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みんなのレビュー8件

みんなの評価3.6

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8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

自らの生を生きられなかった少女たち

2024/05/28 23:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:pinpoko - この投稿者のレビュー一覧を見る

先に読んだ『円周率の日に先生は死んだ』に心を掴まれて、著者のデビュー作である本作にも興味が湧いた。
まず思ったのは、登場人物の描写にかなりのページが割かれていることだった。特に過去に起こった失踪事件をきっかけに家族が崩壊した真相を、事件後もその地の別荘に止まり続け生を閉じたひとりの女性の回想が物語の中心にある以上、関係者らの心理描写に重点が置かれるのは当然としても、何気ない日常の裏には当時誰にも気づかれなかった数々の事情があるため、そこに関わる部分は幾重にもベールに包まれている。
マットレスの下に隠されているけれども、確かに異物がそこにあると体に感じさせる居心地の悪さ、眼に見えないもどかしさは嫌というほど伝わってくるのだ。
毎年過ごす湖畔の別荘地での、和やかだが微妙な違和感は、ゆっくりと語られる日々の情景の中に不思議な陰翳をもたらしている。

そこに、回想録の読み手として期待された大姪のジャスティーンの現在のストーリーがからんできて、書き手のルーシーとジャスティーンの生活がオーバーラップしてくる。
この二人、ジャスティーンが少女の頃たった一回会ったきりなのだが、その心情がどちらも後悔に満ちているようなのが印象的だ。人生の終わりに差し掛かり、どうしても伝えておきたいことがあるルーシーが回想録を残したのは、奔放な母に振り回され、結婚生活は無残な結末を迎え、異常な執着心で縛り付けてくる恋人からやっと逃れてきたジャスティーンだというのが、自分の果たせなかったものを託そうという一縷の希望なのだろう。

前作でも感じたが、とにかく人物や情景の描写が微細で、まるで顕微鏡で布の縫い目を覗いているような集中力を要求されるため、読み進めるのにかなりのエネルギーがいる。途中で休憩を挟みながら読まなければならず、読後感は事件の真相とあいまって
かなり重いものとなった。おそらく著者も同様のエネルギーを注ぎ込んだに違いなく、後書きによれば完成までに何年もの年月を要したようだ。
著者のエネルギーと読者のエネルギーが等質となったとき、初めてその作品は幸福を得られるのだろうと思う。

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2018/04/05 18:14

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2018/06/11 20:15

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2018/04/28 15:19

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2018/06/10 00:46

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2018/06/23 11:54

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2018/07/03 12:51

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2018/07/03 23:38

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