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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
極めて挑戦的な一冊です。夢のようなパレードでした。ただ、どう頑張ってもダンシング・オウルがヒットすることはないと思います。
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「残像に口紅を」が、文字をひとつずつ消してゆくことで以前と同じ表現を使うことができなくなる、いわば「反復の忌避」が主題であったのに対し、「ダンシング・ヴァニティ」は作者が執筆中に突然思い出したかのように以前と全く同じ文体が繰り返される。穿った見方をすれば、ただの原稿料の水増しなのかもしれないが、同じ事件であったり、行為であったり、従来小説の筋道を作ってきた「場所」や「時間」を突き破って進む本作は、そこに感じられる「物語性」というか、コンセプトありきでストーリーのない「非物語性」に与えられた物語的な説得力が、「残像を〜」と比べても圧倒的に充実している。奇しくも、どちらも筒井本人を投影したかのような「職業作家」が主人公の日常を描くもの。はっきり言ってどちらもコンセプトが実行される世界を「ただ生活しただけ」の話なのだが、同じ文体・同じ行為・同じ展開は次第に記憶に蓄積されていき、「そらきた」「そこでまたか」と、それぞれの「ネタ」を「待ってました!」とでも言うように楽しめるのが痛快。
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久々の筒井長編。やっつけるのにかなり手間取った。似たような夢を見るが細部が違っているような感じ。それが現実と混ざり混沌を織りなす。
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実は、筒井康隆さんの本はこれまで読んだことがなくて、これが初めてだった。
はじめ読み始めて、
なんだこれは?
って?マークばっかり浮かんでたけど、
特に素晴らしい物語があるわけでもないのに、
繰り返しのリズムの中で少しずつ変化していく話がその先どんな風に進むのかが気になってしまって、夢中で読んだ。
突き刺さるような言葉とか、いろいろな人間模様とか、深い感情の洞察とか、
そういうのがあるわけでもないのに、リズム感が楽しい。
こんな小説もあるんだなと感心する。
ただ、同じような作品は二番煎じ的な感じになってしまって、書けないのかなとも思う。
解説に、同じような繰り返しに見えて、少しずつ変化していくのは、
音楽ではよくある手法と書いてあったけど、
なるほどだから楽しいのかと妙に納得させられた。
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ある男の半生。
どこまでが夢でどこからが現実なのか。
将又最初から全部夢なのか。夢など見ていないのか。
怒濤のコピー&ペーストは、日常生活そのものの比喩なのかと思ったり。
転がり続ける人生は、一体どこへ向かうのか。
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夢から覚める直前のような、上に行くのか下に落ちて行くのか解らないコピー&ペースト、コピー&ペースト。もしかしたら自分の夢に、コロスやらソフトブリーズやらピンク・アウルやらが出てきそうです。何方か書いていましたが、これは筒井でなければ、出なかった本でしょう。当分キトクロ、キトクロです。恐るべし筒井康隆。
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「夢の木坂分岐点」を思いだした。
でも、あの作品は変奏を重ねながら、延々とループが続いていくよう。この作品は反復を重ねながら捻れていくが、話は前に進んでいく。
小説中でも夢についての言及があったが、むしろ死ぬまで終わらない妄想というべきもの。
日本文学に筒井康隆というジャンルがあると云うぐらいに、あまりに独特。唯一無比。
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ジャズ小説×文学部唯野教授×夢の木坂分岐点×その他モロモロの筒井作品(○ ○! 混乱しそうだけど、文章のリズムがいいから、それにうまく乗っかるとスラスラ読める。
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先の読めない「コピー&ペースト」手法が面白い。
ドタバタ感が筒井作品らしくて好み。繰り返される文章がくせになる。
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まさに吃りの小説。何度も何度も同じ文章が繰り返されるが、繰り返される度に少しずつ主人公の心情やら他人に対する印象やらで新しい情報が盛り込まれ、徐々に描かれている状況が理解できるようになるような気がする。
繰り返されて来たエピソードたちが一堂に会す瞬間は、不思議なカタルシスがある。
白いフクロウや兵隊、匍匐前進や鳥の羽ばたく姿など、多分に示唆的なキーワードが多く出てくる。「夢」というキーワードも重要。それらを丁寧に紐解くことはとても興味深いのだと思う。読み進めながらだと、同じ言葉の繰り返しでだんだん頭がボーッとしてくるので、あまり考えられなかった。
同じ文章をひたすら読むという行為に途中かなり辟易したが、それでも最後には「この小説は人生そのものを描いているのだ」と思わせるのは(解説込みで)さすが筒井康隆と言ったところ。物語として面白いかと聞かれると、返答に困る作品。
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反復する手法が実験的に面白い。
話として面白いかというとまたそれは別です。
反復する方向性は決まっていて、繰り返されると必ず筒井氏らしいナンセンス世界になっていく。その逆はない。コピペを繰り返されるとだんだんオリジナルの精密さが無くなるという表現なのかもしれない。
ネット世界のコピペはそのままの同一性を保つので、この場合のコピーは複写機的な感じ。そこにちょっと人間味を感じます。
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好き嫌いが分かれる本とは思いました。私は大好きです。言葉を弄んでいるようにも見える文章をこつこつこつこつ読み進めていくと、じわじわと物語が広がっていきます。最後の辺りは物語に浸り切って涙ぐむほどです。何度も読み返してしまう本です。
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冒頭から初期の短篇 「しゃっくり」 を思わせる時間の反復で始まり、 おい、 これいつまで続くんだよと、 半ば呆れながら読み進めていくと、 いきなりの鮮やかな場面転換が。時間と空間、 過去と現在を自在に行き来し、まるで夢を見ているときのような、 あの脈絡は無いのに妙に生々しい感覚を味わわせてくれる作品。筒井ヴァージンは手を出さないほうが良いかもしれぬ。
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こ……これは。
『夢の木坂分岐点』のあとにピッタリのチョイス。
自分の読書力が高いとかではなく、これは読者を選ぶ小説だなぁ。ツツイファンでもしんどいと思う人がいるかもしらんが、反復によって光るギャクもあり、非常に面白く読めた。
さっそく友人にすすめたが、「分裂症を誘発するやばい文章」とうまいことを言っていた。
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