家康 2 不惑篇
2018/11/05 11:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっしー - この投稿者のレビュー一覧を見る
2年弱のインターバルでの待望の2巻目。三方が原の戦いに惨敗してからの建て直しから武田家滅亡までの編。古いが、NHK大河ドラマの徳川家康(滝田栄主演)の総集編で言えば、第1巻が、忍従の日々。第2巻が、戦国無常にあたります。1巻にも度々登場する、鉄砲の消耗材である鉛や硝石の供給ルートに着目した筆者の視点が慧眼。同著の「信長燃ゆ」や「与一郎」など既著の内容が随所に述べられ司馬遼や山岡荘八らが構築した家康や信長像を格段に超えた感がある。このペースだと、次巻は2020年になるのか。完結までは、長い道のりですね。
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従来の歴史史観から離れて、新しい歴史史観でみた家康の活躍を描いた本格的な長編歴史小説の2作目です。本書、不惑編では本能寺の変の直前までが著されています。前著を読んだ時にはあまり感じなかった、家康への人間味あふれる描写に段々と魅せられていき、感情移入ができるようになってきました。史実もしっかりと踏まえた上で著されているので、当時の風習や習慣なども時折読むことができ、物語に深みを加えているような感じがします。次作はまた2年後ということで、待ち遠しく思います。
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徳川家康の半生を描く歴史小説の二巻目。
三方ヶ原の大敗後から武田家滅亡までが描かれています。
大河ドラマの影響か井伊直虎や南渓和尚なども登場させたり、奥三河や遠江の状況が細かく描かれているのは満足しました。
また、信長の行動がグローバルな視点からくるものとの設定は、目の付け所が良いと思いますし、家康の理想と人間的な行動のギャップも面白いです。
ただ、せっかくの正統的な家康物語なので、表紙がしかみ像なのにそのエピソードがないことも残念ですし、お市の方の創作エピソードを入れるくらいなら、事実ではないにしろ、野田上の狙撃事件や武田家滅亡後の光秀の叱責エピソードも欲しかったです。
あと、各巻約10年ごとを描くのであれば、副題を論語で統一したほうが良いと思うので、一巻目の自立編は而立編の方が良かったのでは・・・。
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安定の面白さ、というと失礼かもしれないけど、作者の安倍龍太郎氏がノリノリで書いてる(であろう)のが伝わってくるようなグイグイ感がある。設楽ヶ原の戦いや嫡男信康の切腹など、歴史上の出来事に対しても、そこにいたる経緯や、家康自身の考え方や心の内などが納得できる内容で描かれている。第3部も楽しみ。
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本能寺の変の背景について無学だったので非常に面白かった。スペインやポルトガルの情勢を踏まえつつ、天皇、将軍の権勢を如何に移譲するか、権威のちからも借りつつ、天下を上手く治めるために何が最短か、ということを信長が考えていたのだろう。時代に捉われない感覚を持ちつつ、時代の権威を使わざるを得ない、微妙なバランスの中で革新を夢見ていたのか。
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三方ヶ原での敗戦から再起し、宿敵となった武田家との闘いを制し、武田家滅亡となり、織田信長を招いての最後の旅までを描く。
信康、築山殿の自害に至るまでも、丁寧に描いており、徳川家康の真の姿を映し出している。素晴らしい。
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「家康(二)不惑篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2018.10.25
486p ¥1,980 C0093 (2023.04.14読了)(2023.03.31借入)
【目次】
第一章 再起への道
第二章 長篠の戦い
第三章 戦の後
第四章 難敵勝頼
第五章 高天神城
第六章 信長最後の旅
☆関連図書(既読)
「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20
「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10
「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
「徳川家康」松本清張著、角川文庫、1964.01.20
「おんな城主直虎(一)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2016.11.25
「おんな城主直虎(二)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2017.03.25
「おんな城主直虎(三)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2017.06.30
「おんな城主直虎(四)」森下佳子作・豊田美加著、NHK出版、2017.09.30
「流星 お市の方(上)」永井路子著、文春文庫、1982.09.25
「流星 お市の方(下)」永井路子著、文春文庫、1982.10.25
「天と地と(上)」海音寺潮五郎著、文春文庫、2004.03.10
「天と地と(中)」海音寺潮五郎著、文春文庫、2004.03.10
「天と地と(下)」海音寺潮五郎著、文春文庫、2004.03.10
「天地人 上」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25
「天地人 下」火坂雅志著、NHK出版、2006.09.25
「下天は夢か 一」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
「下天は夢か 二」津本陽著、講談社文庫、1992.06.15
「下天は夢か 三」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
「下天は夢か 四」津本陽著、講談社文庫、1992.07.15
「下天は夢か 信長私記」津本陽著、新潮文庫、1994.09.01
「秀吉 上」堺屋太一著、日本放送出版協会、1995.12.21
「秀吉 中」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.04.30
「秀吉 下」堺屋太一著、日本放送出版協会、1996.10.12
「武田信玄 風の巻」新田次郎著、文春文庫、1975.07.25
「武田信玄 林の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.10.25
「武田信玄 火の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.11.25
「武田信玄 山の巻」新田次郎著、文春文庫、1974.12.25
(アマゾンより)
男は経済を制し、天下の為政者となる!!
家康の真の姿を描く、大河小説第二弾。
三方ヶ原の大敗。徳川家康は己の無力さを思い知った。しかし、家臣たちの結束を見た家康は奮起する。武田信玄の死を確信した家康。織田信長との同盟で宿敵、武田家との死闘、長篠の戦を迎える。そして、武田家との内通疑惑から妻子との悲しき訣別。そして盟友、信長との最期の刻……。本能寺の変が起こるまでの奮闘と新たな歴史史観を背景に、家康の真の姿を描く、大河小説第二弾。