年から成年になっていく過程を5作にわたって書き続けられたものだったということらしい。そしてそれはさらに、著者栗本薫のライフ・ヒストリーを投影しているものだったということだ。
そうなると、この巻に収められている未発表作品だった『ぼくらの事情』(未完)がどんな話になったのかというのが興味深い。この作品はどうも『ぼくらの時代』を遡る時系列の話だったようだ。発表された5作とは語り口もやや異なっており、著者の実体験が色濃く出ていたのではないかと思われるので、もう絶対読み終えることができないのが残念だ。
他にはエッセイや夫や母親の回想録なども収められているが、その中でも面白かったのは、栗本薫と中島梓の架空対談だった。敢てこの2人を切り分けると、こんなにキャラクターが異なっているのかというのが改めてわかった。

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