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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
苔ブームの先駆的存在。基本的な生態がわかる本。小宇宙の世界は大変興味深い。身近にある苔もこれでより理解が進む。
紙の本
いろいろな苔があることが分かり、興味深い
2005/01/11 20:33
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投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
苔と人間との関わりを主に、述べている。苔の分類、種とその生息地、環境適応能力、生殖や構造、についても述べているのだが。むしろ、植物学的な内容よりも、苔の観察、育て方、苔庭、環境保全、といった、人間の立場からの記述が印象に残る。苔への関心がいっそう深まったから、これはこれで良いと思う。いろいろな苔があることが分かり、興味深かった。
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知らなくてもいいような知識がごろごろしている、というのが新書のいいところかもしれない。
知らなくてもぜんぜん問題はないけれど、知っているとちょっと世界が違って見える。この本を読み始めてから、何より歩いている時に苔を見つけている自分によく気が付く。気にしてみれば苔は都心でいくらでも見つけることが出来るのだ。
編集者の意図は、インテリア周りで最近苔玉が出て来たり、盆栽の今風アレンジがあったり、と言うところで苔はそれなりに注目されている、ならば苔の話も読まれるだろう、というところにあるんだろう。まあ、そう考えるのもかまわないけれど、新書を選ぶ側からするとブームなんて実はどうでもいい。今まで考えもしなかったタイトルがそこにあるというショックに価値がある。知っているつもりでいた事柄でさえ、考えもしなかった方向からだと手にしてしまう。それが新書の力だと思う。そこでは多少議論がずれてると感じてもあまり気にならない。だって、新書だもん。そこが新書のいいところだと思う。2000円の単行本でこれは違うなという説を読むような悲しさはない。
苔の生き方は何の参考にもならないけれど、この本は面白かった。本当に知らないことばかりなのだ。それが何より面白かった。
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[ 内容 ]
庭の隅や道端にひっそりと息づく苔たちは、見るものに安らぎを与えてくれる。
インテリアとしても人気があり、美しい苔を求めて寺院や庭園を訪れる人も少なくない。
ふだん見慣れた苔だが、その一生はどのようなものなのか?
乾燥や寒暖など厳しい環境を耐え抜く適応能力の秘密とは?
コケ植物の専門家が、知られざる生態をわかりやすく解説。
私たちの生活や文化との深い関わりにふれながら、その魅力を余すところなく伝える。
[ 目次 ]
第1章 コケ学事始め(根を持たず胞子で増える 受精の仕組みと胞子体 ほか)
第2章 おそるべき環境適応能力(極寒の極地から熱帯雨林まで 隔離分布の不思議 ほか)
第3章 苔はこんなに役に立つ(装飾と鳥の巣 味と匂いの不思議な成分 ほか)
第4章 苔に親しむ(苔と日本人 一足早い新緑 ほか)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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苔好きにはたまらない一冊。小さな植物の世界。写真が豊富なカラー本であれば、もっともっと楽しく親しみやすい本になったと思います。そこだけが残念!
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・苔には水溶性のポリフェノール系の物質が含まれているため、カビが生えにくい。
・ミズゴケは湿地や湿原に群落をつくり、地球の陸地の1%を占めている。泥炭に蓄積された炭素量と毎年ミズゴケが固定する炭素量の合計は、大気中の二酸化炭素の炭素量とほぼ同じ600ギガトン。
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道を歩いているとき、ふと、足元を見てみてください。緑色の小さな植物が、ひっそりと生えていませんか?一度見つけることができれば、道端、街路樹の幹などあらゆるところに「苔(コケ)」が存在していることに気づくはずです。本書は、普段私たちが見過ごしてしまう「コケ植物」を、あらゆる観点から掘り下げた1冊です。見過ごしてしまうことが多いといえど、日本人は、古くから苔と密接にかかわってきました。日本庭園・短歌・俳句など、日本文化の隅々に、苔は登場してきます。そんな苔は、ただ鑑賞の対象とするだけではもったいない。その生態をより詳しく調べてみると、「枯れても死なない」「重金属汚染が進んだ土地で生きる」「抗生物質を作る」など驚くべき能力を持っています。不思議な魅力がいっぱいの苔の世界を、本書で覗いてみませんか?
(ラーニング・アドバイザー/生物資源 UEHARA)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/1955143