サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

新規会員70%OFFクーポン

hontoレビュー

  • 販売終了

宗教VS.国家 フランス<政教分離>と市民の誕生 みんなのレビュー

  • iOS
  • Android
  • Win
  • Mac
一般書

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー10件

みんなの評価4.0

評価内訳

  • 星 5 (4件)
  • 星 4 (3件)
  • 星 3 (3件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本

政教分離が近代国家の要件かどうかを考えるために。

2007/03/14 21:35

11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:越知 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 政教分離が近代国家の要件であるがごとき言説に出会うことがある。しかしこれは誤りだ。先進国の中で政教分離が徹底しているのは、日本を別にすればフランスだけである。米国では大統領が選挙で選ばれると聖書に手をおいて宣誓を行うし、英国では国教会の聖職者が上院に一定の議席を持っているし、ドイツでは公立学校にも宗教の時間が設けられている。つまり、欧米先進国の中で政教分離が厳密に実施されているのはフランスだけなのだ。
 本書は、そのフランスで政教分離がどのように実現していったのかをフランス文学者が論じたものである。文学研究家らしくユゴーなどの小説からの引用がふんだんになされており、その分素人にも読みやすい本になっている。フィクションであるはずの小説から現実を推しはかっていいのかという危惧を抱く方もおられようが、実はフランスの社会小説はかなり現実を忠実かつ綿密になぞっているので、その点の心配は無用であるし、むしろ政治家や法学者などの専門家ばかりではなく、一般のフランス市民がこの問題をどのように見ていたかが分かるので、説得力が増していると言っていい。
 話はユゴーの有名な長篇小説『レ・ミゼラブル』から始まる。出獄したばかりのジャン・ヴァルジャンに一夜の宿を提供したミリエル司教の話は、全訳を通読したことのない人でも知っているだろう。ところで、フランス大革命とナポレオンの登場を経た時代を舞台とするこの小説で、ミリエルを司教に任命したのは誰だろうか? 普通に考えればローマの教皇か、でなければフランス国内の高位聖職者であるはずだ。ところがこの小説ではナポレオンその人が彼を司教にしたという設定になっている。政治家が聖職者を任命していいのだろか? 実は革命後のフランスでは、聖職者の任命権はローマ教会から政治家の手に移っているのである。そして聖職者の給料も国が払っている。つまり、革命は宗教を否定しておらず、むしろその有用性を評価し、聖職者の任命権をローマから奪ってフランス市民社会の中に取り込もうとしたと言える。
 その後、様々な事情や政策がからんで「近代的」な政教分離が完成して行くのだが、それが実現したのは意外に遅く、19世紀も末になってからである。その過程については本書を読んでいただくこととして、もう一つ内容的に面白いところを紹介しよう。社会生活における男女の別である。フランスで女性に選挙権が与えられたのは1944年で日本とほとんど変わらない。1918年のドイツ、1920年の米国、1928年の英国と比較して露骨に遅いわけだが、宗教への関わり方が男女で異なっていたことがその背景になっているというのだ。すなわちカトリックの修道会は子供の教育や老人・病人の看護などで大きな役割を担っていたが、そこで活動しているのは大部分が女性であり、また信仰活動に関与するのも主として女性であった。このことは、政治などの公的な活動へ関与するのが主として男性である現実と相まって男女の役割分担を鮮明にした。そのため、選挙という公的な活動に与るのは男性だけという観念ができあがったのだという。なお、本書の著者は女性だが、浅薄な社会学者に見られるような糾弾的な記述はしていない。努めて客観的に、当時の人間の観念を忠実に叙述しようとしていて、この点でも好感が持てる。
 さて、これでフランスにおける政教分離の成立過程と理念と現実は分かった。日本がそれを模倣するかどうかは、あくまで日本人が自分で考えればよいことである。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

電子書籍

フランスの政教分離

2021/01/20 22:09

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る

厳格に政教分離を行なっているフランスがどういう経緯でそうなったのかについて知れた。革命当初は国家が(ローマ教皇ではなく)教会役割を果たすという政教分離とはある意味逆だったのが政教分離にいたる様が面白かった

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

2007/05/28 15:56

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2007/07/04 23:48

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2009/11/13 03:14

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/09/25 16:33

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2022/10/16 02:04

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2010/12/14 07:01

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2011/06/18 03:06

投稿元:ブクログ

レビューを見る

2012/11/06 18:14

投稿元:ブクログ

レビューを見る

10 件中 1 件~ 10 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。