紙の本
言語学等に予備知識がなくとも楽しめる
2023/12/27 14:52
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投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
「とうもろこし」を「とうもころし」と言ってしまうなど、ちいさな子どもと言葉というテーマはかわいらしくも興味深いものである。良くも悪くもガチガチの理論書ではなく子育てエッセイ風味もあるものとなっており、言語学等に予備知識がなくとも楽しめるだろう。
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出版社による紹介:
https://www.iwanami.co.jp/book/b281696.html
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岩波科学ライブラリーというシリーズははじめて手に取ったと思う。もっと硬めの内容かと思ったらそこらの新書よりよほどよみやすいハンディな本だった(これがたまたま最初にであったこの一冊の特徴なのかシリーズの特徴なのかわからないけど)。
言語学徒が親となれば、子どもの母語習得過程のおもしろい用例や誤用をおもしろがり記録するのはまず当然の流れだけれど、その楽しみと奥深さをこのように一般の読者ともシェアできる一冊にまとめたのがすごい。巻末に読書案内&引用・参考文献表もあるので、言語獲得に興味を持った高校生・社会人から大学の言語学専攻入門者までひろくおすすめ。
ざっと読んだ家人は本文結びに感激していた(「まだ(ことばの)旅が続いている大人」のひとりという自覚があるだけに…)。
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ことばを身につけることの面白さを,身近にいる子どもたちを観察することで気づかせてくれる。音声学から語用論的要素にいたるまで,たくさんの試行錯誤を子どもたちは経ていることがよく分かる。
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平易な言葉でわかりやすく、子どもの言語習得をさまざまな角度から紹介している。第一言語習得の分野に興味のある初心者にはうってつけの入門書。筆者自身の息子を始めとする実際の子どもの発言事例がたくさん載っていてかわいく、あっという間に楽しく読めた。
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とても読みやすく、1時間足らずで一気に読んでしまった。
大人が意識せずに使っている日本語のさまざまなことについて、子どもの言語獲得の過程のおもしろエピソードを手がかりに解説、推察している。
「は」だけが濁音の中で発音の規則が違うこと、「ん」や「-」の音節など、「言われてみれば…」という発見が多く、あらためて日本語っておもしろいなと思った。
同時に、子どもの言語の獲得過程における特徴が言語にかかわらず一定の特徴があることも興味深い。
子どもの言い間違いや変な言葉、なんでなんで攻撃や屁理屈など、大人から見れば「ただの誤り」みたいなことも、子どもからすれば一生懸命法則を見いだしていろいろなことに適用しようとしているからなんだなと思うと、とてもおもしろい。
たくさんおしゃべりし始めた2歳の息子とのこれからのやりとりが一層楽しみになった。
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「これ食べたら死む?」「死まない?」「死め!」これらは「こどもあるある」の「死の活用形」だそうです。読むとか飲むとか、子どもがよく使うことばにマ行の五段活用はあるが、ナ行の五段活用がないそうです。というか、ナ行は「死ぬ」だけなんだとか。(方言としては「去(い)ぬ」があるそうですが。)なるほど。しかし、これはうちの子どもにはなかったなあ。たぶん。「蚊にさされた」を「かににさされた」、「血が出た」を「ちがが出た」、これはうちにもありました。不思議だなあと思っていた。「とうもころし」これはトトロでおなじみ。「ちかろまち」(「力持ち」のことらしい)これはうちの近所の子が言っていた。他にもすごいまちがい方(子音が入れ替わっているもの)あったんだけれど、思い出せない。などなど、子どもたちの言いまちがいから、言語習得、さらには日本語の特性について学ぶきっかけが得られます。本格的には参考文献が必要かなあ(「この本だけでは物足りないなあ」という意味)。新聞の書評で見て飛びついてしまいました。
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言語学者の著者が、自分の子どもを子育てしているうちに気付いた子どもの言葉の獲得に関する事例を、知り合いの子どもの事例なども含め言語学的に解明していく。
…と書くと堅苦しいけれども、いやはや面白い。そして、小さな子どもと接したことのある人(親として、保育者として等々)なら、そうそうあるある、と思う事例が多数。それを、日本語の特質なんだと納得したり、英語圏でもあるんだと納得したり。
岩波科学ライブラリーを読んで、こんなにニンマリ、ニヤニヤするとは思わなかった。
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子供が放つ,不可思議な言い回しやしょーもない言葉遊びの裏に隠れた,言葉の習得過程における論理的必然性が次々に明らかにされる.ば,馬鹿にして御免なさい….
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「こどもに、『は』に点々をつけたらなんと読む?ときいたら、なんと答えるか」 実になんともそそられる質問ではないですか。
副題に「子どもに学ぶことばの秘密」とある通り、子どもによくある「間違った言葉遣い」を通して、言葉について考えていこうというのが本書の趣旨。なるほどねえ、ということが次々出てきて、とても面白かった。
言語学というのは(まあ学問は皆そうかもしれないけど)素人にはわかりにくくて、オマケにすごく地味だという印象があるが、これはとても取っつきやすい。それでいて、言語学というのが言葉をどういう側面から見ていくのか、少しわかったような気にさせてくれる。柔らかな語り口で読みやすいのもいいと思った。
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清音と濁音の関係,語用論,マークマンの制約理論的な話(どうやってある言葉が指すものの範囲を理解していくのか)など。といっても固苦しく説明されているわけではないのでたいへん読み易い。子育て雑誌で連載したものをまとめました,と言われても信じるレベル。
子どもを間近に見ている人が読むと,あるあるってなってもっと実感として面白いんだろうなあ。
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おもしろかった。それで「テベリ」なのかと納得したり。
ただちょっと薄い気が。発行の趣旨からすると仕方ないのかもしらんけど,もっと深く知りたかったかな。
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日本語の習得について考えたことはなかったけど、この本を読んで興味がわいた
幼児たちが習得する過程と外国人が習得する過程に共通点が多く、おもしろい
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言語学が専門でない人でもサラッと読める、子供の「言い間違い」とその奥に潜む、言葉と文法のルール。
p5「大人の言うことを丸覚えにするのでなく、ことばの秩序を私たちが思うよりずっと論理的なやり方で見いだし、試し、整理していくー子どもたちが「小さい言語学者」と呼ばれるゆえんです。」
音韻、音節、動詞の活用から語用論まで、子どもの言い間違いを整理して面白く紹介し、その「理由」を説明する。確かに子どもなりにルールを見つけているのだと感心した。面白い!
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子どもが言葉を使えるようになる過程が書かれていて、面白かった。「か→が」「さ→ざ」「た→だ」の法則でいくと、「は→ば」はおかしいだなんて、感じたこともなかった!