投稿元:
レビューを見る
<目次>
はじめに あるいは反知性の時代の知性
第1章 新聞の活用
第2章 本の探しかた
第3章 書店の使いかた
第4章 本の読みかた
第5章 モノとしての本の扱いかた
第6章 本の手放しかた
第7章 時間管理法
第8章 取材の現場で
第9章 非社交的人間のコミュニケーション
第10章 アイディアの整理と書く技術
第11章 語学習得法
第12章 デジタル時代のツールとガジェット
<内容>
作家、詩人であり、書評やエッセイなどの著作の多くある池澤夏樹さんの自分の仕事術を公開したもの。若いころからの本読みである池澤さんのマネはとてもできないが、いろいろな刺激になり、鍛錬をしなければならないと感じられた1冊。
投稿元:
レビューを見る
題名に“仕事術”とあるが、著者は小説家なので、本書の個々のノウハウが一般的かといえばそうとは言えないかもしれない。
しかし、「情報、知識、(それから思想も)」をいかにして獲得し日々更新していくかについての著者が取り組み方に、自分ももっと日々の生活と仕事のやり方に工夫を凝らさねばと刺激される。
新聞を読んで今の世界がどのようになっているか世界の見取り図を自らの頭の中に作る、乗り物での移動中はスマホを見ずに本を読む、などの基本姿勢に共感したり反省したり。また、本の手放し方にルールを決める、などはこれまであまり考えたことがなかったので、そう思って日々の生活と仕事のやり方を点検すれば工夫は無限大に思えてきた。
投稿元:
レビューを見る
知の仕事術というよりは著者自身の本へのこだわりがよくわかる本です。
本の選び方、読み方、整理の仕方。
きっと一人ひとり自分なりのこだわりがあるんでしょうね。
本好きな人は本を手放せない人も多いが筆者は必要がなくなった本は希少な本だとしても惜しみなく手放すタイプ。
私自身も昔は本をコレクターしていたが今は殆ど手元に本を残さないのでよくわかります。
昔は珍しい本は古書店などをめぐって探していたし、一度手放すともう手に入らないという考えもありましたが、今はネットを介することで大抵の本はいつでも何度でもすぐに手に入れられる。
自宅という本棚になくてもすでにネット全体が自分の本棚のようにすぐに検索可能になっています。
電子書籍というものが出てきたことも本との付き合い方が大きくかわるきっかけになりましたね。
投稿元:
レビューを見る
こういうノウハウの本は、ときどき読みたくなる。
取り入れるためではなく、自分のやり方を見直すために。
この本の場合、「信念」が伝わってくる感じで良かった。
投稿元:
レビューを見る
作家で詩人の著者による知の活かし方。いろいろ情報が飛び交い何が真実で何がフェイクニュース(うそのニュース)か分からない今という時代を生き抜くための参考にと思って読んでみた。
池上彰も述べているが、ネットのニュースだけでは不十分で紙の新聞も読むことを説いている。インターネットはそれぞれのニュースを素早くとらえるのには向いているが、全体像をつかむのには新聞のほうがよいと述べている。
本の手放しかたと言う1章があるのが印象に残った。本を買って読むとたまっていく一方で預金と違って利子がつくわけではなく、ただ部屋が狭くなっていくだけ。ストックの読書とフローの読書と言う考え方を示している。ストックは、買った本は売らずに取って置く。フローは読んで次の読者にわたる。何を残して何を話すかはそれぞれの興味による。
もう一つ、印象に残ったのが非社交的人間のコミュニケーションと言う1章。「対談は自分ではなく、相互のため」というように、自分のためだけに誰かの話を聞くということをしてこなかったと述べている。
仕事術と言うタイトルはついているがもっと幅広いことが書かれている。
投稿元:
レビューを見る
この本は良い、作家である池澤夏樹氏が自身の技術論を公開してくれており、多くの刺激を受ける。
新聞の活用法、本の探し方等実用的なノウハウを多く教えてくれる。特に書評については私も本選びの参考にしている。
やはり定期的にこのような本を読む必要性を感じる。新たな気付き、知的興奮が人には必要と思う。反知性主義に抗していくために。
投稿元:
レビューを見る
著者がどういう方かも知らないまま、書名に飛び付き購入したもの。想像の通りで、手段のハウツー本ではなく、もっと根源的な「知」の求め方についての本。
いつも感じるのは、この手の本の著者は、当然ながらサラリーマン的感覚とは違うので、それを自分の「仕事術」と同列に捉えられない。
投稿元:
レビューを見る
敬愛する(といってもまだまだ良く知らないニワカですが)池澤夏樹さんの仕事術公開本。
SNSの話から始まりますが、ご本人は自身の事を語るなど、こっ恥ずかしくてできないそう。少し前からFacebookをROMっている私も同様です。
ただ、自己の記録として、WordPressによるブログのみは続けて行こうと思っています。それと、そこそこのフォロワーのいるツイッターは。
こういう知的生産の技術書というのは、昔から有名な書籍が何冊も出ています。知の先達たちが後輩のために親切にノウハウを公開してくれているのですね。
でも、わかっちゃいるけどついてけねー。というのが本音のところ。
それができれば苦労はない。継続は(天才)力である・・・と自己弁護で解釈しています。
それでも良いから、格好だけで良いからついていきたい。というので、同様な本にまたもや手を出してしまいます。
そしてもう一つ。基本は実践者の脳髄に帰結するのでしょうが、その時に応じたツールが出てきます。
本書は発行日が読書日と1ヶ月ほどしか違いません。まさに湯気の出ている新刊書でしょうか。なので、現在進行系のツールの解説も適切に行われています。
特筆すべき事として、著者は最初にワープロ原稿で芥川賞を受賞した人。創作のIT化に最初期に取り組んだ人でもあります。現在使用しているデバイスもiPhone6sPlusだったりして、ボクとおんなじ。
でも、あまり具体的に手取り足取りという紹介はありません。執筆にどんなソフトを使っているかとか。まあ、Wordのネタとかは出てきますが。
仮にアプリケーション名を挙げたところで、すぐに淘汰されてしまう(ドッグイヤー)運命ですから。私達自身がそこはさがしていくところでしょう。
最新の技術状況を踏まえつつ、外堀の埋め方をレクチャーしてくれます。
古典の読み方。紙の本と電子書籍の使い分け。等々。
フィールドワークのノウハウはまるでハンティングに行くよう。
で、シンプルイズベストですね。
日々身を削るように仕上げる執筆作業が目に浮かぶようです。膨大な資料を選択し、読破し、必要な部分を抽出し、作品に仕上げていく。産みの苦しみ。
そして脱稿した暁の爽快感・カタルシスは癖になると語っています。
私も掌編で良い(とはなんだ!)ので、創作チャレンジしてみようと思わせてくれる一冊です。
投稿元:
レビューを見る
混迷深まる現代を知的に生きていくためには、「情報」や「知識」だけではなく、さらに深い「思想」が必要だ。それをいかにして獲得し、更新していくか。自分の中に知的な見取り図を作るための、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整理法、環境の整えかたなどを指南する。小説だけでなく、時評や書評を執筆し、文学全集を個人編集する碩学が初めて公開する「知のノウハウ」。
新聞書評の現場が興味深い。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞作家、書評家にして、個人で世界・日本文学全集を編集する著者の知のノウハウ。
新聞、本、書店、時間、取材、アイデア、語学に関する著者なりのノウハウや矜持。
特に書評について全く知らなかった世界に触れさせていただいた。
ノウハウとしては、著者固有の部分も大きく、個人的に有用な情報とは感じられなかった。
17-33
投稿元:
レビューを見る
情報、知識、思想
情報を受け取らないのも情報。
本との向き合い方がわかる本。本は流れていくものだというところが心に残った。
投稿元:
レビューを見る
ボルテール 私はあなたの意見に反対だ。だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る
各出版社が出しているPR誌
集英社 青春と読書、 角川 本の旅人、新潮社 波、文春 本の話、 講談社 本、岩波書店 図書
古本サイト 日本の古本屋
水俣病の民衆史
ガイドブック イギリス BENNという出版社 BLUE GUIDE
アメリカの出版社 moon publication
叡智の断片
語学の習得 分量と暇が大切
ヘミングウエイ 立って使える高いデスクにタイプライタを置いて、室内をうろうろしながら文章を練り、まとまるとそのデスクのところに歩み寄ってセンテンスを一つ書いたという
よく見る海外サイト
ガーディアン、ニューズウィーク日本版、クーリエジャポン
電子書籍 一直線に読んでおしまいのものはよめる
一方、行きつ戻りつしながら、中身全体を自分の頭につように読むときはまるで役にたたない
投稿元:
レビューを見る
元々、読書術とか知の技術という類の本は好きである。著述家の楽屋を覗き見するような感じで、また、そこから自分の本読みに生かしていくことにもつながる。実は著者の小説は読んだことがないが、時評や書評から興味を持ち、楽屋を覗かせてもらった。やはり新聞の意義と書評についての論が一番面白く読めた。最後に印象に残った一文、「生きるためには、軽い順に、一、情報、二、知識、三、思想、が必要だと考えてみよう」
投稿元:
レビューを見る
日本文学全集を読み進めています。著者の読書や
情報の整理術が紹介されている本。
さらっと読めてなかなか面白い内容でした。
投稿元:
レビューを見る
池澤夏樹さんとは2度、お会いしたことがあります。
1度目は札幌での講演会、2度目は岩見沢での講演会。
岩見沢での講演会では、主催者の方に案内されて池澤さんの控え室へ行き、ご挨拶することもできました。
主催者の方は、「末永さんも小説を書く方なんです」と余計なことを云いました。
芥川賞を受賞してデビューし、その後も数々の小説、エッセーなどを世に出し、さらには世界文学全集、日本文学全集の編集までしてしまう池澤さんからすれば、たかが一地方の文学賞を取ったに過ぎない自分など、小説を書いているうちに入らない。
私は恐縮しきりで、ひたすら頭を下げるだけでした。
で、たまたま寄った本屋で見つけたのが本書。
「池澤さんは、こんな本まで書くのか」と珍しくて手に取った次第。
「自分の中に知的な見取り図を作るための、新聞や本との付き合いかた、アイディアや思考の整理法、環境の整えかた」(本書そでの説明文より)を分かりやすく教えてくれます。
それも大変ためになりますが、私は池澤さん個人のこだわりを面白おかしく読みました。
本書でも書いていますが、池澤さんって個人的なことはこれまでほとんど書いてこなかったのですよね。
たとえば、池澤さんは喫茶店や図書館では本を読まないそう。
何故なら「集中できない」から。
分かります、自分もそうだから。
気付いたら同じ行をもう一度辿っていたなんてこともしばしばです。
池澤さんは本をフローとストックというふうに分けて考えていて、たとえば作品を書くために使った本は潔く手放してしまうそう。
本棚の中身も定期的に入れ替えていると云いますから、なかなか徹底しています。
私は蔵書が1千冊近くありますが、なかなか捨てられません。
本書で紹介されている、書評の数々も実に面白い。
特に、冨山太佳夫評「新グローバル英和辞典」は、それ自体が愉快な読み物でした。
ものを書く人には、大変にためになる1冊でした。