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大好きな行動経済学の応用。ジェンダー編。
ジェンダー関連本は一時期数冊読んだけど、選んだ本が悪かったのか、ジェンダーの概念、歴史なんかに関するものばかり。結局何がしたいんだろうなって思ってた。
科学的な知見を踏まえてジェンダー問題を解決しようとする手法は、個人的な趣味からも求めてたもの。
実践なので、学問としての行動経済学からは離れることから、目新しい知識が得られる訳ではない。一方で、新しい見方を得られるような本だった。
内容としては、行動経済学の知見をジェンダー問題に適用すると、こんな解決策を提案できますとのこと。
行動経済学に基づいた設計で「ナッジ」すると、この分野でも驚くほど大きな成果が得られる可能性があることを示唆。
強制的に女性枠を作る「クォータ制」について、正直これまで否定的だったけど、あるべき社会を作るためには必要かもしれないと、ある程度理解できた。制度適用の際の注意も参考にしつつ、もっと広まっても良いのかもしれない。
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人事分野で働き始めてから、人の行動を変えるための仕掛け作りに興味を持ってきたため、この本に出会えたことは大きかった。
制度や規則を作るだけではなく、本当の意味で、無意識にやってしまうジェンダーバイアスにかかった行動を、どう回避するような仕掛けをつくっていくか。
実証データも豊富であり、一読して全てを理解するにはリッチすぎる本。
バイブルとして側に置いておきたい。
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米国は、日本よりも男女参画が進んでいると思っていましたが、日本とそう変わらない水準なのかもしれません。。
折しも、世界経済フォーラムから2018年のジェンダー・ギャップ・指数が発表され、たまたま私もコラムでこれに関する記事を書くことがあり、ジェンダーについて調べている最中に、本書に出合いました。
アカデミックに、エビデンスに基づいた記述は、多少難しいけれども信頼感があります。
数々の実験の結果が記されていて、軽いビジネス書とは一線を画した信頼感があります。
行動経済学に基づいてジェンダーの問題に切り込んでいる点が、類書にない視点だと思います。女性で結婚・出産を経てもずっと働いている私ですら、無意識のうちに性差の思い込みを抱いていることに気づかされました。
ただ、男性ホルモン、女性ホルモンの働きで男女それぞれに得意な役割があることは肯定したいです。それを活かした男女の立ち位置があって、無理にすべてを男女同じ条件にするよりも、むしろ性差を効果的に使うことができる分野は意外と多くあるのではないかと思いました。
投資に携わる身としては、第13章「透明性を高める」が情報として役立ちました。
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役に立つ。ジェンダーに関しての人々のバイアスにどんなものがあるのか、どうやったらバイアスの影響を小さくできるのか。
まだ研究が足りないものや肯定も否定も出ているものもあるけど、そういうのもきっちり書いてあるのでコツコツ拾っていって使える。時代や文化が変わると当てはまらないものもありそう。
自分もバイアスからは逃れられないという事実を常に頭に入れて生きていきたい。
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普段生活していく上で、どれだけ自分たちがバイアス(個人や物事に対する思い込み)があるのか、それを解消することでどれだけ経済に利益があるのか。逆に言えば、世界中にあるありとあらゆるバイアスで、どれだけ人類は不利益を被っているか。この本ではその事が事細かに書かれている。
この本を読むと、いかに社会がバイアスだらけなのかがよくわかる。とりわけメディア・SNSは最たるものに感じる。
差別をする事で利益がある人たち・差別を受けても声を上げる事が出来ず偏見をそのまま自分の特性だと思い込んでる人たち・偏見が身に染み付いて疑う事が出来ない人たち。これを解消していくには、全ての人間にバイアスがかかっている事を訴え続けなければならないんだろうと思う。
分厚く読み込むには時間がかかるが、自分のバイアスに気づくきっかけになる良書。是非多くの人に読んでもらいたい。
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無意識のバイアスをあぶりだし、行動を変えることで、その無意識のバイアスをなくしていこうという本、
アンフリーズ→チェンジリ→フリーズというプロセスはジェンダー格差を解消するための方だけでなく、色々な問題解決の方法に使えそうだと思った。
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納得した部分。
女が発言したがらないのは、そうすることで自分の好感度が下がることを知っているから。仕事で成功した人物を書いた文章を読ませて、その人物が男だと知らせた場合、その人物に対する好感度は下がらないが、女の場合は、好感度が下がる。
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この本に書かれた事実や人の行動傾向を「共有」するところからなのだと思う。設計によってバイアスの影響を緩和する、クセをうまく使う、「コンプライorエクスプレイン」の"やわらかなデフォルト(初期設定)"も重要、など印象的。誰でもアンコンシャスバイアスを持っている、でも変えていける。行動から始めていく、が共通認識になるといいな
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埋められないほどのバイアスがあるなら、バイアスが作用しないような環境・プロセスをデザインしてみよう。
という主旨の本。ジェンダーの平等は経済的に好影響を及ぼすことが多くの研究で明らかになっているそう。ただ、まだまだ本書を読んでいるとアメリカでも嫌になるくらいのジェンダーに係る事例があるようだ。
行動経済学的に見ていくと、我々は多くのバイアスを無意識に有しているし、人間は思っているよりも合理的な判断ができていないことも示されている。
一つ一つのプロセスでやっているデザインの事例は非常に地味なのだけれど、逆にいうとそのようなプロセスの細々したところに人が作る以上、依然として無意識のバイアスが潜んでいるということなんだと思う。
行動経済学。翻訳されている本はだいぶ読んだけれど、色々と自分の日々の生活でも思い当たることもあるし、今の自分の仕事にも応用できることなので、非常に勉強になる。
ただ、本当はジェンダーのような問題は、本来、個々・社会の倫理観の醸成でこそ、解決していってほしいものではあるけれども。
あと、洋書ビジネス書のスタイルなのかも知れないけれど、こういうビジネス書の類はなぜかダラダラと事例を盛り込んでいく内容で正直面白さをだいぶ台無しにしている。もう少し構成を考えて欲しい。
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ナッジによるダイバーシティ促進をテーマとしている.カーネマンら『ファスト&スロー』やバナジーら『貧乏人の経済学』と同じ話題が目に付いたが,主に性別間の問題に着目して集められてはいる.一方で,全てが性別間の問題だけでなく,それ以外の話題の割合もかなりある.
ナッジをテーマに掲げているが,データではアファーマティブ・アクションやクオータ制の方が現実には有効な印象を受けた.10章の有効なクオータ制導入についてのさまざまなエビデンスは特に興味深かった.
データに基づく施策を強く推しているが,自身の考えとデータが合わなければ支持しない場合や,エビデンスのない主張も見られた.例えば,STEM系の人材が少ない問題は大学入学以前の社会に原因があるとするエビデンスを示しつつ,大学・IT企業に問題があるとする自身の考えを示していた.この点は残念だと思ったので★を一つ差し引く.
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こちらも社会学者・小説家の鈴木涼美先生おすすめ本。
涼美先生のおすすめの他の社会学系の本はどれも難しくってページをめくる作業になってしまっていたけど(恥)この本はなんとか踏ん張れた。
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物性研の所内者、柏地区共通事務センター職員の方のみ借りることができます。
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