紙の本
潜水艦もの
2022/02/15 11:34
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦記の中でも潜水艦ものはその閉鎖された世界での息詰まるやり取り という点で、迫力ある作品になりやすいのだが、本作もその典型である。余分な思い入れ感情の記述がなく、比較的淡々と戦闘経緯を記述している という書きぶりがなかなかに良い。
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09年6月13日公開予定の映画「真夏のオリオン」の“原作の原作”ということで興味を持ち、読んでみました。第二次大戦末期にグアム島沖で展開された米重巡洋艦インディアナポリスVS日本帝国海軍伊号第五八潜水艦の死闘を描いたアクション&サスペンス小説です。じっくり大事に読み進めようと思っていたのに、スリリングな展開に引き込まれて一日で読んでしまいました。実話が題材となっているので話の展開は史実どおりですが、内容の半分ほどは著者による脚色(フィクション)が織り込まれているとのことです。
巡洋艦VS潜水艦の双方の知略を尽くした戦闘シーンが、丁寧でシンプルな描写で淡々と綴られているのが好印象な作品でした。いわゆる「戦争もの」をふだんあまり読まない素人の私でも内容が理解しやすく、最後まで読みやすかったです。
登場人物のキャラクター描写は必要最小限に抑えられていますが、永井少将・倉本少佐を始めとする伊−58の乗組員や、敵艦インディアナポリスの艦長マックベイ大佐などの人となりも魅力的に描かれています。永井少将とマックベイ大佐の両知将の因縁の対決というストーリー展開も見所のひとつです。
映画のほうはかなり脚色されており、「雷撃深度十九・五」とはキャラクターもストーリーも違った内容になってしまってるようなので、それがちょっと残念です。でも一応劇場に観に行く予定です(´▽`)
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現在公開中の「真夏のオリオン」原作。だが映画ははっきりいって別物である。
福井晴敏氏がこれを元に映画を脚色しているが、あそこまで変えてしまうのなら
原作といってほしくない。彼の作品は好きだが今回の件に関しては失望した。
こちらの原作はまさに男の汗臭いドラマである。横山秀夫が好きな人は読むべし。
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戦場で最もしてはならないのは、友を作ることである。戦友という言葉があるが、戦場の友は結局辛い思い出しか残さない。その友を自分は作ってしまった。
(P.117)
「諸君は国家が諸君の運命を翻弄したと思うかもしれない。だが諸君はこれからも運命に翻弄される。人とはそういうものだ。その時、思い出して欲しい。誇りを持って戦い、知力と体力の限りを尽くし、勝ち抜いて生き残ったことを」
(P.391)
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おもしろかったです!
呉の「てつのくじら館」で本物の潜水艦に載った(入った?)ことはあるけれど、
実際の潜水艦での戦いってかなりきつそう。
空気薄くなるわ、臭いわ、しょっちゅう壊れて修理の連続、
銃後の女子どももそれはそれで大変だけど、
きっと男の人のほうが厳しい時代だよなぁ、戦時って。
意外とすんなり刷り込まれて頑張っちゃえるのかなぁ。
映画「真夏のオリオン」の原作ってことになってるけど、たぶんまったく話は別物
(確実に福井さん好みに変わってんだろうね)。
まったく女性は出てこないし、
艦長が「天才」(映画ではそういう設定)でもないし、
それどころかうっかり沈没船から助けた予備役のおじさんが
結局すべての指揮取っちゃってるし(笑)。
それでも日米双方の駆け引きが手に汗握ります。
アメリカ側の登場人物は実名、日本側は仮名で
作者曰く、半分フィクションなんだそうだ。
ということで実際の艦長の手記も今度借りてみることにしました。
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第二次世界大戦末期
日本海軍の潜水艦伊号五八がアメリカ海軍の巡洋艦インディアナポリスを撃沈したという歴史的事実をもとにして、構成された小説。
アメリカ側は実名で、日本側が仮名らしい。
いま現在真夏のオリオンという映画の原案になった小説(原作ではない)この話をもとに亡国のイージスなどで有名な福井晴敏が新たにシナリオを書き下ろした。そっちの内容はほとんど知らないけど、どうせ安っぽいヒューマニズムにまみれた反戦映画になってるんだろうと勝手に予想。
こちらがわはどうかというと、日本敗戦濃厚な状態での日米の男たちのドラマが描かれている。
アメリカが勝利寸前とはいえ、軍内での権力抗争の結果として不十分な防備環境のままで「ある物資」の運搬を命じられたインディアナポリス艦長マックベイ三世とそれの迎撃に当たる伊号五八潜水艦とその潜水艦に偶然乗り合わせた、老練の戦術家永井少将。
永井とマックベイ三世。この二人は窮地の間柄であり、若いころの机上の海戦演習でマックベイは永井に散々に負けていた。
インディアナポリスが敵潜水艦と相対したとき、その動きから敵が永井であることを知ったマックベイは自らの全知全能をかけて勝負に挑むが、それこそが永井の読みのうちだった…
潜水艦としては異質な命令を乱発して、潜水艦クルーから反発も受けるが、艦長倉本がうまく制御しこれ以上無いというくらいの戦果を得る。
熱い海戦に手に汗握ります。
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史実を新解釈したセミ・ノンフィクション←こんな言葉あるのか?
最高のエンタテイメント!潜水艦モノだけで個人的にそうなりますが…
映画「真夏のオリオン」の原作、ただしストーリーは別物。映画は残念でした。日本で「Uボート」並みの映画は無理なんだなぁ…ストーリーだけならこの原作負けてないのに…
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太平洋戦争における艦艇同士の最後の戦闘、重巡洋艦インディアナポリスと潜水艦伊58の戦いをモチーフにした作品。決して私自身戦闘的な性向を有しているわけではないと思うのですが、戦艦だとか潜水艦だとかの文字をみると、のめりこんでしまいます。あとがきで、作者の方が、内容の「半分が歴史的事実」と書いておられるのですが、残り半分がフィクションであることを感じさせない出来栄えです。人生を翻弄する戦争について、思いをあらたにしました。
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2010年8月16日 記イ号潜水艦つながり。夕べTVで「真夏のオリオン」を見た。限られた予算の中でも抑えた演出で印象に残るTV映画といった趣。メッセージをシンプルにした分奥行きが無くなってしまったか。田中 光二著「幽霊海戦」ではある意味、戦争の残酷さを冷たくエンターテイメントにして読ませる。2009年5月11日 記今回のダイビングはチュークでレック・ダイブ。気分を盛り上げようと行きの飛行機で読んでみる。半分はフィクションということだがTV映画の脚本みたいな感じ。内容はともかく、ダイビングの事前資料としてとても参考になった。当時の商船にもしょうがなく大砲を積んでいる記述があったが、実際に見てみると本当にあった。作中にも出てくる九十五式一型酸素魚雷も船倉に残っていたが、巨大!戦争跡も今は美しい魚と珊瑚にかこまれて美しい海に戻っておりました。二度と戦争してはいけません。
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再読。
以前読んだ時は、危機脱出の肝心の場面がエピソード風に語られていて不満に思った記憶が強かったが、今回読み直してみるとそんなこともなく、前回はいかにじっくり読み込んでいなかったかがはっきりした。
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半分は史実だそうで半分がフィクションとのこと。ちょっとフィクションと思われるところがご都合主義かなぁ。でも海洋物は好きなので面白かったです。
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日本海軍と聞いて、多くの人は、戦艦の華々しい活躍や、空母による航空攻撃などをイメージするだろう。しかし日本海軍の艦艇同士の戦闘における最後の戦果は、昭和20年7月、伊五八潜水艦によるアメリカ重巡洋艦インディアナポリスの撃沈である。
昭和20年7月、約100人と人間魚雷・回天を載せた伊五八潜水艦は呉を出港、フィリピン東方を通過する敵艦を、サイパン沖で撃沈せよ、との特命を帯びていた。戦局はもはや絶望的で、謎が多く困難な任務だが、倉本艦長は任務を全うするべく全力を尽くす。
一方、インディアナポリス艦長マックベイもまた、不可解な指令をうけ、正体不明の物資を積み込み、サイパンを目指す。果たして、浅からぬ因縁をもつ倉本とマックベイは、マリアナで知恵と力を結集して戦うことになった。
ドキュメンタリータッチのリアルで冷静な筆致が、手に汗握る潜水艦小説をより一層緊迫したものにしてくれる。
なお本書を原作とした映画『真夏のオリオン』は、本書の美点を全て捨て去った、全くの駄作だった。がっかり。
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攻撃側の戦果が攻撃された側の被害として描かれながら、攻守が交互に展開していく。次が知りたくて、一気に読み終わった。ありがちなストーリーだが、史実を脚色している点で、登場人物にリアリティがあった。映画化されているようだが、おそらく原作は超えられていないだろう。
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第二次大戦時に発生した米重巡洋艦インディアナポリス沈没事件をモチーフに描いた小説である。アメリカ側の登場人物は実名であるが、日本側の登場人物は仮名である。結構調べて、事実を上手く盛り込んでいると思いますが、本そのものはフィクションなので、その辺りを理解しておく事が必要。
今年の夏『真夏のオリオン』と言うタイトルで映画化予定。もっとも、あらすじを見た限りでは、映画化に際しては、原作である本書とは、かなり筋が違ったもの(ほとんど別作品)になりそうですね。
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映画化されると聞いて、すぐさま本書を手に入れて読んだ本。
原作の壮絶さを読んだ後に、映画を観ると少し残念。