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図書委員会で出会った二人の男子高校生、松倉と僕が、図書室に持ち込まれる日常の謎を解く。
倉松は皮肉屋で、世間に対して常に斜に構えている。一方僕は、頭は着れるがお人好しで、配慮に欠ける所がある。
ミステリィでは珍しく、二人ともホームズで、ワトソン役がいない感じ。
小市民シリーズ、古典部シリーズに続いてシリーズ化するのだろうか。
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人から借りた本です。
高校2年生の男子2人の周りで起こる様々な出来事を2人がなんとなくチームワーク良く片付けていく。
最後の二篇は驚きました。
でも読後感の良い小説です。
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こんな高校生がおってたまるか。と思いつつも大変魅力的な男子高校生2人が主人公。地味ポジションの図書委員。寒くならない程度の洒落た掛け合いが絶妙。
前半から中盤は、読者も堀川くんと松倉くんの間に立って、相談者から得る小出しの情報を吟味する。3人で。
これこれこういうことなのだ!という読者向けの種明かしは最後まで取っておいてくれるのがいいですね。
謎を解明した堀川&松倉の、高校生にしては落ち着いていて、でもなんだかセンスを感じる以心伝心のやり取りを頭上で感じる。
自分で謎解きができていれば、センスの良い合いの手を入れる(まぎれもないひとりごと)ことができるし、謎がまだ謎のままなら、「何言ってんだこのにいちゃん達」の顔のままページをめくることになる。NDCがある程度頭に入っていればより楽しめるでしょう。
初夏の爽やかさから始まったミステリーが、ちょいちょい顔を出す松倉くんの影に染められ、すっかり木枯らしの香りになった終盤。
個人的に、切ないスポットランキングでトップ5に入ると確信しているのが秋から冬にかけての放課後図書室。確実に訪れる夕闇の前の、赤すぎる刹那的な夕焼けが書架に差し込む光景(本が傷むのでブラインドを閉めましょう)。それと同じ匂いを感じる、哀調帯びた読後感でした。
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世の中には気付かない方が幸せなことってのがたくさんあって。いろんなことに鈍感であれば気付かずにすんでいくそんなあれこれが寄ってくるのはなぜなんだろうね、次郎くん。
なんとも地味で平和そうな放課後が過ごせそうな図書委員。なりゆきでコンビを組んでる二人の男子。寄ってくる謎は人間の嫌なところを見せつけてくる。謎にまつわる登場人物は少しずつ嫌な人で、彼らはいつも「解決」はしない。ただ、謎を解くだけ。解決するのは自分たちの仕事じゃない、と知っているから。そのたんぱくさも今時の高校生らしい。と思って読んでいたら、最後にずどん、と落とされる。切なさの井戸に落とされた気分。そういうことだったのか、だからあんな風な態度を…と最初の章に戻る。彼らよりもはるかに長い時間を生きてきた私は、彼らのこれからの人生が、いやせめて高校生であるあと一年を図書館のカウンタ―に座って平和に穏やかに過ごせることを祈らずにはいられない。
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米澤穂信の書く青春は、やっぱり、ちょっと苦い。
そりゃそうだ。
誰だって、表があり、裏があるのだから。
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いつもの米澤穂信(=才走る若者が謎を解決するが、胸糞悪い結果になる)でした。高校生でこんな察する力があったら生きづらいだろうな…
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図書館になかなか入らなくてかなり待った(^◇^;)
主人公が高校生で図書委員と言うのもツボ。
友人と持ち込まれた相談事を解決してゆくんだけど、それほど厄介とは思われない相談事も裏側に黒い事実があったりして、相変わらずほろ苦い。
友人との性格の対比も面白いしギリギリ大人ではない年齢という事を上手く利用して描いてるなーと思う。
最後二人のその後が気になる。
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おもしろかった。
図書委員の高校生、堀川と松倉、二人の掛け合いが何ともいい。
斜に構えているような二人だけど、ところどころに高校生らしさがあって、ぐっとくる。
物語に女っ気がないのも好感がもてた。
そういう部分を描かないことで、二人の高校生としての純粋さみたいなものも強調されていたような気がする。
いい友情だなと思いました。
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【青春の鍵.使うか,使わざるか】
図書委員.堀川と松倉のバディもの? 青春ミステリ?
侮るなかれそこは米澤穂信.これは米澤穂信.
謎を解く鍵.鍵を手に入れるためのカギ(才能).
青春を,解くか閉じるかその鍵は,どちらに回すか君ならば.
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ん〜短編集はあまり好きでは無いし、更に高校生が探偵の真似事をして事件?謎?を解決していくよくある展開。
いつもこの手の話を読んで思うが…高校生にその発想や知識は無理じゃ無いか?ってなる。
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題名が最高にぴったりな本だわ
めっちゃくちゃ面白かったー!
一気に読んじゃった
正反対で似た者同士の2人が織りなすミステリー。
開幕ってことは続くのかな?
楽しみ!
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知ってしまったら、もう後戻りはできない。
本を一度開いたなら、鍵を一度開けたなら。
図書委員のふたり、実はそれほど退屈でもない楽しくて苦々しい思い出をそのままに、どうかいつまでも待ち続けてほしい。
ほろ苦い友情に合掌。
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この著者の作品には、しばしばビターという表現がされるような気がする。気がするだけで、俺の気のせいかもしれないけど。ただ、本書を読み終えて、やっぱりビターという印象を持ったんだよね。決して明るくはない。でも暗いかといえば、ユーモラスだったりする。描かれているのが、高校生の日常だからかなぁ。いや、俺自身、高校生だったことはあるし、決してバカにしているわけではない。
この著者の本を読んで、過去の印象でいえば、思春期のイタさを上手に描く人だな、と思ったものだった。それは舞台が高校だから、というわけでもないと思う。
ビターって、苦みのことかもしれないけれど、でも本書の印象は苦い、ではないのだ。やっぱりビターなんだよね。チョコレートとかコーヒーに感じるような、どこか甘さを感じさせる苦み。
それは過去、自分が通りすぎた時間を思い起こさせるからかもしれない。苦いんだけど、通り過ぎた身としては、どこかかぐわしい甘さも感じてしまうような。
もうひとつ。この著者はしばしば現代社会の病巣も盛り込むことがあるのだった、なんてことを感じた。他の作品が、どんなだったかはユーゴ情勢くらいしか思い出せないけど。
本書でとりあげられたのは、子どもの貧困、といったところだろうか。物語の最後の方で彼が言った言葉は、どこかつらいというか、それこそ苦いものだったかもしれない。でも、いつかそれが、甘さとか切なさを伴いつつ、思い返せるものであってほしい。なんか、そんなことを感じちまったなぁ。
適当に思いつくままに書いてしまったので、このあたりのレビューはいつか推敲したいな。
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日常の謎に、後味の悪いオチと、良い意味でいつもの米澤さんの作品だった。また、図書委員という設定を上手く絡めていて、本が好きな人、特に図書館も利用している人には、気付くことがあると思う。
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米澤さんの作品はまだあまり読んでいないけれど、これからどんどん読んでいこうと思えるほど、結構好きになっています。
ミステリーだけど、ミステリーっぽくない。人が死んで怖かったり、嫌な気持ちになったらが少ないからかな!?今回の作品は2人の高校生の日常が中心で、非現実的なことばかり起こってはいるけれども、2人の生活を小説にしましたって感じで読んでいくと、何かの謎にぶつかり、あぁ、なるほどってスッキリして終わっていく感じ。2人の付かず離れずな関係が良いのか、とてもさっぱりしていて気持ちが良い。
あと、やはり本がテーマの本は好き。本好きならでは、図書委員ならではな部分が出てくると、ふっと嬉しくなる。この2人のお話は続編希望!