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所有している賃貸ビルの5Fはテナントがすぐに出て行ってしまうーゴカイノカイ
雨の日にだけ現れる怪異はー学校は死の匂い
男は頭で考えて女は子宮で考えるって言うだろ?ー居酒屋脳髄談義
映研でホラーを撮ることになった。場所はいわくつきの裏山でー悲鳴
怪異がおこるスタジオで落ちぶれたカメラマンがーファインダーの向こうに
小さいころの田舎での体験がいまだに恐ろしくてーなどらきの首
の6本
短編!!!!
あらためて読みやすくて論理的な文章だなぁと感じました。
6本中一番面白かったのは「ゴカイノカイ」でした。
一番ホラーっぽいと思えた。
反対に溜飲が下がるのは「居酒屋脳髄談義」ですかね。
男上位主義の3人のサラリーマンが部下のおどおどした女性をいじめて楽しもうと議論をしかけるんです。
澤村氏の小説って「ぼぎわんが、来る」でもありましたけど、
女性蔑視の男性が出てきますね。
今時こんな人いるのかなってハテナなんですけど、
読んでて腹立たしいのは違いない。
そしてこういう男性はたいてい一刀両断(?)されることになっている。
なんだろうそういう現実が作家さんの周りに存在するのかなって邪推してしまう。
ともあれスッキリするのでヨシ!
高校生野崎さんとか真琴さんと野崎さんのはじめての出会いとか
なかなか楽しかったです。
ホラー苦手な方、これはオススメですよ!
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比嘉姉妹シリーズ四作目。
長編が読みたかったけれど、短編もいいですね。
琴子も美晴も真琴も出てきてくれて読み応えありました。
(怖さはいまいちでしたが)
「悲鳴」は琴子たちがいない?と思ったら、りぃでしたか。
こいつ本当に反省しないな。
「などらきの首」が一番好き。
自分の一部を取り返すために近しい人間に化けるって他でも読んだことあって、こういう設定がすごく好み。
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僕の個人的な好みも影響してるだろうけど、一番リーダビリティーの高いジャンルはホラーなんじゃないかと改めて思う。
先が気になって繰る手が逸る。
語りに没入する。
理解の範疇を超えたアンノウンな存在がただそこにあり
対処を間違えたことだけが浮き彫りになる。
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今回は比嘉姉妹シリーズに関係がある人たちがたくさん出てくる短編集です。短編も面白い!
あれ?誰の話だろうって思った人はあの人でした。
わかったらすごく怖かった…。
比嘉姉妹シリーズの続き気になるなぁ。
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収録6編中5編が『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』の登場人物が活躍するスピンオフ作品となる短編集。野崎と真琴の出会いや、野崎のライターとしての原点となるエピソードを描いた表題作など。
・瑕疵物件でもないのに入居者が居着かない雑居ビル5階の貸事務所。子供の痛がる声が聞こえ、さらに激しい痛みに襲われるという。万策尽きたオーナーの瀬川はある女性を紹介されるが(「ゴカイノカイ」)。比嘉真琴が登場するエピで、時系列として『ぼぎわんが、来る』のやや前辺りになる。
・雨の日に小学校の体育館に現れる、自殺した少女の幽霊。耳を塞ぎ飛び降りる様を繰り返すという。(「学校は死の匂い」)『ずうのめ人形』で登場した比嘉美晴(真琴の姉)の小学校時代の話。明かされる真相は残酷なものだが、“いい人”も一皮剥けば……という展開がこの著者は本当に巧い。
・馴染みの居酒屋の一室で後輩の女子社員をイジる3人のサラリーマン。だが、杯を重ねても顔色一つ変わらず、セクハラ紛いの難癖にも冷静かつ明確に論駁するその姿に、課長の“俺”は次第に違和感を覚え……(「居酒屋脳髄談議」)。名前は出ずとも誰が登場しているか、わかる読者には一“読”瞭然だろう。
・大学の映画同好会の自主制作映画に出演を懇願された千草。かつてその大学の女子学生が殺されたと曰く付きの場所での撮影中、トラブルが起こる(「悲鳴」)。唯一比嘉姉妹が登場しない作品。かなりミステリ寄りの一編だが、この著者、この類のオタクやマニアが本当に嫌いなんだろなw。
・怪異が起きるという貸スタジオの取材中、カメラマンが不審な様子を見せる撮影した写真を確認すると、室内を撮った写真の中にどこかの川原の風景が写ったものが混ざっていた。(「ファインダーの向こうに」)。『ぼぎわんが、来る』作中でも触れられていた、野崎と真琴の出会いのエピソードであり、『ずうのめ人形』電子書籍版の特典ということで、そちらの人物も登場。怖さはなく、切なく、ほろ苦くも微笑ましい一編(特に『ずうのめ~』読了後だとなおさらに)。
・祖父母の家の近くにある洞窟。そこには“などらき”という化物が棲み、刎ね落とされた首を求め彷徨っているという。かつてそこで体験した恐ろしく不可解な体験を僕から聞いた高校の同級生野崎は、そこを調べ謎を解き明かすと僕を強引に連れ出す(「などらきの首」)。高校時代の野崎の姿が同級生の目から語られる表題作。超自然的に思われた怪異や存在が合理的に空かされるミステリ仕立て……と思わせといて(以下略)。
『ずうのめ人形』読了後に続けて読んだことで更に楽しめた感はある。比嘉姉妹は各々魅力的だが、美晴が過去編のみにしか登場できないのがやや残念。最強の長女(琴子)が謎の多いキャラだけに、真琴以外の妹たちの目を通してその人物像を明らかにしていく方法もあったろうな、と。否、琴子は謎の多い人物のままだからこそ、一層魅力的なのかも。
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後味スッキリしない話もあるけど、楽しく読めた。
比嘉姉妹というより、比嘉家の話が読みたい。一体、どんな家系なんだろう…
戸波さんが出てきて、懐かしくなった。
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ぼぎわんの比嘉姉妹達が登場する短編集です。
『ぼきわん』と『ずうのめ』は既読なのですが時間が経ったら内容がうろ覚えになってしまって
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「ぼぎわん〜」「ずうのめ〜」で出てきた人物がひょこっと出てきたり、過去の野崎や比嘉姉妹たちのエピソードなど。
前作から少し間を置いてしまった為、早速失念箇所が幾つか…(^_^;)
(「悲鳴」の登場人物りーたんに関しては、全く判らずレビュアーさん達の感想などを参考にさせていただいた。りーたん…ちょっと細か過ぎて分からなかった。)
ほんわかしたかと思ったり、ゾワっと怖ろしくなったり…様々な印象。
表題作「などらきの首」は怖い。。
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2020年8月23日読了。
・
『ぼぎわんが、来る』『ずうのめ人形』に続く比嘉姉妹シリーズ、初の短編集。
・
『ゴカイノカイ』
あるビルの5階にある貸事務所。
他の階は全て埋まっているというのに5階だけが入居者に短い期間で解約されてしまう。
その理由は、夜になると「痛い、痛い」と子供の声がするかららしい。さらに聞いているうちに自分まで痛みを感じるようになるという。
困ったオーナーは『ヒガマコト』という霊能者に依頼するのだが。
・
『学校は死の匂い』
市立三ツ角小学校には雨の降る日、体育館に白い少女の霊が現れるという噂があった。
実際に目撃したという女の子が、霊感のあるクラスメイト『比嘉美晴』に相談。
調べ始めた美晴は、雨の日の体育館でごん、という音とともに床に転がった状態で現れた少女の霊と遭遇する。
少女は立ち上がり、耳に手を当てた姿勢で何かを呟きながらキャットウォークを目指して歩き始める。
そしてキャットウォークから飛び降り、床に叩きつけられて消えた。
雨が降るたびに、これを繰り返す少女の霊。
美晴は彼女の死の真相を探り始める。
・
『居酒屋脳髄談義』
ある会社の課長が男性部下2人と女性部下1人と居酒屋『夢野屋』でいつものように飲んでいる。
極度の男尊女卑思考を持ったこの男性3人は、毎度下品極まりないセクハラ・パワハラ紛いの言葉で女性部下をいじり倒し酒の肴にしていた。
いつもは伏し目がちで、何をやっても失敗ばかり、どんな暴言を投げられても笑うだけしか出来ない女性部下なのだが、今日はなんだか様子が違う。
やけに堂々として、理路整然と話をするは、皮肉までも口にしてこちらを挑発してくる素ぶりまで見せてくる。
そちらがその気なら挑発に乗って、叩きのめしてやると意気込んだ課長だったのだが…。
・
『悲鳴』
大学の映画同好会・実質『ホラー映画同好会』が自主制作する映画に出演して欲しいと頼まれた女性目線の話。
映画製作メンバーの中に一人、30過ぎの風貌をしたやけに偉そうな太った男がいる。
聞くところによると映画同好会の厄介なOBだという。
大学で流れる七不思議のような噂で、キャンパスの近くの山で女性が殺されており、その山に入った人は女性の悲鳴が聞こえたり霊に追いかけられるという話が存在していた。
撮影でその山に入った事もあり、話になぞらえてドッキリを仕掛け、まんまと厄介なOBに一泡吹かせて盛り上がっていたメンバーだったのだが…
翌週、その山の山頂で首を絞められてOBが殺されていた。
一体犯人は…霊の仕業かそれとも…
・
『ファインダーの向こうに』
オカルト雑誌『月刊ブルシット』の周防とオカルトライター・野崎、カメラマンの明神は怪現象が観測されるという、とあるスタジオに撮影に訪れていた。
ある一室の写真を撮ろうとすると
かたん
クローゼットの内側から音がする。
ゆっくりとクローゼットを開けて、カメラのシャッターを切る。
ファインダーを覗いたカメラマンが「うっ」と体をのけぞらす。
そして、
すとん
と目の前で音がして、今まで何もなかった床に一冊の本が。
『絶叫!恐怖の心霊写真集3』なんでこんな本が突然?
後日、写真データを確認するとクローゼットの中を取ったはずの画像に写っていたのは、どこかの川原の風景写真だった。
謎は深まるばかり、周防は編集長の戸波に相談すると「霊能者に見てもらえ」と新しく知り合った霊能者を紹介される。
周防と野崎は紹介された霊能者・『比嘉真琴』に話を持ちかける。
・
『などらきの首』
高校生の寺西は同級生の野崎と祖父母の家に訪れていた。
泊まり込みで受験勉強をするという名目だが、実際の理由は寺西が幼い頃に体験した、奇怪な出来事の真相を明らかにする為だった。
・
祖父母の家から山を1つ越えた所に、狭く深い洞窟がある。
そこには『などらきの首』が祀ってあるのだという。
祖父の話では、などらきとはこの地方に住んでいたとされる化け物で、触られるとぶつぶつが出来て死ぬ、息を吹きかけられると肺が腐って死ぬと言われていて、多くの人間が犠牲になったらしい。
ある時1人の侍が来て、などらきの首を刎ね飛ばし、その首を石筍に刺して祀ったのだという。
その際、胴体だけが山へ逃げて行ったのだが、たまに首を取り戻しに洞窟に現れるのだそうだ。
もし鉢合わせたら最後、首を千切られて持っていかれてしまう。だから絶対にあの洞窟へは近づいてはいけない。
・
その言い伝えを小さい時から聞かされていた寺西だったが、いとこに無理矢理洞窟へ連れて行かれ、そこでなどらきの首が本当に祀られているのを発見する。
・
それから数年後、またしてもいとこに無理矢理連れて行かれた洞窟で、そこにあったはずの首が消えて無くなっていた。
まさか本当に体が首を取り戻しにきたのだろうか?
怖くなった2人は全力で洞窟を飛び出し逃げ帰った。
・
高校生になった今もその恐怖が消えない寺西は、この手の話に興味を示す野崎とともに、この怪現象の真相を解き明かそうとする。
・
・
真琴・美晴・琴子の幼い頃の話や、高校生時代の野崎、真琴と野崎の出会いなど
比嘉姉妹シリーズの番外編・スピンオフ的な位置付けの作品。
・
『ぼぎわん』・『ずうのめ』を読んでからの読了だったので、この人がここに出てきた!とか、『悲鳴』のあの人がまさかのあの人だった!とか楽しめる部分があるけれど、
いきなりこの作品から見たら分からない事がたくさんあるだろうな。
・
過去2作の長編が面白かっただけに、短編はなんだが物足りなくて少し残念。
『ししりばの家』に期待!
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短編なのでさらっとお手軽に読むことができて楽しめる一冊。
真琴と野崎の出会いのきっかけの話が読めて嬉しかった!
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三姉妹それぞれの性格が表れている。
お姉ちゃんは厳しいけど、厳しいだけじゃないのよね。
でもそれはなかなか伝わらない。そういうのは苦手のようだ。
居酒屋でくだまいてる人間より、鬼さんの方が清々しく感じられてしまう。
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比嘉姉妹シリーズのファンなので純粋に登場人物達の過去が知られて面白かった。特に真琴と野崎の出会いは。
月間ブルシット編集部の面々が好き(特に戸波さん)なので、戸波さんが生きてた時の過去編をもう少し知りたいと思った。琴子の過去ももっと知りたい。
個人的になどらきは首を取り戻した後にどうなったのか知りたくなった。
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面白い!
『ぼぎわん』から少し空いて、『ずうのめ』『ししりば』と読んでの今作、短編と侮っていたが(悪い癖…)個人的には一作を除いてはどれも秀作!
いや、『ファインダー…』はもはや傑作でした!
とは言え、
昭和鬼太郎世代のわたしには、この方の書かれる怪異はいわゆる心霊、幽霊の類いのようにヒトから派生したものより、人あらざるモノ…妖怪、或いはもののけといった様な化け物達が跋扈するお話しの方がより一層楽しめる!
今後ともこのシリーズで、新たな怪異どもとあの姉妹たちの熾烈を極める攻防に期待!
あっと、忘れてはならぬ野崎さんもね!
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短編集なのでシリーズ本編に比べたら展開はありませんが過去作のキャラが大集合するので満足です。
個人的には「ずうのめ人形」のあの女に会えたので満足です
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【収録作品】ゴカイノカイ/学校は死の匂い/居酒屋脳髄談義/悲鳴/ファインダーの向こうに/などらきの首
怖いのは「などらきの首」。「学校は…」は天網恢々。「居酒屋脳髄談義」は小気味いい。「ファインダーの…」はほのぼの系。「悲鳴」は中途半端だと思ったが、彼女が出ているのか…。