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作家である著者が、作家(になろうとする者、になっていく者)を描くという、いつもとは少し趣が異なる一冊だったけど、やはり"空虚"を描く力が巧みだなぁと思う。
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今まで同様、北海道の痛いほど冷えた空気、薄暗い景色が思い浮かぶ情景の中、女の人たちのそれぞれの生き方が描かれている。
最後がストンと落ちなかったけれど…
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柊令央は、ビストロでのバイト代と元夫からの慰謝料を生活費にし、母の残した家でぎりぎりの生活を送っていた。ある日、令央のもとに投稿作品を読んだ女性編集者が訪ねてくる。主体性なく生きてきた令央だったが、何度駄目だしをされても小説を書き続けるように。。。
令央が小説を書きつつ、自らの人生を見直す過程が面白かった。桜木さんは、女性の情念のようなものを描くのが本当にうまい。ミステリーにもなりそうなネタではあったかな。
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ジャンルにもよるかもしれないけど
作家って本当に壮絶な職業なのね
改めて身を削るってことが分かる。
これは私には無理、神経がもたないわ。
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作家志望の中年女性が、やり手の編集者に見いだされ一冊の小説を書き上げる過程で、自分と家族との関係に向きあい人間としても一皮むけていく姿を描く。
目の前の出来事を淡々と受け止め、他人と深く関わろうとしない主人公は、自分の母親とも娘とも本気で向き合おうとしない。当然、そんな彼女の書く作品には深みがない。
編集者の厳しい指摘で自分の内面にメスを入れるようにして書く姿は痛々しく、息苦しいほど。が、真剣に家族と向き合い自身を見つめることによって、主人公をおおっていた幕のようなものが剥がれ落ち、終わってみればむしろ軽やかになっていることが救いだ。
様々なタイプの作家がいるけれど、作者自身が彼女のように身を削って作品を生み出すタイプに思え、作家稼業の厳しさを思い知る。
年末を締めくくった一冊。
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読書記録です。まだの人は読まないでね。
実は、真の主人公は直線で書ける名前の女編集者じゃないかと思ってしまった。
モノを書く(描く)ことって、生業として見て(観て)もらうためには中途半端ではダメ。さらけ出して、のぞき見させて、惹きつける力がないと…主人公以外の新人作家に、原稿と自分自身に向き合わさせている女編集者は、神なのか、悪魔なのか。
パソコンで原稿書いてるのに、一番知られてはまずい相手と同居を始めるし。何より、墓場まで持ってかなきゃいけないことを小説にしちゃうし。「おーまーえーはーあーほーかー」と突っ込みを入れてしまった。献本をお世話になった母の友人に渡して読んでもらうところでも「おーまーえー(以下略)」。結局、主人公よりも周囲の人々がオトナでした。いや、主人公よりももっと前に成長が止まってた元ダンナはいたっけ。
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作品タイトルが作中作と同じ、となれば読者はそこに何らかの関連性や著者の意図を探そうとするのではないか。残念ながら、本作にはその意図や演出効果は感じられなかった。
また、登場する編集者の言葉や文章が非常に説明的で、何かを暗示するかのようであったが、読後に期待した「何か」は、そこには無かった。はたして本作は桜木紫乃の転換点となるのだろうか。
#砂上 #NetGalleyJP
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令央も美利も体温が低いというか、淡泊というか・・・。
とても興味深く面白く読んだけど、「小説」を書くということはここまでさらけ出さなければならないものなのかと驚き。編集者の乙三がまた怖い。結局は「面白く、濃密な本が読みたい」という貪欲な読者なのだろうな~とは思う。
本を題材にした本によくいる「一緒によい本を作りましょう」的な編集者じゃないところが良かったんだろうな~。
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わたしが今読み進めているこの物語が令央のデビュー作「砂上」なのか?と思わされる、まさに「現実と虚構が交錯する」感覚で読了しました。
母ミオの生きざまと娘であり妹である美利の全てを悟りどこか冷めた人間性の狭間で錯綜する思いを乙三のフォローでカタチにしていくサマは令央の生みの苦しみが伝わってくるようでした。どこか掴みどころのない、だけど心を強く掴まれる、そんなお話でした。
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オススメされたので久々に読書しました。
本を読む者として、ぼんやりとだが、いつか小説など書いてみたいなぁという思いがあるのですが、作家って大変だなぁ、と勝手に心折れそうになった。
読みやすいんですけど、感想を言うのが難しい話だなぁ。
編集者の乙川さんに対して言いたいことはわかるけど具体的にどうしたらいいの?と思ってしまったが、何度も推敲していく令央はふわふわしてるようで芯があるというか、生き方は好きじゃないけど本人は嫌いじゃないと言う珍しいタイプでした。
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作家になることを夢見つつ40代になってしまった令央と女性編集者が作品を作り上げるまでの物語。自分と母親、そして娘の話をベースに虚構として表現していく難しさに苦しむ令央と厳しい言葉を言い続ける女性編集者。そしてようやく作品が本物の作品として完成していくのだが、何となく桜木さんが経験したことも入っているんだろうなと言うのが伝わってくる。そのせいなのかすごく力を入れて表現してるなと思うのだが何だかそれが逆に話をわかりづらくしている気がした。真実と虚構の境界線が見えづらいというか。作中に令央が書いた作品が時折出てくるのだが、その作品も結局桜木さんが書いてる感じが強くて、違いがわからないためその作品のすごさがあまり伝わってこない。自分に読解力がないだけの話かもしれないが、もう少しわかりやすくしてほしかったなという気がする。
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何故この本を読もうと思ったのか、きっかけを忘れてしまいましたが、この本が主人公が書いた「砂上」なのか?と混乱するような。でも淡々と、身を粉にして書く小説家を描き、なかなかない人生を生きて、、、。お腹いっぱいになりました。
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北海道に住んでいる40代の女性が細々と生活しながら小説家を目指す物語。
物語は淡々としていて上がり下がりがない展開。
女性向けの作品。人間関係が結構リアルに描かれていてラストのビストロのお母さんとのやりとりはリアルな展開だと感じた。
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第七回新井賞受賞作品
いままでの桜木作品の中で一番好き。
女の強さとしたたかさに痛さがないからか。母と娘と娘、三人の女のそれぞれの人生。男の入る隙間のないその人生に粘着きがないのは彼女たちがそれぞれに人間関係に乾いているからか。
人を頼らず、人にもたれず、人をつつまず。流されているようでなにものにもひっかからないのはあるいみ自立しているからなのか。
作り物として物語を紡ぐことで、自分と母親の「生」をなぞることで、ようやく娘との距離も定まったか。そしてもう一つの女のドラマも見え隠れしてそこも気になる。
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静かだけど浮き上がってくる凄みみたいのはあった。
作中の編集者が言っているように
読書に求められている、特に小説の場合は
フィクションの中での面白みや驚きなのに
細部がどうとか
登場人物の精神性がとかいっていることに
いや、嘘だからこの人物は本当にいないのに何で?
というところをついてきたなぁと。
ただその嘘なのにというところが重要で
嘘だからこそ人を巻き込んで信じさせるには
細部や精神性まで丁寧に推敲してなきゃいけないという
パラドックスもあるわけで
手段が目的化している現代には
なぜ書かなければならないのかという
疑問、難題に向き合った作品だと思う。