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偏見と逆恨みから始まる名探偵の迷? 名? 推理
2023/04/23 15:29
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
推理と探偵の可能性を徹底的に掘り尽くすミステリ作家・麻耶雄嵩。
彼の生み出した新たな探偵・神舞まりあは名門高校に通う女子高生にして化石部の部長。部員の彰をワトソンに学園内で連続する殺人事件の謎を華麗に解決……しません。
まりあは、部員不足の化石部を廃部にしようとする生徒会を逆恨みし、殺人事件が起こるたびに生徒会役員を根拠なく犯人と断定。○○さんにはアリバイがありますよ等と彰に突っ込まれてから、必死に生徒会メンバーの使ったトリックを推理するという、本末転倒の推理を披露する名(迷?)探偵。
そんな、他の容疑者ガン無視の結論ありきの推理が正鵠を射るわけもなく……
最低な探偵とツッコミ厳しいワトソンの推理の掛け合いが素晴らしい本格ミステリ。
2023年には続編『化石少女と七つの冒険』が出ました。さらにドラスティックに本格ミステリの可能性を追求する傑作。未読の人はぜひ2冊続けてどうぞ(その場合には、必ずこちらから読みましょう!)。
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序盤は面白いけどこの作家さんにしたらちょっと弱いなぁと。でもやっぱり最後でなんかこう、すっきり。
トリックや仕掛けに、というよりも、今回はこのふたりの関係の落とし所がとても好きだなぁーと思った。
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『さよなら神様』に続き、麻耶作品七作目。途中まで青崎作品の「裏染天馬」シリーズに似ている印象を受けた。学園ミステリィだと多少、仕方ないのかなぁ…。オチはとても麻耶さんらしいとは思いました^^ まあまあ楽しめましたので、星三つ半。
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京都を舞台に名門学園内で次々発生する殺人事件。
変人化石少女の神舞まりあが私怨と偏見と愛してやまない古生物に関する知識を糸口に突如閃く眉唾な推理の数々。
それは明察か妄言か。
探偵を信用しない助手役が奇妙にもやもやとした後味を生み出していた。青春とは迷い悩むものだ!
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化石マニアの女子高生・神舞まりあ(探偵)、幼馴染で1つ年下の桑島彰(ワトソン)の物語。
連作短編集。
<あらすじ>
マリアは赤点ばかり取ってるバカで、化石好きで、古生物部の部長。
桑島はマリアの下僕というかツッコミ担当で、いやいや古生物部に入部させられてる。
古生物部の部員はその2人のみ。
そこで生徒会は、部室の不足を理由に古生物部の廃部を迫ってくる。
それに反抗するマリア。
そんな中、周囲で殺人事件が次々と発生。
(全6章で各章に1事件)
マリアは事件の度に推理。
その推理で導き出す犯人は必ず生徒会の人間。
何故ならマリアは生徒会の面々がキライだから。
そんな推理に桑島はツッコミまくりのダメ出し。そもそも探偵は頭が良い人がやるもんだ、とけなし、マリアは渋々引き下がる。。。
どの事件も警察が介入するが結局犯人はわからず。
そんなやりとりを6回繰り返した後、真実が明かされる。
<オチ>
最後は古生物部に新入部員として入ってきた生徒が殺害される事件だった。
マリアは相変わらず生徒会の人間を犯人とした推理を桑島に披露したが、桑島はその推理がほぼ正解だったことに驚いた。
何故推理がオシイことがわかったのか。
それはその事件の犯人は桑島だから。
新入部員がマリア殺害を計画してて、桑島はそれを止めようとして殺害してしまったのだ。
これまでのマリアの推理はズサンだったからツッコミを入れて推理を否定していたが、その推理が実はすべて当っていたのでは?と思う桑島。
そして桑島はマリアのワトソン役として、マリアの推理は今後も否定し続けようと心に決めた。
そうしないといずれマリアが真相にたどり着き、桑島が犯人だと推理してしまうから。。。
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学園探偵ラノベ系ミステリかな~。一言でサクッと言うなら。
お嬢様と幼なじみの一般人男子。
よくあるパターンかと思いきや、下僕扱いに意外とちゃんと悩んでるところが他に無さそう(笑。
読んでる最中あっさり人死にが出て、もやもや・そわそわする感じがしてならないのだけど、最後収束するところがすごい。
赤と黒のタイトルに、ふふっとする。
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連作短編。麻耶雄嵩作品なので毎度解決篇の部分で漂う不穏な気配にワクワクしながら(麻耶作品に慣れた読者ならばこういう展開が来なきゃ落ち着かない、という気分にさせるアレ……)、最後の展開まで含めて期待通りでした。
最終章のタイトルが「赤と黒」なの、スタンダールの作品からですかね。なるほど。
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変わらずミステリィに通底する決まり事(今回はホームズ-ワトソン関係)へのアンチテーゼという試行の書.ミステリィの持つ各種方法論を楽しむ方には合致するだろうが,物語・小説としてのミステリィを楽しむ方には,やはり相変わらず合致しない.
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またしても新しいホームズとワトソン。
推理を披露すればするほど、疲弊していく助手があわれと思いつつ読んでいたら、そんな結末??
本当にこの作者の本は、いつも私の予想の斜め上を行くので好きです。
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この作者にしては普通のラノベみたいな語り口で、ワガママ系女の先輩と面倒見が良く口うるさい男の後輩というどちらにも苛立を覚える造形。
事件もハッキリとした解決を示さないのでもやもや。
赤点ばかり取るので信用ならない推理をする探偵とそれを理詰めで嗜める助手という新しいパターンの模索は感じられるが、もっとスッキリしたものが読みたいのが正直なところである。
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主人公にイライラし、事件が解決しないことにスッキリしませんが、最後にそんな気持ちも少しだけ解消されました。でも、なんかモヤモヤします。
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ミステリのもしもシリーズだと理解している麻耶さん作品、今回は「もしも探偵役が赤点常習者だったら」ってところかな。
良家の子女が通うペルム学園の、美少女という事実を忘れさせるほどの変人化石オタク神舞まりあは、過疎化した部活を廃部にしようとする生徒会と衝突している。まりあのお守役にして幼馴染の後輩桑島彰は、ムリヤリまりあの所属する古生物部に入っているものの、化石には興味ない。
そんな学園生活で起こる殺人事件。突如冴えた推理を披露するまりあは生徒会役員が犯人だと主張するが、とんでも推理で生徒会との関係が険悪にならないよう彰がなんとかまりあを押さえる。
そんな構図の物語。
読んで感じたことは、解説で千街さんが言い尽くしてくれていて、付け足すことはないんだけど。
もともと赤点頭なので推理を強く否定されると自信をなくすまりあだが、読者目線ではまりあの推理には整合性があり、充分な説得力がある。これを否定するからには凌駕する新説があるのかと期待するが、彰に代替説は無く、事件そのものも解決しないまま時は過ぎ、次の事件が起こるのだ。
大変モヤモヤするのだ。
ひょっとしたら最後まで真相が明らかにされないまま終わるのか(麻耶さんならやりかねない)と思ってしまうくらい、真相は引っ張られる。
んで結局、まりあの推理力はホンモノだ、という想定内の結論なので、物足りなさが残る。
事件起こり過ぎな学園にもモヤるし、解決できない警察にもモヤる。
そんな、スッキリしない作品だったので、☆3つです。
あと、どれも殺害方法については説得力あるんだけど、犯人の動機がすごく弱いので、ホントに犯人合ってる?そんな理由で人殺す?みたいな気分になる。特に生徒会の面々。
最後には彰も殺人を犯してしまう…。なんというか、ひとりで乗り込む以外の消極的方法はいくらでも取れたじゃん…。
生徒会長荒子がだんだんイケメンに思えてくるのがせめてもの救いだった。
以下、未来の自分のためにあらすじを。
どちらかというと旧生徒会派閥のまりあのもとに、やはり旧派の新聞部福井がやってきて、現生徒会の弱みを握ったと豪語する。その翌日に福井は殺される。通報で駆けつけた交番のお巡りさんと入れ替わりで、犯人は古生物部から盗まれたシーラカンスのハリボテを被って現場から逃走。
変装したいなら演劇部の備品が最適なのに何故他の部のものなのか、という疑問から、警官も犯人の変装だったことを導いた推理には唸らされた。
この最初の推理がかなり上質だったので、それを否定されて読者(私)は混乱を始めることになる。
文化祭の準備の始まったある日、生徒会が古生物部の様子を見に来たところで雷雨で停電になる。電気が復旧したとたん、部室棟に面した体育館の壁(通称「真実の壁」)に、殺人現場のようは影が映る。真上の部室で殺人事件?
このエピソードは、上下の部屋の影がキレイに重なるという偶然をどれだけ信じられるかが(読んでる方の)鍵。痴話事で学校でヒトを殺しちゃあいけないよね。
クラスメイトの八瀬に叡電部に勧誘される彰。その八瀬が、文化祭のための叡電模型を製作中に殺害される。凶器の鉄道レール(短く切られたもの)は部室窓の外に落ちていた。目撃されたライバルの嵐電部員らしき人物が犯人だと思われたが、まりあは八瀬本人の変装だと暴く。模型の修正困難な致命的欠陥に気づき、嵐電部が破壊したと見せかけるため嵐電部の制服を着てわざと目撃させ、破壊後に制服を屋上の協力者に吊し上げてもらう際に、屋上の人物が八瀬の頭にレールを落とした、との推理は辻褄も合うし合理的だ。ただ、ここからがちょっと飛躍気味なんだけど、きっと福井殺害の真相に気づいた八瀬が生徒会メンバーに協力を要請した(脅した?)、ってのが根拠に欠ける。
(編集中)
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別の本を読んでいる途中に気分転換で手を出しちゃった本。そのくらいの気軽さで大丈夫な本。麻耶さんだからなぁと身構えてると麻耶さんらしくハズしてくる本。
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再読。連作短編集。化石大好き少女神舞まりあが探偵役として、幼馴染みで後輩でお守り役の桑島彰を助手にして華麗に事件を解決!と思いきや、あれれー?まりあの推理は毎回頓珍漢の的外れなものとして彰にこき下ろされてしまう。なら犯人はいったい誰なんだー!?しかしそこは麻耶先生の小説である。勿論そう簡単に話は終わらない。最後の最後に明かされる驚愕の真相。彼女は名探偵なのか?それともただの狂人か?真相を知るのはワトスンのみ。
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名探偵とは、凡人にできない観察や思考ができる人。赤点多めだってかまわないでしょう。まりあが探偵なのかどうか、私には何とも言えないけれど。彰との掛け合いは楽しい!
弱小クラブと生徒会って、昔読んだ「パズルゲーム☆はいすくーる」を思い出して笑えましたが、この生徒会、なんか闇が深いですね。続編でその内幕が見えたりするのでしょうか?