紙の本
海の地政学
2019/02/20 23:25
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカ海軍の7つの海洋での戦略の考え方が良くわかりました。単に武力を行使しようとしているのではなく世界の均衡を考えバランスを保ちながらいかにアメリカ、同盟国等の利益や権益を守っているのか考え方がわかり新聞を読むときの見方が変わりました。
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オーソドックスな海の地政学。
著者がアメリカ海軍の船乗りであったために、重要拠点となる港や海洋の経験による描写が良いので、学者の資料至上主義のアプローチとは異なり、ちょっとした旅行気分も味わえる。
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元・米海軍大将が7つの海について、主に軍事面ついでに経済面から解説、さらにご自身の経験や思い出を語ってます。
主な内容は第9章に総括されてます。読む時間ない人はここだけでも。
でも、合間に挿入される思い出話がなかなか良いので余さず読むと楽しいです。太平洋上で船乗りになりたいと思ったことや、赤道越えの記念式、ベレンの塔がある景色など。船乗りの気概を感じる美しい文章だと思います。
面白かったのは以下の章
・第1章 太平洋
英国と日本を比較しているところ。地政学的に類似点が多いのに、なぜ日本は「太平洋の大英帝国」にならなかったのか。
→大西洋と太平洋の差。広大な太平洋は天然の緩衝地帯であり、西の海岸線を守り東へ乗り出すことはしなかった。
(問いは面白いけど理由はちょっと弱い気がする。)
・第5章 南シナ海
主に中国の人工島建設、ついでに北朝鮮の話題も。アメリカの視点(の一部)が見られて面白いです。南シナ海でのアメリカのプレゼンスを維持する方向でいくつかの方策が提案されてます。
・第8章 無法者の海
対海賊の話が興味深いです。単純に知らないことばかりで。
様々な国との協力体制、軍の活動、民間警備会社の活躍、民間船の対応など。海賊を捕まえても身分証を持たないので引き渡し先が見つからない問題や、一つの地域で海賊行為を減少させたら別の地域が盛んになったり。
・第9章 アメリカと海洋 21世紀の海軍戦略
マハンの理論をベースに、アメリカへの提言と総括です。身近な太平洋はもちろん、大西洋やカリブ海、地中海のような離れた海の話も、離れているからかえって興味深いです。
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覇権国家振り返り記的な。
歴史経済政治地理の観点から、海戦とその背景を知ることができる。地政学の面白さは、この歴史と地形的優劣がかみ合わさることにあると思う。
筆者の引用のうまさにも驚かされる。シェイクスピア、テンペストからの引用で始まることからわかるように、文学的要素も楽しめる。また軍司令部にいたような歴戦の猛者のエピソードも出てきてよかった。
南シナ海への執着、北極協議会、マハンアプローチ、サイバー空間と海軍のつながりの話は知れてよかった。
ただ、シーパワーを強める根拠の多くは北朝鮮への憂慮だったのは結構ショック。時間の問題か。
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読み味がざっくりしすぎていて、読みかけてやめてしまった。
世界の海の歴史を地域ごとに概説。最後の章は現在と今後について。
退役海軍大将なので、著者の回想などもふんだんに混じえて語るスタイル。
翻訳のこの手の本によくあるのだが、ざっくりすぎて、私が知ってるトピックは知っている以上のことは書いておらず、知らないトピックは說明が足りなくて、何のことか具体的にイメージできない。
というわけで、読む意味が見いだせず挫折。
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NATO軍最高司令官を務めたことのある著者が、豊富な経験と深い知識により世界の7つの海について語ってくれる。
世界史が個別の国の歴史ではなく、7つの海それぞれの単位で語られると、違う角度から世界史を見ることになりとても勉強になった。全ての海に実際に行ってそこで仕事をしている経験に基づいているので、机上の伝聞記述ではなく、直接経験記述が書けるのが著者の強みだ。
最後に「無法者の海」ということで、
1. 海賊行為
2.漁業
3.環境
を取り上げているのだが、世界の海はとても深刻な問題を抱えている。特に世界の海が急速に汚染されている現実を私たちはまだ十分知っていない。
全ての汚染は、最終的には海へ流れる。人間が生み出す余分な熱の90%以上が最終的には海に影響する。海水温度に上昇は、海底と海面の海流(湧昇流)を減少させ、そのため深海の栄養分を表層に運んでこないばかりか、塩分濃度も減少して酸性度が高まりオゾンの枯渇を招いている。
世界中の魚種の60%以上が再構築を必要とされている。