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紙の本

マスコミ関係者必読書

2002/11/17 00:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Winnie - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本は、マスコミ関係者やマスコミに就職を希望している学生は必ず読むべきである。近代文学史や雑誌ジャーナリズム史を青春小説として面白く読み進めながら、簡単に理解することが出来る。

 主人公の川端康成と大宅壮一は同世代で、大阪・茨木中学の先輩後輩にあたる。川端は純文学、大宅はジャーナリズムとまるで別の世界なので文学史では比較されることのない二人だが、実は二人にはいくつもの接点があった。若き日の二人が成長していく過程を実際のエピソードをもとにして痛快に描いている。そこに明治時代の夏目漱石や森鴎外という作家の誕生から、大正時代の投稿雑誌の隆盛、芥川龍之介や菊池寛の世代でのマーケットの成熟などの時代背景を綿密な取材によって事実に即して詳細に説明している。猪瀬直樹著作集のタイトルが「日本の近代」であるのを納得させる一冊である。

 著者は当時の原稿料や出版部数に細かくこだわる。「日本の文学史は純文学中心でベストセラーを軽視した。したがって売れ行きについてのデータがほとんどない。それはおかしいのではないか。出版が市場として成立した以上、作家もそれに影響を受けざるをえないのだから」という考えも著者が作家だからゆえである。
 一方は孤児であるにもかかわらず生活力に乏しく親戚や菊池寛からの借金だけで食いつないできたやせっぽっちの青年、もう一方は中学時代から苦学しながら家族を一人で養ってきた生活力のあるたくましい男。この二人を対比させながら、「雑誌への情熱」という感情ですべての作家を結びつけつつ、近代文学史を読み解いている。
 物語は、二人が芥川の死に接して文壇ギルドの終焉を認識し、自分たちが拓いていく新しい時代を予感するところで締めくくられる。若いエネルギーを感じさせてくれる励まされる一冊である。

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