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SFチックなショートオムニバス。他の話と少しずつ繋がっているのが面白いです。
大どんでん返し的な展開がもっとあったらいいかなと思いました。
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やっぱり道満晴明さんは短編が天才的。
以下ネタバレ。
独立した短編と思いきや少しずつ設定がつながっていて、同じ一つの世界の物語だと分かっていくのが楽しい。
上巻とあるってことは次が下巻で終わる予定なんだろうか?
最初の一話が最後のオチに使われるところまで予想した。
ヴォイニッチホテルからの設定(殺し屋にランキングがついている、例のホテルで例のメイドさんが登場する)が使われていて、読んでた人が読むと嬉しい。
ところで小題がABC...となっているのに後で気づいた.
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ひねくれ者で、ナンセンスで、ロマンチストないつもの道満晴明。ハマる人は本当にハマるタイプ。ハンドスピナーの話は普通じゃ描けないわ
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道満晴明のショートショート・オムニバス。タイトルどおり(もしくはいつもの道満晴明の作品どおり)メランコリーが漂う、しかし軽やかな物語を描く短々編集。不可思議が混じり込む日常を、各話独立した登場人物を通して描きながら、それぞれの世界が僅かに接点を持ち、重なっていくのがいつもながら面白い。
上巻収録作では『ハンドスピナー』が特に良かった。
地球に接近する彗星の名が「メランコリア」なのは、ラース・フォン・トリアーの映画を思い出すけれど、上巻では言及されなかったように思う。下巻で回収されるのだろうか。
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各話タイトルがアルファベットのAから始まり、B.C.D・・・と続き
1巻は13話が収録されているのでMで終わり。
という事は次巻はN~Zの13話で、全2巻ですかね。
でももしかしたら、Zの次はギリシャ文字が控えているかもしれない。
道満晴明さんの作風を考えると、なきにしもあらずなので油断大敵。
作品名にあるように、基本的には全ての話がメランコリック。
そして13の話があちこちで繋がりを見せたり、見せなかったり
更には過去作のキャラクターや設定まで出てきて
最終話の着地点がこれ程絞りきれない作品もそうはあるまいよ。
悲観的なストーリーの中にも希望を見出したり、あるいは希望が無かったり
もしくは、希望とは何ぞや?と問いかける話。
そもそも悲観的ではない話。
悲観と希望のごちゃまぜ短編集、なかなかよくできています。
道満晴明さんの作風はとても良く生かされているとは思うけど
応用編のようなスタイルなので
初めて氏の作品に触れるのであれば、この作品は避けた方がいいね。
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短編しぬほど巧い。世界の終わりよりもまず自分の生活圏内のことで一喜一憂する感覚。端正さと大胆さ。何回でも読み返したい。
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ニッケルオデオンが面白かったので購入。
彗星の衝突で人類の滅亡がすぐそこまで迫った終末の世界、一喜一憂する人々の悲喜こもごもがリンクして予想外の展開になだれこむ短編。
序盤はそれぞれ関係ない独立した話と見せかけて実は……というのが巧い。小出しにされた点が次第に繋がって伏線が回収される快感。
性転換・おねショタ・おじロリ・人外・ホモ・百合・臓物愛好など、ニッケルオデオンと同じく特殊性癖の引き出しが多すぎる。
エロくない絵柄なのに萌えとエロスがそこはかとなく共存する。
ブラックでシュール、リリカルでポエット、なんとも不思議な読み心地。アルファベットからとられた各話のタイトルもおしゃれ。
作中散りばめられた「ルーブ・ゴールドバーグ装置」「ハンドスピナー」「テセウスの舟」などのキーワードもおシャンティで、並べるだけでなんだかちょっと頭がよくなった気がしてくる。
フレーメン隊の由来も知っているとちょっとクスッとできる、随所に仕込まれた小ネタが心憎い。
ちょっと匙加減を間違えると露悪なグロに偏りそうなのに、そうならないギリギリの線を突いてくる。モノローグやセリフも哲学的で深い。
個人的にはハンドスピナーと応為の話が面白かった。
ハンドスピナーはいじめがきっかけの悲劇だが、直接的な描写は一切なく、終盤たった一言で何が起きていたのか読者にガツンとわからせるのが凄い。
「一週間辛抱した結論がこれなんだ。依田くんの私への答えだ」
いじめられっ子やいじめを傍観していた人には突き刺さる言葉だと思った。
そしてこの台詞が冒頭の「気持ちはわかるけど」と呼応し、何にもわかっていなかった事実が暴かれるのが凄く痛い……。
「ヴィオニッチホテル」など、他作品のキャラクターも登場して嬉しいサプライズ。
変態一家のパパはどんどん変態性が増している……。
スーパーヒーローや人魚や超能力、なんでもありのファンタジックな世界観だが、登場人物はいずれもごく私的な悩みを抱えており、それは恋や友情や家族、小さな秘密や罪に関する事柄だったりする。
世界の終わりが近付いてもヒトは相変わらずくだらないことで笑ったり泣いたりし、うっかりだれかを好きになったり性懲りなく失恋したりする。
そんなどうしようもなく滑稽な空回りっぷり、個人の成長しなさがおかしくていとおしい。
タイムスリップや巻き戻しもアリのループな話なので、「結局なにがどうなってたの??」とこんがらがってしまうが、むずかしいことを考えずオムニバスとして読んでも楽しめる。
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ニッケルオデオンが面白かったので購入。
人類の終末を迎えるそのときを、割と淡々と生きる人々を描く独特な世界。
短編だけど、それぞれが他のストーリーとビミョーにつながっていて、その感じがすげえ気持ちいい。