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独特の雰囲気がいい
2020/05/25 10:57
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
魚舟獣舟から続く世界観に基づく独特の雰囲気がある作家。
この作品もその雰囲気を濃厚に持つ作品であるんが、終盤意外な展開もあって面白かった。
この作者の作品の中では最も面白い。
我々が「何物にも侵されない自分の心」「自由意志」と思い込んでいるものが、実はより上位の存在の道具に過ぎないのでは、
と考えさせらる作品であった。
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別の作品で好きなのがあったので期待したのだけど、後半駆け足気味。もっと広げられたのでは?と思ってしまう。上橋菜穂子を再読したくなる。
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緑を感じたくて購入
新鮮な設定など楽しめた
結局なんで子どもを産むのが鷹風なのかはわからなかった
そういう肉体改造を施されてるってことなのかな
巡り合った者同士から遺伝子なりを採取して莢を作るってのはわかるけど、自然出産を目指して終わる展開なのに、あの2人に未来はないのでは…
そう思うと、困難でも希望に満ちた終わりのようだったのに
なんだか滅びの第一歩を見るようで悲しい
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41:ボーイミーツガールであり、管理者・保護者の傘下から飛び立つ話であり、箱庭ファンタジーとSFがミックスされた快作。この世界観、いいなあ……。
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樹上に住み、自らの身体能力を主な頼りとして暮らす人々。未来の話という先入観があったので、一周回ってそんな原始的な生活に回帰するという未来もあるのかもなぁなんて思いながら読んでいたら、いやいやぜんぜん違う。自分の暮らす世界の姿に疑問を持ち始め、知りたいと思う愛琉と同じ目線で読めて面白かった。
後半、「よく分からないけど便利で快適な状態」を受け入れられた理麻たちと、「説明しにくいけど何か不快な感じがする」と思う愛琉や鷹風たち。どちらかだけが正しいというのでもない2つのグループが別れるくだりは、技術を前に選択を迫られるというリアルさがこもっている。
世界を少しだけ知った少女が旅立つ、そこで終わるのでもっとボリューミーでも十分読めたのになぁという物足りなさが少し。でも、オーキッドやフィカスの一族などさまざまな道を選ぶ人がいる、というのがいい。そういうところが、SFと現実を結びつける足がかりになって読みやすいのではないかな。あと、かぐわしい森の匂いがタイトルに想起されるところも、好き。
「木がたくさん生えていれば森だというわけではないのだ。…無数の生物が集合しているという、その事実だけが生み出す不思議な香りに満ちた世界だ。」
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主人公の少女は林冠を自在に飛び小動物を連れて、はじめは「ナウシカ?」と思ってしまいましたが、そこには宮崎アニメとは異なる世界が広がっていました。生態系が変わってしまった未来の物語設定は何度か読んだことがありますが、この薫香のカナピウムは、美しい熱帯雨林の蒸しかえる様な熱気や果物が熟れる匂いが漂うようなみずみずしい描写の中にファンタジー要素があり、地球の未来を思わせるようなSF感も満載でひきつけられました。人はどんなに変化しても希望を忘れないのではと感じさせてくれる物語です。
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〈人とは何か〉
『華竜の宮』で「海に生きる」ために魚と融合した人類をテーマとした作者が、今度は「森で暮らす」人類の姿を描いた。
林冠生物の暮らし、そのために高めたことと捨てたこと。
そしてその背後には作為的な操作が見え隠れする。
「生物とは何か」
「自然とは何か」
解説で「風の谷のナウシカ」を持ち出していたが、映画ではなく原作漫画のナウシカの世界観とよく似ている。
〈華竜の宮〉シリーズのようにここから先の広がりはあるのか……。