投稿元:
レビューを見る
上巻だけで477頁と読み応えあり。ギリシャ時代のトゥキュディデスに代表されるストラテゴスやクラウセヴィッツ、リデルハートと戦略の大家が百花繚乱であるが、戦略も時代を経て、大いに変わるものだと理解した。
投稿元:
レビューを見る
軍事戦略や経営戦略といった「戦略」を概略する本ではない。戦略史の発端から変遷までを綿密に追う大著である。まず冒頭のマイク・タイソン氏の引用が最高にかっこいい。
我々が想像する戦略の基本である孫子やクラウゼヴィッツはもとより、旧約聖書やギリシャ神話に描かれる「戦略」の起源めいたものから、核戦争・社会主義など前近代の高度政治戦略や戦略理論の盛衰、ジョミニやトルストイといったほかではあまりお目にかからない話題など、本書の網羅する範囲は膨大だ。(まだ上巻なのに)気軽に読める本ではなく要約もしにくい本のため戦略論を学びたい人にはお薦めできないがとにかく知的好奇心が満たされる本である。
投稿元:
レビューを見る
軍事や国家的な戦略に限定するのではなく、そもそも戦略という曖昧なものがどう生まれ発展してきたのかを、チンパンジーや旧約聖書から始まって宗教や社会思想など広範に抑えた歴史の本。
投稿元:
レビューを見る
本書は、あくまでも「世界史」の本であって、「戦略」の本ではない。
第1章、第2章でチンパンジーの闘争から始まり、聖書のアダムとイブの楽園追放、古代ギリシャにおける戦争、ナポレオン戦争、第一次、第二次世界大戦、核戦争、ベトナム戦争を代表とする非正規戦争、アルカイダとの対テロ戦争までと戦争についての総論を孫子、クラウゼヴィッツを初めとする戦略家の理論を絡ませて、古代から現代までの戦争について戦略が述べられる。
第3章からは民衆の戦略論となり、国家の戦略ではなく民衆からの視点で戦略論が述べられる。最初は、マルクス、レーニンを初めとする共産主義の台頭について語られ、下巻ではビジネスにおける戦略論が語られてく。
本書とよく比べられる同時期に出版されたジョン・ルイス・ギャディス『大戦略論』が全体として歴史上の指導者の決断についての考察に焦点を絞っているのに対し、本書は戦争についての総論(第1章、第2章)・民衆の戦略(第3章)という感じで分かれており、特に第1章、第2章では世界の戦争における戦略を時系列的に読んでいくことができるので読みやすい(そのかわり上巻だけでも470ページ以上と膨大ではあるが・・・)。
この本の上巻を読み終わって、重要な歴史上の場面や戦略家についてさらに深く学びたいという好奇心が出てきたのは確か。さらに下巻も気合いを入れて読もう。
投稿元:
レビューを見る
様々な戦略とみなしうる歴史上の情報をピックアップして記述したもので、世界史というほど時系列的でもなく、かと言って体系的というほどでもない。分析的でもない。ただ並べたという感じ。よく、世界の名著を要約した本があるが、それに似ている。多少解説的なことが付加されている程度。途中でやめた。
投稿元:
レビューを見る
まえがき
第Ⅰ部 戦略の起源
第1章 戦略の起源1:進化
第2章 戦略の起源2:旧約聖書
第3章 戦略の起源3:古代ギリシャ
第4章 孫子とマキャベリ
第5章 サタンの戦略
第Ⅱ部 力の戦略
第6章 新たな戦略の科学
第7章 クラウゼヴィッツ
第8章 欺瞞の科学
第9章 殲滅戦略か、消耗戦略か
第10章 頭脳と腕力
第11章 間接的アプローチ
第12章 核のゲーム
第13章 非合理の合理性
第14章 ゲリラ戦
第15章 監視と情勢判断
第16章 軍事における革命
第17章 戦略の達人という神話
第Ⅲ部 下からの戦略
第18章 マルクスと労働者階級のための戦略
第19章 ゲルツェンとバクーニン
第20章 修正主義者と前衛
第21章 官僚、民主主義者、エリート
原注
索引