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投稿者:はる - この投稿者のレビュー一覧を見る
人を傷つけてしまうかもという恐怖に悩まされる中学3年の理子が主人公。
ある出来事がきっかけで一人の少年と殺人計画を作る物語です。
前作がかなり面白かったので読みましたが、とても引き込まれあっという間に読めました。
物語の多面的な進行と先を読ませぬ展開は逸木先生ならではの小説でしょう。
ミステリーとして読むとオチは鼻で笑ってしまうものですが、ヒントはありまして”そーきたか”って感じです。
読了感もいいしテンポが最高で終始ハラハラします。
エンターテイメント性がある面白い作品です。
(三省堂にて購入)
【不満点】
不満点を探るとボロボロでます。
しかしそれを補って余りあるほどのストーリー展開でした。
1.ミステリーとして弱い。事件性と伏線はあってないようなもん。
2.根幹にあった事件と主人公の病気が上手く落とせていない。
3.物語のリアリティが薄く、序盤に入り込めないところがある。
4.ボードゲームは必要だったのか?
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加害恐怖症の中3女子と、そのきっかけになった少女の弟の、交換殺人計画。
うーん、こわいなぁ。中学3年生で毎晩誰かを殺す場面をノートに綴る女の子。こわいけど、つらい。そこまでしないと自分の衝動を抑えられない(と思っている)。
その不安定さを増長させているのが家族、っていうのもつらい。
けど、読んでいるうちに主人公は中3じゃなく、高3だと勘違いしてしまっていた。きっかけとなった「事故」からそれくらい経ってる、それくらい長くとらわれていたのではってのもあるけど、中3にしては主人公も、周りの友だちも落ち着いているからかも。
最近の中3はこんなにオトナなのね。
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前作「虹を待つ彼女」が意外に面白かったので、手に取った一冊。
小学生の時に、同級生を殺してしまったと思い込んだことから「加害恐怖症」に思い悩む中学3年生の主人公・理子。
またいつか誰かをころしてしまうのかもしれない、自分の兄はホームレスの殺人犯かもれしない…そんなことばかりを考えている中学3年生実在するだろうか?
あまりにも現実味がない内容で、最後まで何が伝えたかったのか、よく分からなかった。
「ボー研」のところの描写だけが、学生時代に部活を忘れ、ゲームに熱中していたことを思い出させてくれて、ホッとした。
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主人公の理子の心情に沿う物語。殺人をするかもしれないという「自分の心の障がい(加害恐怖症)」と付き合いながら生きていく理子の周りで起こった事件の結末に、もう一捻り欲しいと感じた。
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過去の出来事から加害恐怖を抱え、周りの人間を殺害する妄想を書き綴る少女。そして父親の暴力に苦しめられる少年。二人で立てる完全犯罪の計画と、周りで起こる事件と疑惑。全体的にひりひりとした痛々しさを感じさせられる物語でした。感情移入して読めば読むほどつらく、だけれど読む手は止められません。ただし、読み終わった後の印象はそれほどひどくもなかったかな。完全にハッピーエンドでもないのですが。
過去の「事件」の真相はまあわかったけれど(ミステリ読みなら「それはない!」って思うよなあ)。そういう動機だっただなんて。分からないでもないけれど、それが主人公にあれほどの傷を残してしまったとなると……ひどい。しかし結局はあの子もあの子も被害者だったのだなあ、と切なくなりました。
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【所在・貸出状況を見る】 https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/207071
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強迫観念・加害症を持つ女子のお話。彼女の心の動き、しっかり伝わってきた。殺人とか結構しんどい内容なんだけれど、うまくまとまってるし、スススッと読めた。思ってたよりも良かった。
それにしても。現代の中学生の一部分なのか、そういった症状の独特の考えなのか。自分がもう少し(もっと?)若ければ、違った風に受け取ったかなあ。
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友達を殺してしまったと加害恐怖症に苦しむ少女理子は、人を殺す妄想を日記に書き続けていた。こんな大きな闇を抱えて生きているってなんてしんどいことだろう。
理子と悠人の家庭がもっとまともだったら、普通に中学生生活を送っていられたのに。
少し光の見えるエンディングにホッとした。
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○自分の感情と事件とのはざまで、理子は何を考える。ある少女の成長譚
家族の中でも学校の中でも孤独。誰も自分のことを真に気にかけてくれる人はいない。
そんな中であった悠人に告白されたのは、「姉のことを殺したね」。そして「父を殺してくれないか」という殺人計画を持ちかけられる。
混乱する理子、そして次々と巻き起こる事件。不審な兄の動きと突き放す母、悠人の父親や学校の不良少年少女にも目をつけられ・・・
物騒な中学生の友人にしでかした行為は取り返せず理子の心に残り続ける。
その影響が加害恐怖という形で表現され、ありもしない殺人風景を見続ける。そんな中"夜の日記"を書くことで暴露療法(エクスポージャー)の役割を果たす。その日記にはたくさんの身の回りの人への殺人が書かれている。もちろん実行するわけではない。しかしそれが周りにバレたときの威力は計り知れない。見たくもない妄想が書かれているのだから。
誰かを守る健気な殺人計画に僕らは胸打たれる。
向き合い続けたしるしは、きっと無くならないのだ。
ミステリーだけど、ある少女の成長譚だ。
論理と感情を使い分けていてどこか大人びた、でも中学生である初々しさが、読んでてとても楽しかったし、グイグイ引き込まれていきました。
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12/06/2017 読了。
図書館から。
前回の話のが好み。
淡々と淡々と暗めな感じ。
でも、続きは気になるから
さくさく読んでしまう。
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前作もそうでしたが、タイトルも設定も好きなのですが、真相に向けてどうにも好みから外れてしまう印象。そんな好みの問題を外して考えれば、なんとも丁寧で、伏線回収も美しく上質なミステリ作品です。 人を傷つけてしまうかも知れないという強迫観念に悩まされている主人公、理子。彼女は殺人計画を練ることで心を落ち着けていました。しかしその秘密が悠人にバレてしまい、彼の父親殺しを手伝う羽目になります。 理詰めで倫理感さえも吹き飛ぶような論理展開は読了後、テーマについてそして二人について考えてしまう作品です。
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筆者の2冊目の小説。処女作の「虹を待つ彼女」も良かったが、本作も秀作。キャラクターが立っており、ストリーテリング・構成も考え抜かれている。
「虹を待つ彼女」はAIをメインにした話だったが、本作はトラウマを抱えた女子中学生の内面を描いたもの。
同級生・加奈子の死により心に傷を負い、その為、常に人を殺すことを考えることで心の平穏を得ている女子中学生・理子。
理子は加奈子の弟で父親から虐待を受けているという悠人から「父親を殺してほしい」という依頼される。
ストーリー的には人が死ぬところを見たいと考えている女子高校生らを主人公にした湊かなえの『少女』と最低な養父を殺そうと考える高校生を主人公にした貴志雄介の『青の炎』を混ぜ合わせたような内容だが、本作はもっと前向きになれる内容。
筆者の処女作も本作も、根底に「少女と死(自殺・自死・殺人」というものが潜んでいる。
イラストレーターloundraw氏による本書の主人公を描いた「儚く見えながらも毅然とした強さを感じさせられる透明感のある少女」のカバーイラストも秀逸。
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加害恐怖の療法として身近な人間の殺害計画を日記に綴り心を落ち着けている、うつの母親に代わり料理をし教師の兄も加えた三人暮らしの中三の理子と、過去、後輩の父親の殺害計画、兄のホームレス連続殺人事件犯疑惑。親友やボードゲーム研究会によりクラスでの孤立に囚われない理子が良い。密やかな激情に引き込まれた。
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逸木裕『少女は夜を綴らない』他人を傷つける妄想に苛まれる少女。暴露治療の「殺人ノート」に記したとおりの事件が起こり、彼女の日常はその危うい均衡を失う。物語が進むにしたがって緊張感は鋭さを増し、まったく目が離せず、息苦しいほどだ。文章がとにかく上手なうえ、構成も美しい。
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うーん判断が難しい。一気読みするくらい面白い内容だけど、正直終わり方がちょっと歩に落ちないから評価しづらい。なんというか、ハッピーエンドが無理やりすぎる。昔クラスメートを殺したことがあるとか、また違う人を計画的に殺そうとしたとか告白して、「センスないなー、一緒にボードゲームしようぜ」なんてならないよー。
私の心が狭いのー?
この手の本なら、辻村深月のオーダーメイド殺人クラブがオススメです。