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第一部から第二部に移行したときの驚きというのは、多くの読者が語っているとおり、やはり私も驚いた。
その感覚はあの作品を読んだときと似た感じか。
そう「アレックス」だ。
しかし、本書は本当の意味でのミステリではないだろう。
サスペンスの形式をとった犯罪小説だ。
男2人+女2人が主な登場人物だ。
彼ら4人の裏切りにつぐ裏切りにハラハラさせられっぱなしだった。
正直、ある意味どうでもいい人間関係を、ここまで引きつけさせる作者の力量を感じた。
しかし、2018年の必読書などと言われると、それはないかも!と否定したくなるのは確かだ。
もっと他にも読むべき作品はありそうな気がする。
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シニカルでブラックで意外性に富んでいる──久々に良質のサスペンスを堪能した。
物語は、テッド、リリー、ミランダ、そしてもうひとりの視点から語られていく。三部構成で、それぞれの終盤に意外な出来事を用意して、様相の異なる次章へと場面を変える。
原題は「殺されてしかるべき者」。殺人の正当性を力強く主張するリリーは曲者で反社会的人格者なのだが、その歪みっぷりが逆に魅力的。隠れた素顔が明らかになる過去を経て、追い込まれる窮地にもひるまず、独特の嗅覚を持つ刑事との一騎打ちへと流れていくストーリーは先が読めず目が離せない。
「Aと思わせて実はBだった」というお約束の展開は、ストーリーが進むほどバリエーションが少なくなるが、それでもこの作者は斜め方向から切り込み、少しずつ読者の予想を裏切ってくる。通常は「起承転結」で落ち着くが、本作品は「起承転」で「結」がない。それでもステキに着地しているのだから、見事な構成というしかない。早く次作が読みたいなー。
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サイコパスな登場人物にも不思議と嫌悪感もなく、ページを追うごとに事件がどうなるのかハラハラしてくる。
視点が変わるごとに、どこで物語が終わるのか、特に後半は結末まで一気に読んだ。
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登場人物それぞれの語りでの進行なのですが、一人称視点ならではの立場の入れ替わりや認識の盲点を突いた展開はまさに予想外でした。
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リリー、テッド、ミランダ、ブラッド、キンボール。この4人がメインの登場人物。本作は犯罪小説なので、彼、彼女らがどのように犯罪(殺人事件)を実行するかが語られる。生々しくも淡々と犯罪の一部始終が描写される。それなりにページ数がある作品であるが、優秀なページターナーであるがゆえ、引き込まれ度は高い。そういえば、所謂犯罪小説は初めて読んだような気がする。登場人物のモノローグがメインの書き方や突拍子もない伏線のはりかたといい、読者を魅了する仕掛けが満載で、まったく中弛みがないまま最後まで読みきった。そうそう、空港やバーで美人に声をかけられたら注意しよう。殺されるかもしれないから。
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評判の一冊。だけれど苦手なやつ。
丁寧に書いてあって小さなことも蔑ろにしない、という印象。
一番書きたい感想はネタバラシになるので取りやめ。
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おもしろかった。ラストはなんとなく予想できたんだけど、そこに至るまで、いくつか仕掛けがあり、楽しんで読める。こういう犯罪ものって、なぜか犯人が逃げおおせるよう応援してしまうようになっていて、そこが人間心理の不思議なところだ。
映画化の話もあるようだが、確かに向いているかもしれない。ある一つのサプライズは映像化に工夫がいりそうだけど。
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本編421頁の文庫本に千円以上支払うのは冒険で、まして海外小説となると尚更だが、この巧妙に構築された物語にはそれだけの価値はあった。三部構成から成り、導入部である第一部は随分もたついた印象も受けたが、第二部から物語は急加速し、視点と時系列を絶妙にずらしながら進む。紹介文に嘘偽りなく、正に【追う者と追われる者】の心理的攻防戦が始まる。全く共感出来ない主人公だが、何とか逃げ果せてくれ…!と応援したくなるのはある種ダークヒーロー的爽快さを感じるからか。余談だが、食べ物の描写が多くて味覚的にも楽しめる作品だった。
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初読。特に記憶に残らない。
「その女アレックス」の下位互換的な。
刑事がせっかくキレ者っぽく出てきたのに、結局犯人が美人だから下心のストーキングを続けたら偶然刺されて捕まえられましたってところが繋がってなく残念だった。
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交換殺人の話かと思ったらそうではなく、自分のプライドを傷つけた、あるいは自分に不快な思いをさせた、そんな存在を次々と亡き者にしていくサイコパスの話だった。
潔癖過ぎる故に他人の夫婦事情にまで首を突っ込むのかと思ったら、なるほど、そういう繋がりだったかと、そこは面白かった。
ただ登場する人物たち、殺す者も殺される者も、皆が皆自分のことしか考えていないので感情移入も共感もせず、最終的にこのサイコパスが破滅しようが上手く逃げ切りようがどうでも良かったのだが、どんな結末を迎えるのかなということは気になって読み進めた。
最終的にはよくある皮肉めいたオチなのだが、このような結末をサイコパスは全く考えていなかったのだろうか。いかに田舎とはいえ、このようなことが起こり得ることは一つの可能性として考えるべきで、『死体を完全に隠す』ためには、もっと上手いやり方があるんじゃないかと思ったりもする。
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人のスキャンダルは、みんな好きでしょう?
って感じで、ついつい読み進めてしまう。
どんどん転がっていくリリーだけど、
もうひとりの欲のある刑事も参加してきて…。
かなり読みやすかったです。
心の描写で文字が詰まっていても、ダレない。
原文?翻訳の巧さなのでしょう。
リリー以外は欲に動かされてる。
魅力的なキャラだし、ダークヒーローになったらいいかも。
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評判がいい理由がわかる。読者を騙す、驚かすことに特化して、エンタメ性にも長けた作品だ。今年の海外作品でおすすめといわれたら、薦めるべきミステリである。
映画的な犯罪小説。サスペンス。気軽に翻訳もの読みたい方はぜひとも。
空港のバーで離陸までの時間をつぶしていたテッドは、見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を知ったことを話し「妻を殺したい」と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だがふたりの殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ!
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題名からして最高。
三部構成で、その章ごとに登場人物の視点で物語られる。
その展開にずるずると引き込まれる。
やはり魅力的(?)なリリーが、なんとも言えない。
原題は“The Kind Worth Killing”(「殺されてしかるべき者」)。
その信念と行動たるや…。
物語の導入部や、途中の複線。そして、最後の結末。
やはり、「あの人」が鍵を握る人になるとは。
描かれない物語のその後が、どうなったのか想像する。
個人的には、原題の“The Kind Worth Killing”(「殺されてしかるべき者」)よりも、この『そしてミランダを殺す』の方が、すごくピッタリきた。
だって「そして」だから。
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空港のラウンジでお酒を飲みながら飛行機の出発を待っていた男性は、赤毛の女性から声をかけられた。
彼女と話すうちに彼は自分の妻に裏切られている事を語り始める。美人の妻は二人のための家の建築を指揮していたが、建築業者のリーダーの男性と浮気をしているのだ。
妻は否定しているが、本人が気づいていないだけで、彼は建築中の新居で妻と建築業者の二人が愛し合っているところを目撃してしまったのだ。
そんな酷い仕打ちをした妻を殺してしまいたい…
その話を聞いた赤毛の女性は意外にも協力したいと言ってきた。
もし、一週間経って、まだ彼の気持ちが変わらないなら、まだ妻を殺してしまいたいと思っているなら、再び会おう、会えたなら、妻とその相手を殺してしまう方法を教えよう、そう言って二人は別れた。
そして、一週間が経った…
妻に浮気された男性 テッド、そして妻殺しの手伝いを申し出るリリーの二人の一人称語りの章が交互に続いていく。
テッドの章が妻への憎しみを確信していき、徐々にリリーに惹かれていく様子を語る一方で、リリーの章は彼女の少女時代に起きた事を語る。そして、リリーの章が現在にまで繋がり、テッドがいよいよ殺人を実行に移そうという段階で、事態は思わぬ方向に…
と、ここから第二部になり、一人称で語る人物が変わる。それによって、そこまで語られなかった登場人物の意外な関係性も明らかになる。
勿論、人を殺めることはいけないことなのだが、殺人を薦めるリリーに少し肩入れして読んでしまう。それ故にラストで明かされる事実が余韻を残す。その辺りも作者の計算なのだろう。
他人に評価を聞かれれば、絶対面白いと答えるに違いない作品。
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章ごとに入れ替わる登場人物の視点で語られ、
ストーリーはテンポよく進行していきます。
しかも予想を裏切る意外な展開に、
グイグイ惹きこまれてしまいます。
フィクションだから面白く読めるけど、
ごく普通に社会に溶け込み、
自分が狂っているとわかっていない人が、
実際に近くにいたらと思うとゾッとします。
罪の意識がまったくないということが、
もっとも怖ろしいところですネ。
べそかきアルルカンの詩的日常
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べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え”
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べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ”
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