投稿元:
レビューを見る
前作を読んでも感じたが、辛く苦しい事を
ユーモアを交えておもしろおかしく伝える
能力がとても高いと思う。
個人的には入院の話がとても励まされた。
投稿元:
レビューを見る
トラブルだらけの日常を、少し離れたところから眺め、ちょっとしたおかしみに変えて綴る。なかなかできることじゃないよね。文章力もすごく必要だし。「ちんぽ」と同じぐらい面白かった。
投稿元:
レビューを見る
前作の方がはるかに重い話だったけれど、読んでいる私はこっちの方がしんどかった。なんでだろう。
特に、子供のころの話が読んでいて辛かった。
脅えて縮こまって、体の不調をギリギリまで我慢している小さな姿が目に浮かんでやるせなかった。今もそれほど変わっていないのがなんだか辛い。もっと自由に生きていいのに、と外野が言うのは簡単だけど、こういう人たちにとっては、我慢するのが一番楽なんだよなぁ、と思う。
教師の力って、あなどっちゃいけないんだなぁ、とも思った。こだまさんみたいな子供はきっと世の中にたくさんいるんだろうけれど、一人でも多く、相性のいい先生(こだまさんにとっての青山先生みたいな)と会えることを心から祈る。
しかし、ほとんど実話みたいだというのが、ちょっと驚く、というか、周囲に作家だということを秘密にしたままでいいのか?と心配になる。
実話をフィクションに組み替える技をどこかで学んだほうがいいのでは・・・?
まじめな人だからか、いろんな意味でストレートなので、周囲にバレた時に、大切な誰かの心を傷つけてしまうのでは、と心配(非常に余計なお世話なんだけど)。
フィクションだって、絶対おもしろく書ける人だと思うだけに。
投稿元:
レビューを見る
前作「夫のちんぽが入らない」がおもしろかったので、二作目となる本書も読んでみたくなりました。
自虐的エッセイ集です。
筆者、子どもの頃から、自分の容姿、性格が嫌いで、人付き合いが苦手で友達と呼べる人もいなくて。教師になるも、学級崩壊し、心を患って退職。無職中に、体がありえない方向に曲がる病にかかるわ、首にボルトは埋まっているわ、夫もうつ病になるわ、これでもかという不幸の連続です。
でも、私にとっては、単なる不幸自慢ではなく、文章がおもしろくて、声を出して笑ってしまったり、最後までおもしろく読ませてもらいました。
「不自由なく生きられたらいいけど、よほどのことがない限り大丈夫。多少間違えても大丈夫。どのようにも生きられるんだ」という筆者のメッセージには、前向きなのか、諦めなのか、割り切りなのかわからないけど、心に刺さるものがありました。
投稿元:
レビューを見る
森永卓郎似のオバサンの2回目以降の呼称を「卓郎」にするところが好きです。
「知らぬうちに膀胱を乗っ取られていた。」もパワーワード過ぎました。
俺は君に、第2のさくらももこの称号を送るぞ!(ライダーマンに向けたV3の台詞風)
投稿元:
レビューを見る
欠けているからこそ、書く、というこだまさんのエピソードは、どれもしんどいと思えるし、ご本人が全てをその場で前向きに笑いに変えているわけではないのに、なぜか面白く思えて笑ってしまう。
受け入れて一日一日をただ生きる
これが実は一番難しく、そしてとんでもなくカッコいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
・父、はじめてのおつかい
蟹を見て「虫より安い」と冷やかす父
そんな父の言動を綴る私
二人揃って友達がいない
休日の予定もない 世の中を知らない
父と並んで無言でチョコモナカジャンボを食べる
隣にいるのは、間違いなく二十年後の私だ
・ここは、おしまいの地
くだらなくて、かわり映えのしない毎日だったけれど
布団の中で日記帳を開いて1日を思い返してみると
いつしか心が満たされた
誰にも見せることのない
自分だけの記憶の置き場だった
・モンシロチョウを棄てた街で
男社会に対する反旗なのだろう
おばさんは長年虐げられてきたに違いない
その気持ち、少しわかるような気がします
そう寄り添いかけた時
毒素コーヒーが私のマグカップにもなみなみと注がれた
・いちご味の遺品
脱走もしたし、脱糞もした
元気な頃の祖母の口癖は
「人さまの迷惑になるくらいなら死にたい」だった
・父のシャンプーをぶっかけて走る
今の私に「ええい、うるせえ」と
撥ね飛ばせるほどのこだわりがあるだろうか
人と顔を合わせると、どうしても流されてしまう
決意は砕け、自分がどこかへ消えてしまう
投稿元:
レビューを見る
生まれ故郷のこと、家族のこと、病気のこと、住まいのこと…。
なかなかヘビーな状況なはずなのに、どこかコミカルにつづられたエッセイ。
無口な人は普段は飲み込む分、内面ではこんな豊かな言葉を持っているのか。
人物描写なども「先生の物まねが上手な子」くらいの絶妙さで思わず笑ってしまう。
なかなか生きづらそうな性格のようだが、言葉を吐き出すことが生きがいとなるのなら、吐き出されたものをこれからも読んでいきたいと思う。
投稿元:
レビューを見る
不幸自慢にならないところが素晴らしい。
客観的な目で綴られているから重たいこともどこか可笑しみがあってクスッと笑える。
「傘」が沁みました。
投稿元:
レビューを見る
何もない“おしまいの地"に生まれた実家は空き巣に何度も入られ、訪問販売の餌食だったこと。中学の卒業文集で「早死しそうな人」「秘密の多そうな人」ランキングで1位を獲得したこと。引越し業者でさえ「これは最強っすね」と袖口で鼻を押さえながら言ってくる「臭すぎる新居」での夫との生活。
生まれ持った気質なのか、見事なまでに災難に巻き込まれる“おしまいの地"での出来事。
生まれつき体についている染み、ほくろ。何度かの入院、病気。引っ込み思案な性格。大変なエピソードばかりで、当事者だったらと考えると泣きたくなるような話なのに、「そのままでいいんだよ」と自分で自分の頭を撫でているようなこだまさんの強さが、身に染みる。
話せないけど、書く。話せないから、書く。
自分にできないことを、できることで代替していく。人間、そこまでしぶとくなって、生きていける。
投稿元:
レビューを見る
スーパーの鮮魚コーナーを物色していた父が、一匹八十円と書かれた蟹を見て「虫より安いじゃねえか」と呟いた。
『夫のちんぽが入らない』から1年。“ちょっと変わった"人生のかけらを集めた自伝的エッセイがついに書籍化!(Amazon紹介より)
影のある人の自伝はなぜこんなにも濃密なのだろう。謎のエネルギーを感じる本でした。過去の失敗やネガティブなこともこうしてエピソードとして吐き出せるのは、それだけ人生経験を積んで、過去と向き合う勇気があるからなんだろうな。だからなのか、ネガティブで暗い中にもちょっとした余裕や明るさが感じられました。どんな生き方でも、将来笑えればそれでよい人生だと思える一冊です。
投稿元:
レビューを見る
こだまさんは クラスの卒業文集で
「早死にしそうな人」ランキングの
一位を取ったそうですので
イメージを覆し
ぜひ 長生きしていただき
こんな笑ってはいけない笑えるエッセイを
沢山書いていただきたいです
投稿元:
レビューを見る
おもしろかった
けっこうひどい目にあっているし、ひどいことされているのに、わずかな人のやさしさというか魅力にふれてぜんぶ許してしまうところ、気前いいなあと思った。淡々とした文章がくせになる。川本、またおまえか に作風の特徴がでている気がする。9割つらいけど1割つよいというか。続編が気になる人
投稿元:
レビューを見る
コンプレックスが強いと卑屈で嫌味っぽい人間になりそうなものなのに、こだまさんの文章からは嫌な感じが全くせず、楽しく読めた。優しくて思慮深い人だと思う。妹は殺しかけてるけどw
投稿元:
レビューを見る
なかなかにブラックでハードなことが書かれているのに、読む人の気持ちを暗くさせない筆致がすごいなぁ。
これはもう天が与えし才能なんだろうな。