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紙の本

欠けているピース

2007/08/22 22:31

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

途中(終盤の入り口)までは面白かったのだった。長い滑走のあげく、離陸せずに終わってしまった飛行機みたいな。変なたとえですが。
著者は、真っ正面からではなく迂回路を取って「正義」を論じようとしたのだから、そうなるのも致し方ないのかもしれない。著者の言葉では《ただ正義という言葉にまつわって論じられてきた事柄のほんの少しのことだけを考えてみようとするものにすぎない》。そこでは「正義」は、くぐもった小声でささやかに語られる。
ささやかに語る「正義」であっても、大切なことは言える。大文字の「正義(ここでは分配の政治と承認の政治にまつわる正義)」に欠けているピースを埋め合わせてくれる。

著者は、正義という言葉に対して、ひっかかりや居心地の悪さを感じるのだそうだ。
うん、そういう感覚って大事だと思う。私も正義に関する本のレヴューをする中でいちいち記さなかったが、どんなに素晴らしそうな思想や理論でも正義に向かう段には、それから距離を置いてみる醒めた視点も併用したほうがいいことも理解しているつもりだ。
どのみち、どうあがいても、私たちは何かしらの正義と格闘することは避けられない。だからこそ、正義を語るときには躊躇いの表明があっていい。

居心地の悪い人が語りうる正義。そのための格好の主素材となるのが、シュクラーの提起した「恐怖のリベラリズム」という概念だ。一言でいうと「恐怖からの自由」を軸にした自由主義である。「残酷さ」を第一の悪徳とし、そこからの回避をめざす。
積極的な正義の実現によってアカルイミライをもたらさんとする「希望の党派」に対しての、残酷な過去の歴史に思いを繞らす「記憶の党派」に属すものでもある。
そこでは「通常の正義モデル」が抱える《不正義やその犠牲者の存在にそれに応じたふさわしい場所を与えることができない》という限界にも目が向けられる。

こういった道具立てを通して、《 〈あいだ〉のなかでの分かち合い、分かり合い(そしてその在り難さ・在りえなさ)としての正義 》という、本書での主論点へと結びつけていく。
ここが少し分かりにくいので高評価とはならないが、「通常の正義モデル」に欠けているピースを提供してくれただけでも、本書に意義はあるのだと思う。

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2017/03/09 13:12

投稿元:ブクログ

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