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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いよいよ下巻は例の悪名高いサブプライムローンとCDSだ。この辺のことは,つい最近のこととしてよく覚えている。フムフム内部でこういうことがあったのか,と,まぁ講談師見てきたように嘘を言いだからうのみにしてはいけないのだろうけれど,わかりやすい。あの時はたいへんだったなと思いだす。
障碍者の娘が亡くなって,申し訳ないけれど,読んでいる方もほっとした。で,人柄のいい主人公はパン屋さんで大団円…。
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下巻では、リーマンショックの実態を見事に描き切っており、大変勉強になりました。ビジネス現場のリアルな描写もさることながら、それを構成する登場人物の描き方など、さすがの一言です。面白い。
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小説仕立てだけど専門的で、バブル~リーマンショックへの系譜が格付け会社の功罪、日系企業や銀行の放蕩傲慢、その時代を生きる主人公を通じて描かれている。時代をつくるのはその時代を生きる人。誰もが皆主人公である。知らず知らず大なり小なりの影響力を持つ。
リスクを負う投資家を守るべしとは一貫した著者の立場。人材紹介や不動産仲介もモノを持たないビジネス。他人のふんどしで相撲をとるアドバイザリー、コンサルティング。
真摯な姿勢で臨まないと。
やっと読み終わった。不動産屋時代を思い出した。
格付けも性質的には不動産の査定にも似てる。査定価格で売れなきゃ査定が間違ってたことになるし。
ちょうどリーマンショック前後、値上がり当て込んで強気で買取推進して、結果不良在庫抱え込んでた時期もあったな。全社的に。大京はバブル期の放蕩経営で再生機構入りしオリックス傘下に入った。リーマンショック後は含み損を早々に公表し大規模リストラなど早めに対処した。株価もものすごく下がってのちに少し上がってたっけ。
人材紹介でも、無理に押し込んだりしてもうまくいかないし。
自分の目先の利益しか考えないでは中長期的にはだめなんだ。理念や理想が歯止めになる。
共通する部分は多い。
目先の利益ばかり追い求めてはダメだね。
理念と理想を胸に、現実をみつめて「いい仕事」をしよう。
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上巻と同様、歴史を振り返るには良い作品と思うが、
小説としてはどうか。
スワンベーカーリーの話は良い話であるが、
挿話として必要であったかは疑問。
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格付とは何か。サブプライムローン問題等の直近の金融史を物語にそって学ぶことができる。知識面で得ることは多いが、格付というテーマが先にあって、あとからストーリーを考えたような印象を受け、小説の面白さとしてはいま一つという印象。
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証券化や金融機関に対する規制等に焦点を当てた作品。
巨大投資銀行のようなダイナミズムはないが、企画セクションの奮闘を見ることができる。
格付け、BISは仕事で携わっていたので、個人的には楽しめた作品。
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小説というよりは、リーマンショックまでの一連の流れを追う金融史のような話でした。
金融に関する下知識がないと全く理解できません。
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作品中ではマーシャルズと言われているが、要はムーディーズがどのように業容を拡大していき、その過程でいかに格付が歪み、サブプライムを集めたCDOや更にそれを集めたCDOスクウェアードのような商品にAAAが連発されたか、格付モデルの変更によりいかに日本の格付が歪んだか、が描かれている。
作中では格付は投資家のためにあるべき、という理想論が何度も暗に主張されているものの、発行体から手数料を取るビジネスモデルである限りは発行体にもいい格好をしないといけない格付会社のジレンマが様々な形で描かれ、それに翻弄される正義感溢れる登場人物達の苦悩を通して、歪みが手に取るように分かる。
格付会社の格付やモデルには学ぶところが多いんだけど、この前読んだ小説エンロンで確かカルパースの運用担当の人がリスクを見抜いてエンロンのSPVのエクイティに投資しなかったように、結局リスクを見抜く力って自分で磨かないといけないんだと思う。やっぱりサブプライムとかって普通じゃないしね。
今はアメリカでオートローンのサブプライムが過熱気味とのこと。根本的なジレンマは、変わっていないのかもしれない。
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格付会社を題材にしている経済小説。
ニッチなテーマではあるけど、今の私にとってはどんぴしゃのテーマで、
日本に格付会社がやってきた1985年ごろからリーマンショックまでの金融史と一緒に学べて非常に面白かった!!
これぞ小説の力。
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サブプライムバブルまでほ格付会社の歴史を辿る上下巻。メモ。(1)我々の顧客は投資家である。迷った時や疑いのある時は、投資家の為になるかどうかで判断せよ。(2)私の今のシナリオは今後七八年は国内で借換が出来る。その後は海外で発行をして凌ぐ。十二三年後に海外でも国債を発行出来なくなって壁に衝突する。そして一九七六年のイギリスみたいに、IMFに介入され、尻をひっぱたかれながら再建を目指す…。
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格付に携わる三人の視点を通して、1984年のバブル景気から2007年のリーマンショックに至るまでの金融業界の興亡を描く。下巻は内容が若干難しくなってきた(それはそのまま金融商品の複雑化を示すと思うが)ので、テンポは落ちる。金融のことなんか全然分からんが、エピローグのやり取りから、作者の日本愛と、それゆえの厳しいメッセージが伝わってくる。なかなかに熱い一冊。
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難しい話なのにとても容易に理解できるよう、工夫されて書かれていて、とても面白かった。
合間に障害を持つ子を持った夫婦の話が入るところも、「ザ・金融小説」感を薄らげていて程よい。
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山一証券の破綻、エンロン事件、リーマンショックなどの現実に起きた事件を、格付け会社の目線で描いた、事実に基づいた物語。
「依頼格付け」と「勝手格付け」、発行体の信用力が国の信用力にキャップされてしまう「カントリーシーリング」、MBSやCDOなどの証券化商品など、分かりやすく説明されているので知識がつきます。
そして、臨場感ある格付け委員会の描写、なるべく低利で資金調達したい発行体と、なるべく高利で金を貸したい投資銀行、その間に立たされる格付け会社の立場、格下げをすると発行体から容赦なく非難される、他の格付け会社よりも高い格付けをすると営業上有利になる投資家を無視した格付け会社の利益相反な行動原理など、格付け会社のリアルも色々知ることができます。
「格付けの深層」もよかったけど、小説で知識を得られるという意味では、こっちもおすすめです。
著者の本は、実名とそうじゃないのが混じっていて、ちょっと分かりづらいのが難点ですが。
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(上下巻合わせてのレビューです。)
骨太小説。
こういう小説は、読む前に少しためらいがありますが、
いざ読んでみると面白すぎてあっという間に読んでしまいました。
この小説は、格付け会社を中心に日本の(そして世界の)マーケットの歴史をざっと振り返ることができる本。
それが小説になっているのだから、いわゆる経済系の本より数段読みやすい構成になっています。
(一部、本名をぼかしてあります。)
ちょうど、山一證券破綻のドラマを見ていたので、
色々な方向から日本経済を見るきっかけになりました。
今、ちょうど高い理想(社会を)と
こんなに面白い小説なら、もっと早くに読んでおくべきでした。
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再読。
同じぐらいの時期に発表された作品(あるいは同じぐらいの時期を扱った作品)には、当然ながら同じ人をモデルにした登場人物が登場するので、黒木亮ファンとしては、そのような読み方も乙かとおもわれる。
本書に登場した女性の財務官僚は直前に読んだ『獅子のごとく』に登場するし、『獅子のごとく』の主人公は、本書ではモデルの人物が実名で登場する。
閑話休題。
前職で債券発行の部署におり、ムーディーズやらSPから格付け取得で仕事をしたことがある。すでに何度も発行してきていたということもあり、この本に書かれたようなひりつくやり取りがあったわけではないが、格付け会社の特異な位置づけは、当時から腑に落ちない部分もあったことは確かだ。あなたたち、私の何を知っているの?と。
黒木氏の金融系小説には必ず登場する、金儲けしか考えないアメリカ人、それになりきろうとする日本人、そして反対に、それに必死で立ち向かう日本人が、ここでも登場する。勿論最後の人にあたたかな視線が注がれるのも黒木流だ。