対談がすごく面白い
2019/12/25 11:26
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
大江健三郎賞は全部読んでいる訳ではないが、がっかりさせられることが多い。それでも、大江健三郎ファンなら読むべき価値は充分ある。各受賞者との対談の中で、大江健三郎自らの作家生活や作品について言及している部分が多くあるからだ。もう大江健三郎の本はあまり出版されないのでこういう本は有り難い。
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初読。図書館。受賞作を1作も読んでいないのに、大江さんがどうしてこの賞をつくって、どんな作品をどういう理由で選んだのかが知りたかった。賞金はないけど、翻訳して海外に紹介していくというのは、受賞者にも嬉しいだろうなあ。若い作家と大江さんの対談は、それぞれの色合いで楽しかった。大江さんも楽しそうだった。受賞作を読んでいかないと。
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少し前の新聞に中村文則の「掏摸」が紹介されていた。中村さんは今や海外でも名を知られた作家だが、そのきっかけになったのが大江健三郎賞を受賞した本作が、賞の特典として翻訳されたからだ、という内容だった。
大江健三郎賞は聞いたことがあったが、選考委員は大江健三郎さんひとりで、賞金の代わりに海外に翻訳されて紹介される、賞は八年続いて既に終了しているということも知らなかった。
で、その賞の始めから終わりまでの受賞作の紹介とそれぞれの著者との対談を収録されているのが本作。
なかなか手ごわい本だったがおもしろかった。
受賞作のどれも読んだことが無いが、長島有の本は読んでみたいと思った。対談も一番楽しかった。
大江さんも最後の方で言及されている。
大江健三郎もよく知らなかったが、ご自身のことに触れられている部分も多く、知ることができた。
大江さんの文学に対する誠実さで成り立っていた賞だった。それを支えていた優秀な編集者も。