紙の本
ラストまで一気に読みました
2021/01/20 00:00
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:パコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
序盤は少し暗い感じのお話かなあと思っていましたが、中程から怒濤の急展開となり…(まあ、そりゃそうなるかぁ~って感じではありましたが)
終盤まで一気に駆け抜けていったような読後感でした。
続編がそろそろ届くので、楽しみです。
電子書籍
不均衡な関係がゆっくり崩れていくシリアスなお話です
2022/02/27 06:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りお - この投稿者のレビュー一覧を見る
先生の豊かな表現力はどの作品を読んでも凄いなと思います。小説の中でしか起こらないような奇跡的な出会いや出来事でも細やかで美しい描写で現実っぽく感じさせてくれる魅力があります。まるで映像でも観ているようです。
それだけに一顕とかおりの関係だけはあまりにリアルでストーリーからぽっかり浮き出てしまいBL小説として消化できない気持ちになりました。たぶん育児中の夫婦間でおこる身近な問題でもあるからかな。自分の身に置き換える必要はないと思うけど気分転換に読むBLとしては重く感じました。
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完全版。比べて読んでいないので、はっきりこことここが違うとは言えませんが、最初に読んだ時よりもこっちの方が幾分生々しかったように思います(女性の感情が)。
あと『ナイトガーデン』での和章を知っているので、この行動の裏には…的な読み方をしてしまい、より複雑な心境にはなったかも。
どっちにしても大好きな作品すぎて、読後はその世界から抜けきれず、同人誌を引っ張り出して読み返す羽目に。
この次に出る『メロウレイン』も早く読みたい。
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なんかこう、しみじみじわじわ好きな作品。「肯定されたい」というささやかかもしれないけたど心の底から絞り出すような、でも完全な否定が怖くて表出できない思い。
一緒に住んでるし、相手も自分を好きだといってくれるし、でもさ生身の人間だから。性欲って汚いものなの?そこだけ切り離してたかがセックス…なのか、いややっぱり、受け入れてほしい、肯定されたい、っていうもっと根元的な焦燥が、切ない。何でこんな、染み入るような作品を生み出せるんだろう。
「このからだがいらないなんて、贅沢なやつがいるんだなって」って台詞が好き。
和章さんの苦悩も切なくて、このあとのスピンに救われる。
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出会う前と出会ってからでは様々なことが変わってしまって、出会う前には戻れない、という読書体験が稀にある。この本はそういうお話。
旧版も、手に入る分だけ読んだその後の同人誌もほんとうに好きすぎて、改めて読める喜びで胸がいっぱい。
細かなエピソードがちょこちょこ(性欲の強い彼女、整が睫毛を全部抜いた、彩子さんの強烈すぎるパンチセリフ)あたりがカットされたパートですね。
視力検査のくだり、この発想とアイデアはどこから来るの? 本当に面白いな。
一顕の焦燥はより一層生々しく、整の危うさはより一層と鮮烈に深く鋭くこちらに迫るよう。
「欲すること」を取り上げられ、自分の生き方はおかしいのか? と蝕まれながら互いに向き合っていく二人のジェットコースターのような渦に飲み込まれていく関係はスリリングで生々しく、ひどくハラハラさせられながらどうしようもなく胸が痛い。
こんな恋愛小説がほかにあるだろうか。
セックスで結ばれた二人が恋をして、何度も繰り返しセックスで絆をつなぎ合う「それから」を知ると、後戻りできない関係に至るまでを読み返すとその鮮烈さと大胆さと息苦しさの衝撃に改めてびっくりする。
やっぱり旧版で読んだ時と同じく、和章にかける整の言葉のくだりですごく泣いてしまった。
和章とおなじようにここで受け取った言葉や想いはずっと忘れないのだと思う。
一顕の恋人に直してもらった足の爪がモチーフとなっているのが印象深いですね。後書きでの躊躇いながら爪を切る場面がほんとうに切ない。
「肉親との別れ」、「親との死別」も一穂作品では繰り返し描かれている大切なピースですね。
書き下ろしはどしゃぶりとびしょぬれのあいだのふたりのどうしようもないぎこちなさと、話をするために選んだ選択が愛おしい。
なんでこんなシチュエーションが思いつくのかな。一穂さんの作家性の特異さを感じます。
これからもきっと幾度となく繰り返し読むのだろうと思います。
体で結ばれあった後に恋をして、そこから先はいつか、心と心だけで愛し合えたらと安らかに夢を見るカード特典のお話にいちばんグッと来てしんみりしてしまった。
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久しぶりにBL購入。今まで読んだことがない感じの作品でいい本でした。
文章がとてもきれいなので苦しさも嬉しさも切ない感じも気持ちよく伝わってきた。
みんな幸せになって欲しい。
続編もすぐに購入した。
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大好きな作品で何度も読み返している作品です。こんなに切なくて胸が締め付けられるような痛みを感じる恋愛小説は他にないくらいです。二人のそれぞれの葛藤や悩みが手にとるように伝わり、ラストのシーンでは涙が出そうになりました。色々傷つき傷つけてきた二人だからこれから少しずつ幸せになっていったらいいな…本文中要所で登場する「雨」の描写が本当に巧みで一穂先生の描写のうまさ、ストーリーや登場人物を身近に感じさせる文章に感動の余韻が止まりません。
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あーよかったなぁ。
悶えるなぁこのもどかしい関係。もどかしい状態で暮らすふたりが、もどかしい関係になって、じれったくなる。あぁ、いい、好き…
一穂先生の描く男性はもちろん、女性もわたしは好きだ。ままならない。みんなどこか、ままならない。だから、それが満たされる関係が、とても愛おしい。
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一穂ミチのBLを久々に読んだ。ふったらどしゃぶり、これはかなりの良作である。浮気は罪だ、という人もこれは読んでほしい。登場人物がどれほどの思いで浮気に走ったのかを。ただの体だけの関係ではない。「俺、半井さんとセックスしたいです。」「うん、いいよ。」切り取ってみると陳腐にも思えるが、どれほどの過程を経てそこまで辿り着いたのかと思うと、胸を打たれる。個人的には、「この身体がいらないなんて、ぜいたくなやつがいるんだなぁ、ってさ」がベスト台詞。おすすめの1冊。
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イエスノー関連を一応読破したので、今度はこちらを。
一言、せつない…。それでもタイトルのような湿っぽさはない、大人の恋愛もの。サラリーマンだけど、お仕事話はそれほどでもなくて、2人の感情が行き来する。
最初の半井さんの印象、私的にも良くないですよ。でも、その後の不安定さと、哀しさ、想いの強さ、みたいなものがゆらゆらと背後に流れていて、読んでいて、こちらも気が気じゃなくなってしまう。
そして、荻原くん。優しいひとだなぁ。彼の苦しさも、ズシズシくる。セックスに対するすれ違い。
かおりの気持ちも、わからんでもない。ずるいよね。
和章は、ダメでしょ。彼が一番理解できなかった。。ナイトガーデン読めば印象変わるかしら。
まぁ、BLなので、荻原くんが耐えきれなくなって、半井さんと結ばれるところ、いきなりそうくる?感は否めなかったけれど、でも、ほんと切ないし、苦しかった。そして、そこがすごく好き。
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一穂ミチ先生が有名になってちょっと寂しいから
原点から読み直す週間に突入してみた( ̄▽ ̄)笑
切ない…
今まで雨の日に特別思う事はなかったけど…
こんなドラマチックに書かれるとヤバいです
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一穂ガチファンのみんみんからの、課題図書。
2013年頃の作品。版元変更の完全版を入手いたしました。
男子×女子 男子×男子 2カップルそれぞれ同棲中。どちらも愛はあるけど悩みもある。偶然、同じ状況に悩んでいる事を知った男子二人は、メル友から飲み友、そして、居心地の良さに惹かれあいはじめる。
一穂さんが一般小説にしっかり登場してきたのは、2020年くらいだったでしょうか。
こちらも200ページくらいまで、交際中のカップルの不同意状況を、切なく率直に書いて、全く遜色ないです。
最近ドラマ化されたコミック「あなたがしてくれなくても」(観てない。。)も原作は赤裸々でなかなか良いのだけど、それと比べても遜色ないです。
それを惜しげもなくBL小説にしてしまうのは、ファンサなのか、まだ自分の領域を守ろうとする確信犯なのか。一穂さんにしても凪良さん、木原さんなど、一般小説への助走期間ではなくて、全力BLだねえ。
不穏さが上手い。
不憫さが切ない。
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良かったです!!!
たくさんもがきながら前に進もうとしている二人の姿にグッときました。絶望したり希望を見出そうとしたり、複雑な中でお互いが大事な存在だと気づいていくところがすごく繊細に描かれていて、もっともっと読みたい、という気持ちになりました。
言葉もとてもきれい。幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。