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表題作は芥川賞候補作品。
太平洋戦争当時の過去が半透明に現れて現在と重なってしまった東京。こちらからは過去の出来事が見えるが、向こうからは感知されない。主人公の家には半透明なまだ幼い祖母とその両親が住んでいる。もうすぐやってくる昭和20年の下町空襲で曾祖母は焼け死んでしまうはずなのだが…
SF的な設定だがそこは深く突っ込まず、この特殊な状況下での人々の生活や心情を描いた話。中編なのが惜しい気がする。
他「空蝉」、「阿呆神社」を収録。
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同じ景色なのに2つの時代の風景がシンクロして見える。現代から過去へのメッセージ?それとも過去から現代への何かの警鐘?
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短い文章で、ここまで読ませるのは素晴らしい。
世にも奇妙な物語みたいと言ってしまえばそれまでだが、プロット以上に語るものがある。
ちょっと泣かせるというか、哀愁漂う一冊。
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ディレイというのはギターをやってるひとならエフェクターのひとつは使ったり聞いたことがある代物で,プログラミングするひとには入力信号を数十msecバッファで遅延さたコピーを出力すると得られる音響効果の一種でこれが数ミリsecになるとフランジャーになるわけでけど,小説内時間をテープ音楽のテープ的にとらえるというそもそもの発想がまず,いち音楽ファンとしておもしろい.もちろんそれだけで書けるわけではないのはもちろんだけど.
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面白かったです。
生活、を感じました。人が生きている世界。
「ディレイ・エフェクト」の世界は体験してみたいです。幻の雪が降る中、炎上する東京……そしてこの世界、丁度今頃なのですね。
ディレイ・エフェクトはリバース・ディレイに変化したのですが(音楽の機材?は疎いのでこれがどういうのかはいまいちわからない…)、永遠に終戦の年を繰り返すのかな。。
「空蝉」はバンドの一生を垣間見ました。
「阿呆神社」は人物関係を掴むのにまごつきましたが、誰を守っているのか…が見えてくるとじーんとしました。神様も大変です。
宮内さん、これからも読んでいきたいです。
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表題作を含む短編3編。第二次大戦最後の1年が幻のように現れている東京が舞台の話、JR大塚駅周辺を舞台にかつて活躍したバンドの話、大塚の神社の話。話の設定と展開が巧みで爽快感(?)あり。面白い作家を知れた。
ランカウイの家の前庭にて。2019年の大晦日の午前中の読書。
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宮内悠介のネームバリューに期待しすぎたかなぁ。
ちょっと肩すかし食らった感じ。
3作の短編を集めた1冊で、表題作はアイデアとトリックが良かったが、書き込みが薄いような気もした、せっかく公安が出張るなら、戦時下の特攻と絡めるとか、宮内さんの筆力なら描きこんで長編化もできたんじゃないかなぁ。
あと2作はおまけ?みたいなものかな。