紙の本
感情のコントロール法を教えてくれる書です!
2018/11/22 12:38
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、2018年12月の没後50年を迎える中村天風氏の門外不出とも呼ばれる講義録を収めた書です。中村氏は心身統一法という講演を行い、その中で感情を如何にコントロールするかを教示してきた人です。同書には、その秘儀とも言われる様々なコントロール法が紹介されています。心身の疲れを感じておられる現代の忙しい方々には、ぜひ、読んでいただきたい一冊です。
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「我とは何ぞや」
肉体・心・霊魂の繋がりがなかなか理解できませんでした。
そんな時に呪術廻戦を見て理解が進みました。
人は魂ありきなんですよね。
魂があって肉体があって心がある。
そう考えると一つにつながりました。
日本で「霊魂」と呼ぶ気体が命の中枢を成すとあります。
「霊魂」が人間の生命の本体
心≠自己=真我=霊魂
「霊魂」についている意志が「心」を完全に操縦し完全に支配する力を持つとあります。
「心」の使い方が上手くなると間違った考えを持たなくなる。
「認識力の養成」
カメラのレンズの曇りをとる感覚で「心」の性能がシャープになるとあります。
「人類は五官という特殊の関門を通じて人間の外界の一切の事柄を自分の心に受け入れている」
「五官感覚という機関作用を完全にすることを心がけることが人生に生きる準備としては最も必要」
「自分の心の中に入れたものが全ての材料になっている」
五官を研ぎ澄ますことで勘が働くと言うのはよくわかります。
出来ることをやり切ると最後に降ってくるというかふっとわかることがあるんですよね。
これは剣の達人の域までいけなくても感じることができます。
心の使い方をマスターすることなんですよね。
常にこの領域まで持っていきたいです。
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4年振りの再読。
本書は、講演CD集「心を磨く」を編集し、活字化したものである。その内容は非常に価値の高いものであるが、天風先生の最初の一冊として読むと、その価値があまりわからない可能性がある。
天風哲学については、関連書籍も含め多数の書籍が出ているが、難しい内容を含むので、読む順番が重要である。まず、心身統一法の具体的な方法を学び、次に本書の様な理論的な内容を学んだ方がわかりやすいだろう。
PHP研究所から出版されている本なら、『幸福なる人生 中村天風「心身統一法」講演録』を読んだ後に本書を読むのがお勧めである。
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■■評価■■
★★★★☆
■■概要■■
○各界の著名人が人生の書として上げる際に頻出する著者である、中村天風氏の講演録(昭和36年頃)を文字に起こした本であり、口語体で描かれている。
○スラスラ読むことができる。
○身体と心の上位に魂、霊魂というべき概念があって、心も身体もその道具に過ぎず、魂を磨いていく目的のために生きなければならないということが一貫している。実体験や寓話も交えわかりやすく説いてくれている。
○CDなどで声を聞いてみたい気もしたが、なかなかに高価であり音声も古く雑音も多いようなので、本で触れるのは、なかなか良い手段かなと思う。
○中村天風氏自身、スパイ、肺の死に至るような大病を克服したこと、インドでの修行、医者としての知識など、とても波乱万丈で魅力に溢れた人のように思えてならない。そこから出てくる言葉はすべて体験に基づいているから説得力があるのだと思う。切り取ってしまうと単なる教祖様のようにみえてしまうが、回り道をした経緯があるからこそ、説得力が高まっているというのもあると感じた。
○人生失敗なく最短距離で行くことがすべてではなく、必死にもがいた分だけ道が広がって、振り返ると広くて他の人が通れる道ができているという、古来からの教えの典型のように感じた。
●「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 心許すな」
○非常に深い。私の解釈では、“心” と言っても下記の意味が乱れ混じっているから味わい深いと考えている。
1つ目の“心” ・・・ 動物真(本能心)
2つ目の“心” ・・・ 心中全体の様子。気持ち。
3つ目の“心” ・・・ 数ある“心”の種類のなかでも、この心と断定する意味。
4つ目の“心” ・・・ 動物真(本能心)
5つ目の“心” ・・・ 心中全体。気持ち。
6つ目の“心” ・・・ “心許す”という慣用句的な使い方。言い換えると 油断して任せきるといったような意味合い。