シャーロックホームズではないかも
2016/03/19 23:53
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投稿者:壽 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の内容自体は映像的で面白かったと思いましたが、パスティーシュとしてはどうかなぁと感じました。シャーロックホームズとしての本って大衆的であることがいいんですよね。読み進むうちにわくわく感が薄れていき、ウメザキのあたりで止まってしまい他の本を読んでしまいました。その後再開しました。
帯、ダメでしょこれ……
2016/02/28 21:29
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投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここの紹介ページにも出ちゃってますけど、その事件は本の半分以降に出てくる出来事なので、書かないでほしいなぁ。
老齢のホームズを、痛々しいと見るか、それでも楽しめるか。
私は著者が色々意欲的に試みているのはわかるけど、やはり楽しめはしなかったです。
日本のシーンが無駄に(!?)リアリティあふれています。著者に日本在住歴があるそうです。
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引退した名探偵シャーロック・ホームズ。養蜂を営み過ごす日々。使用人のマンロー夫人の息子・ロジャーとの交流。ウメザキ・タミキの招きを受け敗戦直後の日本へ。ロジャーが見つけたホームズの書いた過去の事件の物語。1902年シャーロック・ホームズの元を訪れた依頼人トーマス・ケラー。流産のショックを受けた夫人の行動に不振を覚えたケラー。夫人の習っていたグラス・アルモニカ。書店に消える夫人。変装したホームズの捜査。1947年の広島。ウメザキが日本にホームズを招待した理由。帰国したホームズ。ロジャー少年の悲劇。
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私は全くシャーロキアンではないが、なんとなく本屋で見つけて手に取った。
ホームズが人間として描かれていて、ある種重苦しさもある一方で人間味を感じる。老いに抗う姿、自尊心を保とうとする姿、保身のために動いたり、迷う姿…
戦後の日本を描く場面も、イギリス人が筆をとったとは思えない緻密さで、感心した。
シャーロックホームズらしい気難しさも上手に描写されていると思う。自分の子供や孫のような人物との交流、養蜂家として、蜂に愛情を注ぐホームズもが、目の前に広がるような生き生きとした筆使いで表され、世界に引き込まれた。
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90歳を超えた、引退名探偵ホームズの物語。戦後の広島を訪れたり、自作の事件簿の話だったりと、正典と関係しながらも、ホームズのその後を描く。馬鹿面白いというわけでもなかったが。
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ホームズが日本へ来てニホンミツバチを手に入れ、今や田舎で養蜂家となっている。
そんな設定のホームズパロディー物。
パロディーというと、何だか違うような気もするけど、
ワトソン君の登場しないホームズ物は、ちょっとつまらない。
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シャーロック・ホームズが読書への入口だったという人は少なからずいるだろう。ご多分に漏れず自分もその一人だが、考えてみれば少年の心を惹き付けたのは快刀乱麻のような展開なのであって、それは言うなれば少々手の込んだ謎なぞを解くような面白さであったのかと、振り返ってみて思う。もちろんシャーロキアンのように文献として読み解くその世界観や事実関係等を歴史に照らし合わせて面白がることに興味がない訳ではないけれど、後年読み返してみて、かつて味わったようなわくわくした気持ちになることはなかったというのも事実だ。つまり、自分自身としてはシャーロキアンになり損ねたという忸怩たる思いがどこかしらあって、出版されている数多くのパスティーシュやオマージュには中々手が伸びないのだ。それなのに本書を手に取ったのは表紙に描かれた老いた姿の探偵のせいだ。人間としてのシャーロック・ホームズを読んでみたい、「あの」シャーロック・ホームズがどんな晩年を迎えたのか「知りたい」という気持ちを抑えれなかったのだ。それがたとえ空想の世界であるとしても。
宮仕えをするものとして、他人にいい様に使われる経験をしたことのないものはほとんどいないだろう。如何にも自分にしか任せられないというように頼まれれば多少は虚栄心のようなものも満たされ、張り切って頼まれ仕事をこなしてしまう。しかし長年勤めていれば解ることだが究極的に自分でなければ出来ない仕事などない。誰かが居なくなればその空いた空間と役割を他の誰かが埋めるだけのことである。特に、社交性が不足していてねばねばとした人との繋がりを忌避しがちなある意味純粋なタイプの人間は使い捨てにされ勝ちだ。よく考えてみれば、シャーロック・ホームズはそんな使い捨てにされ易い典型的な人物だ。田舎に隠遁し養蜂を営むことにすればカントリージェントルマンを理想とする英国人なら大団円だろうとコナン・ドイルは考えたのだろうけれど、そこで人と交わることも無く忘れ去られたように暮らすことはハッピーエンドからは程遠い。そこに着目したミッチ・カリンが、人間味溢れるシャーロック・ホームズを掘り下げる物語に思わす引き込まれる。
技術者という妙ちきりんな肩書きを背負って生きて来た身としては、何となくシャーロック・ホームズの悲哀が解るような気がする。純粋であろうとすれば他人の思惑は排除し原因と結果のみに神経を集中する。つまりはどこまで行っても孤独な思考であることが前提だ。しかし利用する側は答えさえ得られればそれでよい。答えを出したのが人であろうと機械であろうと関係はない。答えを出した後の存在など知ったことではない。慇懃無礼なそんな態度を目の当たりにして技術者は何を言い返せるだろう。老いたシャーロック・ホームズの心中に去来するのはそんな思いではないだろうか、と。
老いが覆い隠すものがある一方で、老いがつまびらかにしてしまうものもある。記憶は気紛れに意識の水面に浮いたかと思えば、待ったところで浮き上がって来ないこともある。そんな風に過去の自分と対峙することの理不尽さ。それは名探偵と言えども避けようがない。そのことを巧みに描いた一冊。
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欧米の作家の描くファンタジィちっくな日本は割と好きなのですが、なんとこれは戦後間もなくですよ、そこをホームズが歩いている、それだけでもうファンタジィですよ。
そして、外国人作家の描いた原爆、広島、というものも初めてみたので、それをホームズが眺めているわけで、もう事件ですよこれわ。
映画の予告見ると、日本部分はなかったので、どうなるのか、と楽しみで仕方ありません。いえ、もうできてるんでしょうが、昭和20年代の日本の外連味ぽさとかあればいいのにな!と思います。
雰囲気の完成度では「最後の解決」が好きなのですが、こちらはやはり日本部分が嬉しく、あといきなり現れる霊性の女性というのも、あまりみないな、と。幻想小説ではよくあるのでしょうか。
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日本が舞台のホームズパスティーシュなんて…そんなの…見るしかないじゃないの…←
老化予防に効果があるとされるロイヤルゼリーの研究と摂取に余念がないホームズも、御年93歳(!)。
マインドパレスから情報を引き出す能力は衰え、歩行も杖を使って歩くのがやっと。盟友ワトソンや兄マイクロフト、レストレードやハドソン夫人は既に鬼籍に入り、言葉を交わすのは彼の面倒を見る家政婦とその息子のみ…。
うーん、何かすごく哀愁漂う余生ですね…すごくシャーロック・ホームズ「らしい」余生の描写が寂しくも感心頻りだったのですが、一番読んでて切なかったのは、かつての明晰な頭脳の衰えを自覚して焦る彼の姿でした。
最近読んだ他のパスティーシュが現役当時でバリバリ活躍してた頃の作品だったから、余計に感じたのかなー(T_T)
「ワトソン君とはジョン、シャーロックと呼び合う仲だった」っていう告白に関してはちょっと唐突だった気がする。BBC版を意識したのかなとゲスな勘繰りをしてしまいました←
日本のエピソードの必要性はあったのか…?とも思ったけど、ロイヤルゼリーの研究に余念がない、遠い異国の地に行くことを辞さない彼の「老い」への抵抗を語るエピソードとしては最適なのかな(今思った←)。
それにしても、日本の描写がかなり違和感なかったのにはビックリ!この辺は映画で観るのが楽しみだな〜( ^ω^ )
でも、アルモニカのくだりのホームズの淡い思慕に関しては、とってつけた感があるような気がしました。
老ホームズと彼に憧れる利発な少年との交流パートがすごく好きなんですが、帯や内容紹介で少年を襲う悲劇がネタバレしちゃってるのはどうなのかなーと思いました。
この部分が本筋ではないし、「その後」のホームズの心の変化にフォーカスしてるのは分かりますが、ミステリスキーとしては「何でそこネタバレしちゃうのん(°_°)」と思ってしまったのでありました。
上でもちょっと書いちゃいましたが、内容まとめ〜( ^ω^ )Φ
探偵職を引退後、サセックスの農場で養蜂の研究をしながら、家政婦とその息子と共に静かな余生を過ごしていたホームズ。
戦後間もない日本を訪れた時の思い出。
手記に綴られた「グラス・アルモニカ事件」の記録。
そして、探偵の過去の活躍譚に胸躍らせる少年を襲った悲劇…。
三つの物語が交錯しながら紡がれる、ホームズ最後の事件。
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3つのストーリーが時間を越え並行して進行して行きながらシャーロック・ホームズの晩年の活躍を描き出した。
帯にある一言は確かにあれはナシ!!
コナン・ドイルの描いたシャーロックと違うなぁヤッパリって思うのは年齢の事だけじゃなく人間味のアクが強すぎってことなのかも。イイことだけどね。
戦後の日本の描写が妙に鮮やか過ぎてこれは本当に翻訳モノ?とうたがってしまう。日本でのビジネスを意識しすぎてる!と穿った見方、つい してしまいのはなぜ?
映画化とのこと!あれこれ楽しみにしてていいなかな。
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アメリカの作家ミッチ・カリン、2005年発表の小説。シャーロック・ホームズを主人公にした小説。
原作者コナン・ドイル以外の人が書いたホームズものには全く興味なかったのですが、偶々図書館で本書を手に取ってみたら、設定がなかなか興味深かったので借りてみました。読んでみて、しかし、かなり微妙な作品、と思わざるを得ませんでしたが・・・。
93歳のホームズが主人公。第二次大戦直後の占領下の日本を訪れての旅から帰った所から始まる物語り、という設定にまず惹かれました。
探偵業からは50年くらい前に引退、以来田舎に隠遁して養蜂と著述のみの生活を送っているというホームズ、自身の衰えを痛感しながらも、家政婦やホームズを信奉している家政婦の息子の少年の手助けを得て日々を送っています。
タイトルに「名探偵最後の事件」とありますが事故は起きるものの、犯罪は起きません。ミステリー要素は皆無。過去の事件や日本への旅の回想を挟みながら、ひたすら孤独な老人の哀感が綴られていくだけの物語り。
純文学的な味わいはあるものの、私はあまり面白みを感じなくて、かなり飛ばしながら読んでしまいました。ホームズ好きに向けた変わり種、という所なのでしょうか・・・。
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どうにも接点がわからないまま、淡々と進む。劇的な事件がないならば、ユーモアの要素がないと読み続けるのが苦しくなる。映画化されていたとは知らなかった。
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ホームズのパロディ本。世界観は悪くないんだけど、事件がどれも面白くなくてホームズらしくないのが残念かな。
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なぜウメザキ・マツダ・・・・。
良書っぽいのに、最初の人物紹介のところで脱力した。
日本人のアドヴァイザーはいなかったのか?
2015-12-15読了。
結局、ウメザキの父については謎のまま終わった。
えーーーーーーー。
それ以外の謎(ロジャーの死因、ケラー夫人が店から消えた謎)は納得できたが、ウメザキ・マツダについては「それでいいのか?」と不満が残った。
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ミステリとはいうものの、謎解きよりも、人間の老いとか、死とか、別れること、手放すことについて静かに静かに描かれている小説で、そういう意味ではとても好きだった。ただ、ロジャーのくだりが悲痛でつらい~。ミッチ・カリンが少年時代に交友のあったシャーロキアン、ジョン・ベネット・ショーの思い出に捧げた本でもある。From Holmes to Sherlock(『〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ』)という本にそのあたりのことがかなり詳しく記されているので、おすすめ。