バラエティに富んだ七話
2022/10/29 10:09
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投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
いきなり犯人の犯行場面から始まる古畑任三郎パターンや、推理クイズみたいな流れだったり、はたまた男女探偵コンビ物になったりと話毎に毛色が違っていて面白かった。
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大学の男子寮で殺人事件が発生。犯行時刻に外部からの侵入者はいなく、すべての寮生にはアリバイがあった―「有罪としての不在」や、“水難”とは何を示すか見きわめると、犯人がわかる?「水難の夜」など、さすらいの名探偵・信濃譲二が奇想天外な難事件の謎を見事な推理で解決する七つの傑作短編に幻の未収録作品「マルムシ」を加えた試みと驚きに満ちた傑作ミステリー八編。
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名探偵信濃譲二の活躍を描いた短編集。
どの作品も見事な仕掛けと信濃の推理に唸らされました。
「有罪としての不在」は特に素晴らしかったです。
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信濃譲二が探偵役の短編集。
これ、やっぱり前に一回は読んでるな・・・
いわゆる新本格ってやつで、どれも良くできてるなって思った。
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信濃譲二シリーズ短編集
「~家の殺人」に出ていた信濃譲二が学生のときの話
「ドア⇄ドア」
同アパートの住人を衝動的に自室で殺害してしまった男が
証拠隠滅のため死体を被害者宅に運び、玄関のドアを交換する。
「幽霊病棟」
廃墟となった病院に死体を隠した男が落とした財布と取りに戻ると
死体が別の場所に移動しており、学生達が肝試しをしていた。
「烏勧請」
ゴミ屋敷に住む主婦がベランダで死体となって、カラスにつつかれ発見される。
被害者は旦那の浮気が発覚してから、急にゴミを集めはじめたらしい。
「有罪としての不在」
学生寮で殺人事件が発生。容疑者は寮内にいた人物と特定された。
元カノの嫉妬が原因かと思われたが、更に別の場所で今カノの死体が発見される。
「水難の夜」
雨の中ピザをデリバリーした男A。 配達先で倒れた男女を発見する。
女は死んでいたが男はまだ息があり病院へ搬送される中、警察は男Aに話しを聞く。
「W=mgh」
早朝の住宅街のゴミ捨て場で女性の死体が発見され、死亡推定時刻が確定されるが
その数時間後に、「小さく前へならえ」で道路を走る被害者が目撃される。
「阿闍梨天空死譚」
新興宗教で使用される巨大な塔の中腹に、餓死した男が縛られた状態で発見される。
その塔にハシゴはなくクレーン等が近くに侵入した形跡もない密室状態だった。
「マルムシ」
大学の教授が殺害される。死体のそばにはカードが散らばっていた。
そのカードを束にしたら、側面に「マルムシ」とダイイングメッセージが書かれていた。
≪感想≫
すべて偶然そこに信濃譲二が居合わせ事件を解決する
どの話も無駄なくちゃんとした推理もので、「有罪としての不在」は読者への挑戦状付き!とても面白かった。
巻末著者あとがきにより、信濃譲二シリーズはこれで終わりとのことで非常に残念。
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増補版として未収録だった作品を追加しての
新たなな文庫化。ご本人もあとがきで触れていますが
この放浪探偵の「信濃譲二」シリーズは今後一切
書かないとの事で、シリーズとして完全に
完結しているんですね。その当時に「動く家〜」を
読んだだけなので、今回改めてこの「信濃譲二」
シリーズに触れられた事が新鮮。
なぜだか分からないけれど、イマイチ探偵役の
信濃ではなく、その信濃に愚弄(?)される警察や
関係者や、そして犯人側に同情に近い感情を抱いて
しまうという不思議な探偵。事件が彼を招くのか、
彼が事件を呼ぶのか、何故か事件周辺にいつも
彼がいて、皮肉混じりに事件をサラリと解決して
しまうのですが、解決の余韻自体はさほど、
いいものではないところが、このシリーズ。
ひいては歌野作品の面白いところなのかもしれません。
中短編とはいえ、本格派な内容でそのトリックや
事件のプロセスなどは長編に劣るものではない今作。
もう読めない「信濃譲二」という変わった探偵の
事件簿としてミステリ界に残しておいて欲しいなーと。
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8つの短編が入っているが、どれもがミステリーの体裁を整えながらも一捻りある。
とくに、有罪としての不在は、今までにない感じ。
家シリーズは、登場人物のキャラクターが薄いことが気になったが、これはその点も満足。
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短編7編+未収録作品1編の信濃譲二シリーズ完結版。
信濃譲二の家シリーズは読んだことがないので、読んでみようかなぁと思うような探偵ぶりだった。
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+++
なぜ死体は動いたのか?殺人者が犯した、たった一つの過ちとは?「家シリーズ」の名探偵・信濃譲二が奇想天外な難事件の謎を見事な推理で解決する七つの短編に、幻の未収録作品「マルムシ」を加えた試みと驚きに満ちた傑作ミステリー八編。
+++
いつも違う職業、違う身分で事件関係者の近くにいる、まさに神出鬼没の信濃譲二である。黄色いタンクトップにビーチサンダルという格好でどこにでもいつの季節にも現れるのも彼らしい(のか?)。本質というか実体がなかなかつかめない信濃譲二であるが、その観察眼と着目、そして想像力と推理力は折り紙付である。それぞれまったく異なる趣の殺人事件だが、信濃譲二の手にかかればなにほどのこともない、ように見える。あとがきに書かれているようにある理由によりいままで発表されなかった「マルムシ」もあれこれ動機を想いながら読んだ。中身の詰まった一冊である。
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期待せずに読んだけど
意外にバラエティに富んでいて、
しかも謎の具合がちょうどよくて
挑戦状タイプもあって、
楽しめた。
信濃譲二ってシリーズキャラクターだったんだ~
このキャラ風変りで、性格悪そうなところが魅力的^^
最後に収められているお話は
名探偵コナンファンの私はタイトルだけで
犯人わかった(汗)コナンでつかわれているトリックが
他の話にも出てきて・・・
どっちが先かとかパクッたとか、そういうの気にしない私は
あ~これこれ、って楽しめました。
密室殺人ゲームシリーズがちょっとキツい私には
これくらいがちょうど良いな・・・。
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本格系にしては肩ひじ張らず、気軽に読める短編集でした。
歌野氏もこんな素直な作品を書くんですね。
第1編の途中までは完全にわき役だと思っていた信濃譲二が、実はシリーズ化されている探偵だっととは意外でした。
今まで読んでいなかったので、トライしてみようかな。
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どのお話もひとひねりあって悪くはなかったのですが、私はあまり好きじゃないかなぁ…
安楽椅子探偵的な、上から物を見ている雰囲気も好きじゃないし、発言や人となりもちょっぴり鼻に付く。
やっぱり、私は探偵役の人柄が好きになれなかった感じです。
話の中身も、短編の中で奇をてらっているので、他の要素がなおざりになっている感じ…
あと、一点集中型なので、その謎やトリックが読めてしまうと、あとはとにかく冗長に感じてしまうのも弊害かもです。
唯一、「水難の夜」は面白かった!
嬉しいびっくりで、私が歌野作品を好きになったのはこういうところ!という感じです。
ひとつひとつの仕掛けやトリックは面白そうな気もしたので、残念です。
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信濃譲二シリーズの中短編集。一つ一つが手軽に読めるが、短い故にアイディアが詰まっており読み終えた時の満足感が大きかった。水難の夜と有罪としての不在の二編がオススメ。
推理後の犯人や解決に立ち会った語り手の心情描写の上手さが作者の持ち味だと感じます。
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読者挑戦ものの短編集です。純粋な本格ものから倒錯、叙述トリックなど、バラエティーに富んでいてお得感があります。はずれがなくどれも高水準です。
個人的には【ドア⇔ドア】【有罪としての不在】【水難の夜】が面白かったです。特に【有罪としての不在】は、タイトルの意味、プロット、ロジカルな推理と三拍子揃った傑作だと思います。
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「有罪という不在」は、トリックの中身が濃くてけっこう個人好み。
ただ、餓死は想像するとちょっと…(個人的には)