JKの心情を描かせたら日本一のはずなんですが…。
2019/01/01 09:49
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投稿者:こばP - この投稿者のレビュー一覧を見る
響け!ユーフォニアムシリーズ作者のJK青春もの。短編集ながら、それぞれのお話しのキャラクターが、別の章にかかわってくるなど、ギミックもあって楽しめます。…ですが今作はちょっと、ぼんやりとした内容で特徴のある話がなく、読後に爽快感がありません。ユーフォニアムの熱さとは対照的なので、ちょっと物足りないかなぁ。続編があれば、そこで〆てもらいたいものです。
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登場人物がゆるくつながった連作短編集。
高校生という多感な時期に考える、周りの友人たちのことや進路、自分のこと。
多種多様な考え方を持つ高校生たちが違和感なく描かれている。人間の描写が上手。
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それぞれ多様な価値観とそれに対する不安と矛盾を抱えて学生生活を送る少女達。
彼女達の他者との関わり、そしてすれ違いを描いた連作短編集。
期待して読み始めた割に拍子抜けな気分になったのは、キャラクターの造形がテンプレートの域を全く出ていなくて新鮮さがなかったから。
友人への嫉妬、他者を見下す青臭い価値観、ジェンダーレス願望、早熟な行動派美少女、評価ばかり気にする優等生。
枠からはみ出しているキャラを書いているようでいて、結局他でも見たようなキャラと使い尽くされた既視感のあるネタばかり。
あっという間に読み終わってしまって、今時の青春物の習作を読まされたような気分になった。
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みずみずしい。各話の登場人物が少しずつずれながらリンクしていくところがうまい。「響ユー」みたいに吹奏楽部の縛りがない分、自由に書けている感じ。まだまだ絡んでいない人が多いので、このワールドの話(続きの話)をもっと読んでみたい。第四話、第五話の清水さんがいい味出している。第四話の泉さんとの攻め攻めみたいな絡み、第五話の細谷さんとの攻め受けみたいな絡み、どちらも良い。
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五つの短編。
悩みを持つ個性あふれるそれぞれの主人公が晴れ晴れとした気持ちになるストーリー。
最後のストーリーでは、全く関わりのない二人が関わり学校もその後やめてしまうので会えたのはその一瞬だけ、
スマホも捨て、連絡先も交換できず、後から思えばそんなことあったのかすらさえ、わからなくなるようなひと時の夢のようでありながらも、なぜか頭の片隅から離れない夢だったかのような二人の少女にとっては忘れられない経験の話
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自分の考えが他の人と違っていて突飛な物に感じてしまい、成りたい自分と周りから見た自分の間で葛藤する物語
自分も若い頃はもちろんそうだったけど
年を取ってもあまり、変わってないなと思った
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【白線と一歩】
仲がいい友達だからこそ、いつも近くにいる友達だからこそ、自分と比べて劣等感を抱いてしまったり、キツく当たってしまうことがあるものだ。だが、優しさや愛想ばかり振りまいてみんなに好かれようとするよりは、こうしてぶつかり合ってともに成長していける関係の方がいいと私は思う。
【赤点と二万】
『きっと、ずるくたっていいのだ。誰かに嫉妬してばかりの惨めなところも、自分を好きになれない情けないところも、その全てをひっくるめて、私という人間は存在している。生きるって、きっとそういうことだ。嫌な自分を抱きしめて、二人三脚で明日を目指す。』
時に自分を嫌いになってしまったり、自分を卑下してしまうときもあるが、そんな自分と二人三脚で明日を目指す、というこの表現が気に入った。
【側転と三夏】
なんでもできる私よりいつも失敗ばかりの姉がみんなから愛されるのはなぜ??という妹のもどかしい感情を描いたお話。
淋しさを感じていた妹だったが、ずっと近くにいてくれた姉が1番自分のことを理解し、愛してくれていたことに気づき、自分にも、苦しいときや淋しいときにもいつもそばにいてくれる存在を再確認できた。
【作戦と四角】
性別なんてなければいいと思う主人公の気持ちに共感した。性別があるからこの世には未だに性差別や男女格差が蔓延っているわけで、性別などなければ私達はもっと親しくなれたり、苦しみをなくすことだってできると思う。
【漠然と五体】
優等生の自分が嫌いな女の子のお話。学校に休みがちになった彼女は、本当に追い詰められていたのだと思う。自分にはまだ、学校を休める勇気がないから。
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ある公立高校の女子たちの日常のヒトコマ。そこそこの進学校の普通の子たちの連作短編集。
「赤点と二万」が好きだった。
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苦しいくらいに青春だなぁ。大人になっちゃうと、ほんとモラトリアムよねって一歩引いて見ちゃうけど、そこにどっぷりつかってたよな、かつての私も。だから、私の中の深いところに埋もれた私がめちゃくちゃ共感してる。部活に勉強に友人関係、恋愛、親、教師との関係にモヤモヤしながら、逃げる勇気も持てずにルールに従ってたつまらない私が、自由に行動できる人、愛される人をものすごく羨んでる。ちょっと苦しくなるけど、青春の爽やかな香りも感じられる本だった。
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「漠然と五体」が最高。
『こういう読みたかった!』に出会えて、するするページをめくっていった。
jk2人、学校サボって冬の海。たまらん。
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高校生のうちに読みたいなぁと思っていた本のひとつだったので読めて良かった´`*
どのストーリも主人公が暗めというかネガティブで、友だちと比べては「じゃあ自分の良さってなんだろう」という思考に至る傾向にある。
話が若干暗めであるので、感情移入しやすい方は気分が暗いときに読むのはおすすめしないです笑 病みがちになるので笑(経験済み)
しかし、どの話も希望が見えるような、ほんのり明るい終わり方になっているのが特徴!
ぶっちゃけると、本書に「清水千明」が出てこなければ評価を星3にしていた。というのも、主人公は皆、周囲と比べては落ち込み…みないな感じであるので、そのネガティブさにつられて腹の底から沸き上がるような劣等感を感じたのも事実。(笑)まるで自分を見ているかのようで。
ある話では主人公の子が、別の話では脇役(主人公の友だちだったり)で登場するのだが、あれだけ悩んでいた主人公も、別の視点から見れば上手くいっているように見えるのだなぁと…「隣の芝生は青く見える」という言葉が真っ先に思い浮かんだ。
結局、人生はないものねだりなのだと割り切ったもの勝ちだと悟った。人と比べても意味が無い!!だが割り切れないからこんなに辛いのだ!!!
話を清水千明に戻すと、自分は紛れもなく主人公側の思考の人間なので、彼女のような生き方、いいなぁと思った。ちょうど自分を変えたいと思っていたので清水さんの考えは参考になった。
私の本書での1番のお気に入り、「漠然と五体」。
この話だけ他の話とは明らかに違うものを感じる。
波が迫っては引いてを繰り返すかのような、どんな終わり方をするのか、終わりが近づくほど怖さを覚える、けど目が離せない…そんな話。(我ながら分かりにくい表現ですね笑)
海のシーンや、長時間見知らぬ駅をただ過ぎてくシーンは、私もこんな経験してみたい!と思った。
真の青春というものに触れた気がする。
青い春を数えて。
学生さんや気になっている方には是非読んで欲しいです(´ ˘ `๑)♡
何を感じるかは人によりけりだけど、何かしら感じるものはあるはず!
【オマケ】
そして話中にあの宮沢賢治氏著の「銀河鉄道の夜」が登場する。名作で、以前から気になっていた本なのでこれを機に読んでみるのもいいかもしれない。と思った。
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どのエピソードも印象的で、高校生のリアルな不安定さをうまく描いていた。共感の連続。高校生の頃の気持ちを忘れないよう、また読み返したい。
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「白線と一歩」「赤点と二万」「側転と三夏」「作戦と四角」「漠然と五体」の5篇からなる中篇集。
「白線と一歩」。
山月記と同じ構造。
「才能の不足を暴露するかもしれないとの卑怯な危惧と、刻苦を厭う怠惰が己の凡てだったのだ」
しかし。主人公の気持ちが胸に伝わり、すごくよい一篇だった。女子高校生の気持ちを掬い上げる、として評価されているようだが、50代男性であっても、同じく心に迫るものを感じた。単に私が成熟していないということなのかもしれないが。
今見返しても恥ずかしいが、高校の卒業アルバムのメッセージ欄には上記山月記の抜粋に、余計なことを付け加えていて…
「赤点と二万」
ちょっと無理ある設定。
本書とは関係ないけど、大学の推薦入学制度。やめた方がいいんじゃないかな。とは思う。
一般入試で入学した学生と比べ、一般入試で試される種類の学力は、全体として相当低い傾向にあるような気がする。それは、推薦で入学した人にとっても、あんまりいいことではないのではないかと。
「漠然と五体」
細谷と清水の物語。
そこそこ勉強のできる細谷。綺麗で学校から逸脱気味の清水。
作者は細谷に対して、「地元の公立大学」「公務員」志望、だけど「優等生」と微妙な線をついて役作りをする。
逸脱できない、突き抜けられない「優等生」の鬱屈に、外側から、ひととき手を差し伸べてくれる清水。
しかし、それは、やはりひとときのことであるからこそ、細谷はその手にすがることができて、ひととき、息を抜く。
現実には、頭の中で繰り広げる「妄想」を、物語にした一篇。
文中に「私は新聞なんか読まないし、テレビも見ない。(中略)作り手の作為ばかり鼻につくから。」とあるが、本格的に大手メディアは、多くの人から見放されつつあるのではないか、と改めて感じた。
装丁に、青空の下、波打ち際でたわむれる女子高校生が描かれているが、作中では、夕暮れ時、日が沈んだ直後の設定だったはず。どうでもいいことなのかもしれないけど、イメージ違うかな。加えて、細谷と清水の容姿にももう少し落差を描きこむべきではないかと。
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1〜5章までの中で時系列を同じくする登場人物たちの高校生活をリアルに描かれていた。
結論から言うと、1・3章の話が気に入りました。というのも2・4・5章に登場する人物は悩みを抱えていても、とても前向きで卑屈さを全く感じなかったのに対して、1・3章では自分と他人との希薄な関係性さや劣等感、そしてなにより自分の中で物事を卑屈な方へ考え進めていってしまう姿に強い共感を感じたためです。
現在一人では抱え込みきれない悩みを持った学生や、過去の苦い思い出に何度もうつむきそうな方には、是非呼んで欲しい作品だと感じました。
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女子高生たちの話。情景が目に浮かぶようで、楽しかった。
これをエモいと呼ぶのだろう…
どの話のどの子にもうっすら共感。特に知咲ちゃんの、優しい人のイメージにはうんうんと頷いた。
「相手に合わせて自分の意見を胸中で握り潰してしまえば、みんなが私のことをいい人だと評価する」
全体を通して、自分の意見をちゃんと持つこと、伝えることって相手と深い関係を築くのにとても大切だなと思った。
やっぱ、大切はうすっぺらい気持ちじゃダメなんだと思う