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本当に面白い本でしたこの本が出てから既に20年近く経っていてしかも トルコに行けなくなってしばらくしてから書かれたようなので今のトルコがどんな風なのかわかりませんが(つい最近アルメニアと国交樹立したし)しかし20年でクルド人がそれほど 減ってしまっている気もしないしちょっと前にはNHKスペシャルに文句つけてたしなぁ
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トルコの影の部分に焦点を当てた本。
読む前は、筆者がトルコを旅して、その中での意外と知られていないであろう場所での経験や感じたことを描いた本であると思っていました。
しかし、言語研究者としての立場での視点からトルコの影の部分を紹介している。
このような部分も知っているのもイイと思う。
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読む前はイスタンブールやカッパドキアなど観光地としてのイメージしかもっていませんでした。言語学者の筆者の紀行文の形式で書かれていますが、すごい旅です。トルコをくまなくトルコ人より多くの地を回っているようです。多言語、他民族国家なのに、政府はそれを認めず土着の言語を話すだけで逮捕拘留、拷問など知らないトルコが現れてきます。
登場する地方の人々などの登場人物がまた魅力的です。
読んでいてぐんぐん引き込まれます。
現在のトルコはEU加盟をにらんで少しかわってきているようです。
2011は少数民族出身の人が大統領?になったというニュースがありました。
詳しくはどの程度変わったかわかりませんが。自由に固有の言語を話せるようになることを願っています。
これでもこの本はトルコ政府の諜報機関に命を狙われる危険がるため、出版社に文を丸めるようにいわれてかなり丸めさせられたようです。
続編の方はこれより具体的で過激です。
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公式には存在しないこととなっているトルコの少数民族について書かれた本.トルコは好きな国の一つで学生時代には40日弱旅行もしたが,少数民族の実態は知らなかったため少なからず衝撃を受けた.
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「トルコにはトルコ人しかいない」を国是として、クルド人の存在を公式に認めないトルコ。トルコは何度も行って好きな国だけに、複雑な思いもあるのだけれど、とにかく面白い!(カテゴリは「冒険譚」にしようかと思ったくらい。)フィールドの言語学をやりたくなる。
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言語を通じてトルコの少数民族問題や政教分離問題を見つめる良書。少し古い本だが今日の問題に直結していて、古さを感じさせない。
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トルコで現地調査する、言語学者の紀行文(回想録?)。
トルコ人は元来とても親切。
著者が自転車で貧乏旅行をして、到着した村で食事やお茶をごちそうになる。自転車の盗難にあうと、わがことのように悔しがり、犯人捜しの協力をしてくれる。
一方で、トルコの少数民族や異教徒に対する弾圧は呵責ない。そもそもトルコは単一民族国家ではない。ギリシア人、アルメニア人、クルド人、ザザ人…。
それを政府が認めていないのだから、少数民族の人々はいたたまれない。クルド語の歌をカセットテープでもっていただけで、フランス人がクルディスタンの「分離独立主義者」のシンパとみなされ、長い間、拘留されているという話にゾッとした。
また、イスラム教の一派、アレウィー教への差別・迫害。アレウィー教はイスラムのなかでも寛容な宗派で、男と女が街で会話することだって許されている。厳格なイスラム教徒の目から見れば、それが猥褻なものにうつり、「乱交する」だの、「人食いの習慣がある」だのデマが飛ぶ。
アレウィー教徒の生徒が、学校の事務員に殴られ、他の生徒たちにナイフで刺されるという事件もあったそうだ。
そういえば、ノーベル文学賞受賞作家のオルハン・パムクが、20世紀前半のアルメニア人虐殺の弾劾をして、国家反逆罪に問われたなんてニュースもあったような・・・。
なかなか平和ボケしている日本人にはイメージしずらい、少数民族の苦しみ。知ることの大切さを実感できる好著だった。
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トルコ旅行の予習用として一冊目に手にとったもの。トルコの少数民族の言語の研究者たる著者のトルコ滞在記とでもいったかんじ。
内容としては民族問題といった非常にシビアなものを扱っており、単一言語・民族といった感覚、というかそのような感覚すら意識化することのない日本人にとっては水を浴びせらて目が覚める思いがする一冊。親日国としての側面ばかりでなく、このようなもう一つの顔を持っているということを知っておいても損はないだろう。
ただし、興味深いし読み物としてもおもしろいのはそうなのだが、トルコについて知りたい人のための一冊目としてよいかは怪しいとは思う。
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著者:小島剛一
出版社:中公新書
1 トルコ人ほど親切な人たちも珍しい
2 トルコのもう一つの顔
3 言語と民族の「るつぼ」
5 デルスィム地方
5 Y氏との旅
6 「トルコに移住しませんか」
7 トルコ政府の「許可」を得て
P34 クルド人の独立運動家は「社会主義者」「マルクス・レーニン主義」など自ら定義しているが
実際は超党派の民族主義者と呼んだほうがよさそう。
・経済体制と言語政策に相関がない。
ex:言語自治権のある資本主義国:スイス、スウェーデン、フィンランド
少数民族を認めていない社会主義国:ブルガリア、ルーマニア、ベトナム
・トルコ共和国を成立させたのは、第一次世界大戦後のトルコ解放軍 ムスタファ・ケマル
・トルコ語は、ペルシャ、アラブ、ギリシャ語からの借用
・トルコ語の辞典はクルド人の項をひくとそんざいしないか、
「本来トルコ系であるが、現今では崩れたペルシャ語話す集団」
・イスラーム神学では、聖典の宗教のうちユダヤ教とキリスト教は、最後の宗教イスラームにいたる前の
漸進的な段階だとみなす。
P54
・かつて、セルジュクトルコ帝国は東から遡ってビザンス帝国を脅かし、オスマン・トルク帝国は東から興ってついにビザンス帝国を滅ぼした。
「東の蛮族の脅威」はトラキア人が完全にトルコ化したあとでも集団的な記憶からきえないのである。
P60
・「隠れ民族」と「忘れ民族」(著者造語)
隠れ民族-かつての日本の隠れキリスタンのように自分たちの真の姿をひた隠しに生きている民族
その民族の秘密が漏れたら致命傷である。
忘れ民族-ひた隠しにするあまり自分たちが本当はなんであったのかわからなくなってしまった集団。
P63
離れている県のクルド人が出会ったとしてクルディスタン独立の夢を語り合うときの共通語は
ざんねんながらトルコ語しかない。(クルマンチュ語の標準語が一応は存在するが、、。国外亡命者か、外国人しか習うことができない幻の言語)
P71
チェコ語とスロバキア語の差異は、東京弁と大阪弁のちがいよりはるかに小さい。
言語と方言の本質的なちがいはないと考える(作者)
P72
オスマン・トルコ帝国時代は、ペルシャ語、アラブ語、ギリシャ語の3つで、宮廷ではオスマルン語が公用語となり、トルコ語は田舎の言葉とされていた。
(言語に関しては、オスマンは帝国主義を採ることはしなかった、、、ローマと一緒だね。)
トルコ共和国以後、政治的な後ろ盾を受けるようになって書記言語として成立した。
P149
政策決定の方式としての民主主義と、それが決定する政策とは同じものではない。
その政策が必ずしも「自由」の保障にも「平等」の保障にもならないことは、歴史が示している
[感想]
バルカン半島とよばれる地域は、学校で、世界史をならったことがない
自分からすると心理的に一番遠い地域でかつ歴史に疎い地域である。
言語と民��と国籍がほぼ同一な日本という枠内にいるなかで
、なかなか国籍と民族-言語がいちいちに紐づいているわけではなく、
一方が迫害されている状況にあるようなことは想像しずらい。
ニュースで聞いていたとしても、現実的事実として認知するのが難しい。
(クルド語とザザ語は起源が異なるまったく違う言語であるのに、トルコ政府は同じクルド語として扱い、
クルド語で喋っていると反政府クルド人ゲリラにされてしまう現実
しかし、クルド語とザザ語はお互いが通じない言語なので、
クルド語の人とザザ語の人の共通言語はトルコ語であるとか。)
言語共同体が必ずしも民族と一致しないこともあり、一方では自分たちは
あくまで「トルコ人ではなく○○人」であるという意識だけが際立っていることを認識すれば
なぜゆえに当局(トルク政府や少数民族を弾劾する国々)は、共存という形を目指さないのか
単純に考えると甚だ疑問である。
(まあ、独立して領土を分割するという話になれば嫌がる理由は当然だけど、自治政府として現実存在しているやり方もあるのだから。)
まあ、領土問題を通してみれば、統治欲なんてものはそういう(偉い)立場にならないとわからないだろうけど。
[その他]
今回、読書会の課題ということで普段では絶対に手に取らないような本を
読むことになって、それはそれで新しい興味がうまれた。
しかし、この本を読むには
おそらく、この地域の地理、文化、歴史、宗教がバックボーンとして理解していないと
なかなか読み進めづらいし、その中でも宗教など意見がまとまらないものを含んでいるとなると
読書会の課題図書としてはそぐわない気もしてきた。
(安易な気持ちで臨むと自滅するきもしなくはない。)
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知人が「これは名著だ!」と言っていたから読んでみたが、なるほど確かにこれは名著だ。まず単純に刺激的で面白い。そして、他の国を知るとはどういうことなのかということを伝えてくれる本でもある。
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トルコは多民族国家で、度々クルド人問題がニュースになる程度は知っていました。
クルド人問題は氷山の一角で、それ以上にもっと民族問題があることを本書から学べました。
トルコ語を話さないと罰せられたり、すべての言語はトルコ語から派生していると学校で教えているという事実には驚きました。
トルコは旅行で訪れたこともあり、好感を持っている国ですが、真実はこうであったとは思いませんでした。続編も読むつもりです。
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Podcastの「旅する本箱」で紹介されており、この本を知りました。
「島国で地理上孤立している。」、「社会が整って以降、新たな民族の(社会が変わるほどの)大量流入が無い。」、「新たな宗教も比較的受け入れられている。」、「平均して豊かで安全な生活がおくれてきた。」等、今住んでいる場所は、他と比較してかなり特殊な場所なのでしょうか。今年の初め頃から「<中東>の考え方」、「中東 迷走の百年史」、「中東イスラーム民族史(未読了)」等 意図してこの地域に関するものを読んできましたが、遠く離れた所では、何故「民族」や「宗教」の違いが問題に発展するのか、本当のところは(全く)理解できていないと思っています。「言語研究のフィールドワーク」なのでしょうが、紹介されているような危険な目に遭いながらも続けられる、著者の研究への執念に驚かされる一方で、このようなテーマを見つけられた事を羨ましくも思います。
著者の体験は今から20年以上も前の話ですが、今年10月に発生したトルコ地震で「トルコ政府が海外の救援隊を断っている(いた?)。」ことからも、争いは続いているのでしょう。
本書の中では、「? トルコもう一つの顔」の最初に紹介されている、オスマン・トルコ帝国時代の公用語に関する話しが印象的でした。著者がトルコに滞在していた頃と(各民族への対応は)真逆に近い話しであり、各民族から見てオスマン・トルコ帝国の時代がどのような状態であったか、非常に興味深く感じました。
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トルコに対する認識が改められる本。
少なくともトルコに関する知識が貧弱過ぎた自分には、インパクトが強かった。
現地視点からのクルド問題の提起、言語学者として「隠れ民俗」「忘れ民俗」など足を使って(時には妨害されながらも)調査、分析した筆者の功績はとても大きい。
アレウィー教徒を扱った章では、マイノリティに対する差別と自民族のアイデンティティに対する誇りの間で生きる人達の姿が、印象的なエピソードで綴られていて、考えさせられた。
続編の「漂流するトルコ」を早く読みたい。
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「トルコ人だのギリシャ人だの区別しないで、誰でも好きなところに住んで好きなところへ行けるようにならないもんかね。お前は日本人でフランスに住んでトルコに遊びに来て、それでいつでも好きなときにメイスにも行けるんだろ。世の中、不公平にできてるもんだ」
人種問題にフォーカスした刺激的な滞土録。といったところ。
刺激的に感じるけど、日本も強制民族統一政策は通ってきた道なんだよなぁ...そのあたりの知識はあまり無いので、専ら語学方面の話題が楽しかったけれども。
情報量が多いわりに断片的なエッセイ集のような構成で読みやすかった!
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自分が知らない世界が完結にではあるがしっかりと描かれていることで、知らぬ間にどんどん引きこまれていった。
民族・宗教・言語が当事者同士で複雑に絡みあっている。
宗教なんて関係なくていいじゃん、言語共同体なんて、とか考えていた自分が恥ずかしくなってくるくらい。
次も早く読みたい。