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2018年、17冊目は、再読月明け。再読月明けは外したくないので、安定感高い、花房観音の新刊。官能度、零な作品。
京都市、船岡山でクラブのママの死体が発見された。京都府警の刑事、田村は遺留品の簪が、清水寺近くの土産物屋のオリジナルであることを知り、土産物屋、月岡屋へと向かう。そこで田村は、美しい未亡人、月岡松葉と出会う。
京都、「三無情の地」、蓮台野、化野、鳥辺野を舞台にした連作長編。
会話中心でテンポ良く読み進められ、1日(足かけ2日)で読了。
第一章は、得意の路線、女の表の顔と裏の顔。そして、愚鈍な男といった構図で展開する少し軽めのミステリーといった印象。第二章も、少し変化をつけ、ドライブさせてきたが、近しい印象。そして、三章で点が線となり、やがて面を作り、その裏側に隠されていたモノが……。
ミステリーとしての作りは面白いが、作者一流のコッテリした描写、業深い情念は控えめ。そのためか、やや軽めの印象は最後まで拭いきれず。
一方、寺社仏閣の縁起や、グルメスポットがふんだんに盛り込まれ、ミステリー小説の風体をした観光ガイドとしても使える。
この作家に求めているモノ(官能を求めているわけではない)とは、少々異なるが、総合評価★★★★☆は、単純に面白かったと言えるから。もっとも個人的に言えば、濃厚コッテリ&情念ドロッドロのヴァージョンで読んでみたい気もするが……。
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京都には「三無常の地」があるという。
鳥辺野、蓮台野、化野は平安時代に死体を野ざらしに風葬の地。
この三無常の地で起きた事件を、若き刑事が土産物屋の美しき未亡人の助けを借りて解決していく。
面白かった!!
著者にしては珍しく官能色はなし。
土産物の未亡人、祇園で会員制バーを営む友人など、女たちが小気味良かった。
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一般的な京都の観光雑誌に載っているメインの場所とはすこし外れた場所で、
一度京都に行った方でも、まだまだ知らない京都観光があるんだぞと、京都女性との会話も楽しみつつ、新たな観光気分を味わえる作品です。
刑事小説としてではなく、観光ブック的な感覚で楽しむことができました。
また京都行きたくなってきた、次京都行く時は千本通りや念仏寺行きます。
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連作3作品
それぞれに殺人事件を追う(ひとつは自殺か)
流れであっさり事件は解決していくが
刑事の力というよりも松葉のおかげな感じ
でも終盤の展開にはそわそわしました
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花房さんのミステリー。京都の三無常の地、蓮台野・化野・鳥辺野で起こった殺人事件。30代の若手刑事と、二年坂で土産物屋をする松葉が、事件を解決していく。あまりにすんなり解決していくので物足りなかったが、終盤そういう事かと納得した。観光では何度も行ってる所だけど、この本を読んでまた京都へ行ってみたくなった。