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投稿者:雨読 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伊豆韮山の世襲代官だった江川太郎左衛門栄龍の不屈の生涯を描いた小説です。
領地では徹底した質素倹約を率先し領民の信頼も厚かった。
外国の脅威を早くから予見し、蘭学や西洋砲術を学び海防強化、用兵術での訓練、反射炉築造、台場の築造等時代の最先端で活躍奔走した英雄です。
誠実で洋学の他、剣術、芸術にも才能を有していて、ペリー来航二年後に55歳の生涯を閉じたのは余りに早すぎ残念無念でなりません。
もっと現代に注目されるべき人物だと思います。
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平和的開国に尽力した知られざる異能の行政官。その不屈の生涯。
開国か戦争か。
いち早く「黒船来航」を予見、未曽有の国難に立ち向かった伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍。
誰よりも早く、誰よりも遠くまで時代を見据え、
近代日本の礎となった希有の名代官の一代記。
明治維新から150年。新たな幕末小説の誕生。
『武揚伝』『くろふね』に続く、幕臣三部作、堂々完結!
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江川太郎左衛門英龍、江戸末期、こんな英雄がいたなんて知りませんでした。学ぶことの大切さ、情報の重要さを今更ながら思い知りました。
くろふね、武揚伝も読んでみたくなりました。
薩長でもなく、幕府側からだけでない開国を違った角度から眺められ、新鮮でした。面白かったです。
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幕末の伊豆韮山代官・江川太郎左衛門英龍が題材。最初はなかなか物語に入れなかったけど、「何を」作った人物かわかり始めてから一気に面白くなった。竜馬や西郷たちだけが幕末の偉人ではないんだと、つくづく考えてしまう作品。政権末期の江戸幕府は確かになっちゃいなかったけど、先見の明を持ち、それに備えて考え行動し、人材を育成した幕臣もいたんだなと。いい小説です。
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江戸後期の韮山代官 江川太郎左衛門英龍を描く歴史小説。
みなもと太郎の「風雲児たち」での、英龍の活躍、鳥居耀蔵の暗躍を思い出し、懐かしみながら読めました。
激務での過労死の典型のような人なのですが、本当に清廉潔白で非の打ち所がない人だと思います。
斎藤弥九郎がこれほど絡むとは思いませんでした。
また、幕末に活躍する人物たちの若き姿も面白かったです。
残念なのは、「文政」を「文化」とか、「水野」を「永野」とか、ありえない固有名詞での誤字が散見されたことで、出版社のレベルが知れました。
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漫画「風雲児たち」の愛読者である(笑)下の子が、「尊敬する歴史上の人物に1人加わった。江川太郎左衛門英龍。」と言っていた、江川英龍を主人公とした小説。
小説としては"枯れた"(良い意味も込めて)筆致で、時代背景などの解説は少ないのでむしろ「風雲児たち」を先に読んでいた方が背景が分かって良いかもしれない。(笑
しかし、このような人物が教科書を始め一般的な歴史書においては忘れ去られているのは残念。確かに、「先見性」(そして人間性も)という点でもっと再評価されてよい人物の一人だろう。
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2017年9月17日読了。
ページ数失念。
佐々木譲による幕末三部作。
江川太郎左衛門英龍の物語。
もう少し、中島三郎助や榎本武揚と絡んでほしかったと思うが、歴史なので仕方ない。
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江戸時代末期、ペリー艦隊が浦賀沖に現れる以前から、そういう事態が起こるだろうことを予測していた人は多数いたのだろうとおもう。
今夏、この目で実際見て知った韮山反射炉を製造した江川英龍もそういう人物の1人だった。
彼の慧眼とだからこその日本に対する焦慮が慮れる本書でした。