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【目的】
臨床心理の分野をはじめ心理学について広くカバーしている本で勉強したいと思った。巻末のブックガイドにも惹かれこの一冊を皮切りに次々と勉強する分野を広く、また深くしていきたい。
【要約】
■臨床心理学■
心理学に”臨床”という概念は医療の現場に心理学が持ち込まれることで19世紀に誕生。その領域は精神病のような状態だけでなく行動・感情的な問題、身の回りの状況への不適合反応なども含まれる。そこへの介入によって問題を解決する。
→・心理療法:心理的苦痛の除去
・行動療法:問題行動、苦痛の原因となる行動を除去
・カウンセリング:苦痛の除去といった側面だけでなく自己成長を促すもの。ロジャースが精神医学との差別化のために提唱対。対話や言語でのやりとりに依拠してしまうという欠点も。精神医療は原因の追究と介入医療という”医療モデル”が基本であり上述の行動療法は原因~結果にこだわるものであったが、これらの見方7から4はなれ治療ではなく個人促すことを重視したもの。過去を重視するものではなく未来志向型が強い。
・発達臨床:自閉症など精神的遅滞を支援
・心理検査:心理状態をツールによって理解
・異常心理学:心理的苦痛の原因を探るアプローチ
これらの方法を一つにこだわらない総合的心理療法という考え方で対処する。また、一対一の個人療法だけでなく集団療法もある。
心理検査の種類分け:知能、正確、適正、心理状態
心理検査の形式別:質問紙、対面問答(面接)法、評定法、作業検査法(内田クレペリン精神検査)、投影法
精神病の分類体系を打ちたてたのはクレペリン。現在はWHOによるICD(国際疫病分類)とアメリカ心理学会のDSM(診断を統計のマニュアル)が主流。これらのチェックリストの基準に応じて症状を診断している。
○フロイトの精神分析:精神分析は臨床心理学のルーツとして古いものの一つであり、フロイトによって提唱された。
↓
○行動療法:人が経験する苦痛や苦悩を”行動”としてその消去につとめる。考課の有無の検証が容易である。
↓
○認知行動療法:顕在する行動の変容や消去だけでなく、予期・判断・信念・価値観などについても対象とする。クライアントの不利益や不適応状態を総合的に考え、しかも個別に対応。技法としては行動的認知的技法を用い、精神分析のように過去を対称にすることはない。
マズローの自己実現自己実現のためのピラミッド型モデル。低準の欲求が満たされると次の欲求が満たされる。ロジャースの心理学とともに”人間性心理学”と呼ばれた。
子供を対象にした心理:子供は言語的に未熟な場合が多いため、言語を用いない芸術療法、遊戯療法がされる。スクールカウンセイリング、非行臨床など。
■性格と個人差の心理学■
性格とは?人の行動に現れるその人独特の特徴で、時間が経っても大きく変化しないようなものを指す。環境に適応し、作り出している行動のレパートリーでもある。
1930年代のアメリカにおいてオールポートがパーソナリティ心理学を提唱した。これは昔���らあった性格学に関する研究を統合し性格を生み出す心理学的なしくみを分析する学問であり、はじめて心理学の重要な研究と位置づけた。
性格を捕らえる枠組み
1.類型型(フォルダ)
人の性格をいくつかのタイプに分類して考える枠組み。性格そのものを基礎として分類する(EX.ユングの内向型、外向型)ものと、性格以外の別の特徴を頼りにする(EX.星座、血液型、クレッチマーの体格による性格分析)。一人の人間を数パターンで分類しきることができない、類型を数量的にとらえることができない、といったことから1950-60以降、影響は小さくなった。
2.特性論(タグ)
人の性格をいくつかの細かい要素の組み合わせでとらえる。個人特性→その人個人だけが持つもの 共通特性→誰もが大なり小なり持っていてその程度によって比較するもの。共通特性は数量化しやすくアセスメントに利用されていった。特性論で考えられる一番大きな五次元-・神経症傾向・外向性・開放性・調和性・誠実性
行動遺伝学:性格や知能への遺伝の影響を分析。行動に影響する遺伝子はある。が、その影響は40%ほど。それだけで性格は決まらず、環境と相互に影響しあっている。
性格は変わらない、とされているが状況に応じて態度や行動を変えることがある。この性格をモード性格といい、それぞれの状況により適応しようとする心の働きの結果といえる。状況が戻れば元に戻る(可逆性)※自己同一性を保てないのは多重人格。
性格変容:強烈な体験や環境の大きな変化によって性格の変化が起こること。一度おきると元に戻らない。
■社会心理学■
社会的認知:他社について理解するための心の働き。社会的行動の重要な基礎。
他者の行動についてその原因を認知する働きを原因帰属という。しかし場合によっては基本的帰属錯誤とよばれる判断の間違いを起こしてしまう場合もある。
・説得的コミュニケーション:他者の態度を変容させ、社会的行動を変化させるためのコミュニケーション。”どう”説得するか、また”誰が”説得するかで効果が違う。
→どう説得するか:恐怖喚起コミュニケーション:説得に従わないと恐ろしい結果が起こると示唆する。態度は変わるが行動派変わらないとされる。行動が最も変わるのは、無理やりやらせること。納得してない行動でも続けていくうちに自分の態度と行動の矛盾を解消しようとしてしまう(認知的不協和)EX.新興宗教の布教を新入りにやらせる
どういう人をどういう場合に好きになるか?
共通性:趣味や生活が似ている
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「こども心理学科」HP内、「教員リレーエッセイ」で紹介された本。
http://www.seigakuin.jp/contents/faculty/dcpd/essei/essei_02.html
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心理学の復習として、あえて入門書を読んだ。
入門編として大事なところがしっかりと包括的に抑えられていて、かつ心理学の考え方・思考法も学ぶことができる良書であるといえる。
メディアの取り上げるえせ心理学から入った初学者にも興味の持ちやすい内容となっており、読む課程で思考変容を起こさせることもでき、心理学の新しい啓蒙本かつ単なる楽しい読み物としても十分機能する代物だと思う
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心理学の成果(とされる)本を読むことがちらほらあり、面白いと思うその一方で基礎的も何も知らないので似非に引っかかりそうだなあと思い読む。
人の行動に関わるあたりの第三部は面白かったが、発達障害とかカウンセリングとかそういうあたりは特に興味が無いのだなあと思う。
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心理学全般を体系的に学べる一冊。
予想以上に読みやすくわかりやすい内容になっている。これから心理学を知りたい、学ぼうと思っている人にはオススメ。
大学生向けに書いてあるけれども、社会人が読むことにも適していると思う。
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興味深い内容...アドラー心理学とユングの心理学を読みたくなるような内容だった。知的好奇心が膨らんでいくような感じの内容。
精神分析の本をもう少し理解できたら、もっと楽しく読めたかなあ?
どんどん学んでいきたいです!
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心理学のいろんなジャンルをさらえるので、良い導入になった。自分が興味のある分野がどこなのかよく分からなかったが、これかなーというのが掴めた。
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噛み砕いた解説のおかげで、初心者でも楽に読み進めることができた。
本書のおかげで心理学の土台が学べたと思う。
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心理学入門の1冊目として読んだ。
さまざまな○○心理学について、その概要を教えてくれた。日常のさまざまな事例や疑問が心理学によってカバーされていることが分かった。
心理学者やその人が提唱した理論など、説明なくひたすら羅列されている箇所が多かったので、初学者にとっては読みづらい所もあった。
巻末のブックガイドが優れているらしいので、これを参考にして今後心理学を勉強していきたい。
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心理学をある程度深めに独学していこうかと思うので、とりあえず入門書とされていたこれを読むことに。教養授業レベルの知識が平易な文章で書かれていて、心理学全体の見取り図を教えてくれた感じ。
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いろんな授業で教科書とは別で持ち込み、読んでいた。そのくらい心理学の歴史や知識について網羅的に書かれた本であり、これから心理学を学ぶ人におすすめ