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池田清彦氏と井上智洋氏の解説が特に勉強になった。
子供を増やすことだけが「生産性」を増すと考える人々に是非読んでもらいたい(まぁ、ああいう人々にはもう何を言ってもダメだとは思うが…)。
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さまざまな分野の方が人口減少を迎えるにあたっての考え方について述べている。
人口減少で財政悪化のために緊縮財政にしても、財政状況は良くならない。
東京の人口増加は高齢者の増加。
晩婚化、未婚化が少子化の原因。
若い女性に好まれない地域は滅びる。
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姜尚中の場違いな安倍嫌い吐露に辟易。本書の趣旨と関係がない。
内田はそれを見越して姜尚中を人選しているわけだ。
さしたる専門分野を持たない人間の駄文がいくつか混じっていたのは残念。
池田清彦、井上智洋、藻谷浩介の部分は面白かった。
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20180912 現状を理解して、無理なく未来を考えている人達の論考集。どの人の意見も今をどうしたらかがやく未来にできるかを考えさせられる。参考にするだけでなく、政治家の詭弁を見抜く為にも役立てたい。
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この後星の王子さまを久しぶりに読みました。1943年発表の本作では地球の人口は20億人でほんのわずかな部分に住んでいるに過ぎず…よく似た花、キツネ、男の子がたくさんいる。王子さまは地球に来てキツネのススメで世界でたった一人の君になり僕になるきずなを作ることをにする。このきずなを覚えて羊を連れてたった一輪の花の待つ元の小さな星に帰るので小さな星であることは暮らし向きに何ら問題はないようです。
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日本人は最悪の事態に備えて準備しておくのが嫌い
カタストロフィが過去に一度も起きなかったということは、それが将来において決して起きないということの根拠にならない デイビッドヒューム
これまでも起きなかったことはこれからも起きない蓋然性が高いけれど、それはあくまでも蓋然性に過ぎない。蓋然性の見積もりに主観的願望を関与させてはならない。(アングロサクソン)
日本では起こる確率が低い破局的事態については、「がんが得ないことにする」
ふつうはおきないことを網羅的に列挙し、それぞれについて逐一対応策を用意しておくことをアメリカ人は無駄だとは考えない。むしろ、誰も思いつかなかったような最悪の事態を思いつき、それに対処するプランを立案する能力にアメリカ社会は高い評価を与えるらしい
日本人は最悪の事態を想定すると、それにどう対処するかをクールに思量しはじめる前に、絶望の余り思考停止に陥ってしまう
後退戦で必要なのはクールで計量的な知性
後退戦の目標は勝つことでなく、被害を最小化することです
英国の人類学者ロビン・ダンバー 互いに相手と親密な関係を築ける集団の構成員の上限は150人程度だという仮設を提唱した。これはダンパー数と呼ばれる
この程度の集団では、各人が個性を発揮して、自由にふるまっても集団のまとまりは保たれ、自立性と柔軟性が出現することが、人間ばかりでなく、動物におてもみられる
東京都の人口増加は高齢者の増加
若者の流入を自らの少子化で打ち消す東京
2020年 日本は世界に先駆けて絶対数の高齢者増加がとまる
有効なのは、子供を好きなだけ多く持つことのできる、生活費が安く相互扶助の気風の残る地方に、子供をもちたいという指向の強い一部の若者を多く戻すことだ
晩婚化から早婚化へのシフトが難しいとするならば、少子化対策として可能な政策は一つしかない。それは結婚しなくとも子供が産める環境を作り出すこと
戦争が人を殺すように、経済政策もまた人を殺す
岡山県奈義町 合計特殊出生率 2.14
子育て中のお母さん方の関心は、子育て支援と、教育水準と医療、そして居場所(文化)である
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人口減少について議論する際には、従来の発想を捨てる必要がある。でも、メディアや行政における人口減少問題の取り上げられ方や論調そのものが、すでにマンネリ化し凝り固まってはいないだろうか?
本書の内容は玉石混交というか、正直眉唾な話も含まれている。でも、いずれのエッセイもとにかく柔軟な発想で書かれていて、人口減少について頭を柔らかくして考え直すには格好の材料を提供しているように思う。
個人的には、特に後半の平田オリザさん、小田嶋隆さん、姜尚中さんの議論が「そういう切り口もあるのか」と面白く感じた。
「人口減少」とは検討の対象ではなく、社会を把捉し構想するフレーム事態の転換であり、素人・玄人問わずありとあらゆる領域の論者が参加したほうがよい(というか、しなければならない?)。本書はその起爆剤の一つになるかもしれない。
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藻谷浩介さんの、統計数字の裏付けのある論がなかなか面白かった。若者がどんどん東京に吸い込まれて未婚率が高いまま次世代を残さずに日本全体の人口も減るという東京ブラックホール説…怖いですな。
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やっぱり、色んな人が書いているとダメだね~『文明史的スケールの問題を前に下未来よそく』最悪の事態を考えるのは敗北主義で怪しからんという空気が日本にはあって、それは太平洋戦争での惨敗がよく示している。要は後退戦を如何に闘うかだ(内田樹)『ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略』ホモサピエンスは何とも性交をする種族でネアンデルタール人の母親がいる。日本で人口が減少したのは女性が子育て奴隷になることを拒否して自分の幸福を追求し始めたからである。混血が進むだろう。ベーシイックインカムで自給自足の生活をしてグローバル・キャピタリズムは崩壊し、キャリング・キャパシティがほぼ一定で人口もほぼ一定という生物種として最適な社会になる。(池田清彦)『頭脳資本主義の到来』日本は第三次産業革命の波に乗り遅れた。このままではAIとロボットという第四次産業革命にも乗り遅れ頭脳資本主義で後塵を拝し、アルゼンチンのように先進国から発展途上国に後退するかも知れない。無価値労働時間を減らし頭脳のレベルを上げる必要がある。(井上智洋)『日本の人口減少の実相と、そのさきの希望』東京都の人口増加は高齢者の増加。若者の流入は子供を持とうとする選択肢を持たない。(藻谷浩介)『人口減少がもたらすモラル大転回の時代』日本は婚外子が極めて少ない。儒教的家族観が原因だ(平川克美)『縮小社会は楽しくなんかない』…まっそうですな…(ブレイディみかこ)『武士よさらば』江戸幕藩体制が去っても武士道は廃れず太平洋戦争で華々しく散った。戦後はアメリカに倣い、都市に高層ビルを建てて職場とし郊外に家を建てて車で通う道を作った。建築業界に身を置く者は今やかつての武士で無用の長物だから、商の要素を取り入れていかねば生き残れない。…だから何?…(隈研吾)『若い女性に好まれない自治体は滅びる』…まっそりゃそうだけど、一部が生き残れば良いの?…(平田オリザ)『少子化をめぐる世論の背景にある経営者目線』…X世代やY世代をおちょくるお前が気持ち悪い…(小田島隆)『斜陽の日本の賢い安全保障のビジョン』…まだ貴方のことが解りません…(姜尚中)~まあ結局編者もヘンな奴だけど、誰が編者をやってもまとまるもんじゃありません。雑誌で出せばまだ納得いくけどなぁ…
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(井上智洋)日本はIT化が遅れている(クラウド会計ソフトの導入率:米4割、英6.5割、日本1.4割)。日本は論文数が減少しており、6位。日本では無価値労働があまりに肥大化している。
(藻谷浩介)東京の増加人口の2/3は75歳以上。少子化が問題。日本創生会議の地方消滅、東京消滅、デフレの正体。
(隈研吾)10宅論(建築界の武士道的狭さを批判)。
(平田オリザ)岡山県奈義町しごとスタンド。アウトソーシングされた業務を子育て中のお母さんなどが、数時間から請け負って働くことができる。まんなかに子どもの遊び場が設置している。
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2020/12/31内田樹☆☆☆人口減少社会の未来学
独自の哲学を持ち、「人間尊重」のもと、
日本を多様な社会にと目指している志を感じる
1.スケールが大きい!
人口減少問題もこれぐらい大局から捉えてみることも大事
狩猟時代ー農耕時代 豊かになるほど争いが増える
奪えるモノが豊かになり、収奪の仕組みも複雑になる
帝国主義・植民地拡大より金融帝国主義による搾取・収奪
2.日本人は撤退戦が出来ない 大東亜戦争と人口減少
リスクを直視し、マネジメントすることが出来ない
負の状況に脳死
exコロナ禍で国のリーダーは為す術を知らない
安倍・菅政権と東條政権は似ている
日本人の宿痾を感じる
→待っているのは「敗戦の焼け野原」
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https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163908328
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さまざまな畑の人が、独自の視点で「人口減少社会」について述べているのを纏めている。
共通しているのは、必要なのは目先の対策(不必要というわけではないが)ではなく、「人口減少社会」が訪れることを前提として、社会をデザインしていく必要があること(と、解釈している)。
そのデザインの方法がまさに十人十色。
パネルディスカッションの場があればぜひ行ってみたい。
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人口減少社会の未来について、さまざまな分野の知識人がいろいろな視点からの知見をまとめたオムニバス形式の本。
編者である内田さんの序論のキレ味が鋭い。
人口減少は天変地異ではなく自然過程であり、何十年も前から高い確率で予測されてきた危機である。
その危機に対して何の策も講じてこなかった今の状況と、戦時中に破局に向かって突き進んだ史実を照らし合わせて、今も昔も変わらない日本人の「国民性格」を浮き彫りにする。
つまり、
最悪の事態を想定すると絶望のあまりフリーズしてしまう国民性格、
ひたすら天変地異的な破局が天から降って来るまで待ってしまう国民性格だ。
しかしこの国民性格を悪いと言うのではなく、日本人であるというリスクファクターを勘定に入れて適切なリスク管理をしよう!と主張している。そのために非情緒的で計量的な知性を持とうよと。
それに続く知識人たちの主張は玉石混交。
データに基づくもの、直感的に終始するもの、ナルホドと思うもの、本書のテーマからズレてるもの。
以下は中でも「オモシロかった」主張。
井上智洋さんの、第四次産業革命に乗り遅れるな!という主張。
平川克美さんの、政治権力で結婚年齢を下げようとしても的外れ!それより婚外子を手広く受け入れるべきだ!という主張。
ブレイディみかこさんの、縮小社会なんて楽しくなんかない!というアケスケな主張。
素晴らしい公共建築を多数手掛けているのに、公共建築に頼ってきた建設産業を批判しちゃう隈研吾さんのズルさ笑
編者が言うように、この本に決定的な提言がある訳ではなく、人口減少社会の当事者として自ら考える契機になる本だった。
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内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介、これが著者一覧。
初めて文章を読む人が4人。井上智洋、小田嶋隆、藻谷浩介、高橋博之。中の高橋博之という人の「関係人口」というのが初耳。書かれていることをネットで調べると、うーんそういうことか。
この時点で、「少子化」について疑ってたことを、スパッと言ってたのは小田嶋隆。この人の物言いは嫌いじゃないかも、少々回りくどいけど、コラムを売るっていうのはそういうことかも。
ぼくにとって、未来はそんなにあるわけじゃないから、どうでもいいかと思っていたけど、書いている人もそう若いわけではないことに笑った。まあ、笑ってる場合じゃないかもしれないけど。
高度経済成長なんて、そんなに良かったと思わないし、小さな国で、貧しく暮らす平和っていうのはダメなのかな?