紙の本
秀逸な勧善懲悪
2021/02/18 17:54
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投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作者の主人公は(恐らくかつての自分に重ねているからであろうが)善人が多い。投資銀行を扱った前作「トップレフト」でも主人公は善人で,清い商売をしつつ高給を食み資産を構築していた(羨ましい)。一転して本作では,主人公はちょっと真似のしたくないほど貪欲に金銭を求める。その手段を選ばないところ,いっそさわやかである。一種のピカレスク小説とも読める(いえ犯罪はしてませんが)。そうはいうものの,邪悪な銀行員は西武鉄道(と思しき)会社から放逐され,かっこよく復讐を果たした主人公も癌は克服しても逆恨みした精神病者に刺殺されてしまう。うん,すごく劇的な筋書で圧倒されました。で,また寝不足です。困った…。
紙の本
獅子のごとく 上
2013/04/28 04:55
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投稿者:アカクラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
金融小説
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バブル少し前から、今までの日本での経済事件を踏まえて、逢坂丹の投資家としての成功を描いている。主人公がパワフルで、すごい。作者の巨大投資銀行を別の人物で描写しなおしたような作品。
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邦銀からMBA留学を経て外資系投資銀行へ転職し、成り上がる様を描いた小説。上下あるので、感想は下巻にて。
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GS持田さんをモデルとした小説。
実在の人物や、実際の出来事と絡めてストーリーが進むのでとても面白かったです。
景気や政治にかなり左右されるこの業界においても、人に好かれる、というのがかなりの強みになるのだなと。あとはやっぱり反骨精神なのかな。
数百億も資産があったら一体どんな暮らしをしてるのかみてみたい!
Dec, 2013
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邦銀を辞めてアメリカの投資銀行に転職した逢坂丹(おうさか・あつし)は、父親の会社をつぶした出身銀行への恨みを晴らすごとく、がむしゃらに働き、違法すれすれの取引にも手を出すやり手である。『巨大投資銀行』の桂木英一とは対照的な「金の亡者」であるが、その生き様には、賛成できずとも、理解できるものがある。黒木氏の他の小説と同じく、実際にあった企業スキャンダルやM&Aの案件を模してストーリーが展開するので、よりリアリティのある作品となっている。
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自身が所属する銀行に実家を潰された後、投資銀行に転職し活躍していく物語。
同じく黒木亮の作品である巨大投資銀行と舞台設定は似ているが、主人公の性格は全く異なる。
こちらは金の亡者という感じ。
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主人公の逢坂丹が自らを裏切った邦銀から外銀へと移りパートナーへとのし上がるストーリー展開に引き込まれる。
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この作家さんの小説はどれも好き。でもこの「獅子のごとく」の主人公は今まで読んだ作品とはひと味違うかも。小説の中であれば好ましくはないまでもある程度は共感できるが、実際にこんな上司の下に付いたら即辞表出すかも。でもとにかく面白かった。
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文章自体はそれほど読ませるわけではないけれど、金融の専門家だった著者が書いた小説だけあって、専門性が高く興味深い内容である。
まぁ所詮はフィクションなので話半分に考えていた方が良いのかもしれないが、ゴールドマン・サックスの力強さと怖さの源泉はおおむねこの小説で書いてある通りな気がする。
今まで投資銀行業務は頭脳プレーがメインな印象をなんとなく持っていたけれど、やはりアドバイザーとして企業の社長や役員レベルと関係を築く能力が高くなければならないことが、この本を読んでよく分かった。
もちろん持田氏の活躍を支えていたのは、数多くの頭脳明晰な部下たちだろうが、指揮官は徹底した顧客に対するコミットと異常なまでの勝利への拘りを持つことが大切であることが伝わってきた。
この小説の主人公のように、米国からの圧力や法的にグレーな接待を使いながらも成果を残していく姿は、賛否両論はっきりと分かれるだろうが、それでもほとんど自分の努力と才覚だけで一代にしてこれほどの地位まで登り詰めた持田氏にはとても興味が惹かれる。
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IBを目指したことがある人は読んだことがあると思うが、
単純にストーリーとしておもしろい。
再読したい。IBの華々しく汚い世界観をGS内のポジション争いと交えて描かれている。痛快。
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敵を蹴散らしたい、overwhelmしたい───
エンジンをかける時に読みたい。読んでいて背筋が伸びるような本。
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主人公の個性や心情の描写に重きを置くことで、経済という取っ付きにくいテーマを分かりやすくしている。是非近いうちに、下巻も読み進めたい。