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うつで休職している人が復職に向けて利用できる「リワーク施設」の取り組みを紹介する著書。
リワークを利用して復職に成功した方が筆をとり、主治医が解説を加えるという斬新な構成。
うつ当事者が考える「回復のレベル」と会社が求める「回復のレベル」を埋める役割を果たすという意味で、リワーク施設は非常に役立つ存在だと思う。
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うつ治療のリワークとは、何かよくわかる書籍です。リワークに関しては、日本で権威の施設の先生が関わっている書籍です。リワークとは、なんぞや?と思っているかたは、必読
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出口のないトンネルを歩み続けるような。
ゴールのないマラソンを走り続けるような。
終わりの見えない心の病との闘い。
「全治○カ月」というものが、心の病にはない。
「君の今の体調では、仕事を続けることには無理がある。『リワークプログラム』というものがあるらしい。休職をしてそれに取り組んでほしい」
職場の人事担当者からこう告げられたのは、2014年春。
「メディカルケア虎ノ門」という精神科の「リワークプログラム」を自力で探しだし、申し込んだ。
これは、心の病に苦しむ社会人が、職場復帰と再休職防止を目指し、様々なプログラムに取り組むもの。
初診時に担当医から言われた。
「パワハラ上司のもとで働いているからといって、そのまわりのすべての人が病気になるわけではないでしょ。あなたの考え方はネガティブすぎる。でもプログラムに挑戦していけば、大丈夫。元気になれる。私もスタッフも最大限に協力するけれども、病気の治すのはあなた自身だよ」
そして、虎ノ門のオフィス街に通う日々が始まった。
最初は週1回1時間のみ。前半30分間は、睡眠、ストレス、生活リズムなど、病気がテーマの講話。のこりの時間で同じテーブルの数人とフリートークをする。
みんな普通の社会人だった。
平日の昼間に、きちんとした格好で、都心のビルにやってくる。
雑談をしているだけで、心がほぐれた。
病気になったことだけで社会の敗北者のように思いこんでいたものが、溶けていくようだった。
プログラムは、週2回から徐々に増えていく。最終的には週5日フルタイムとなる。
老若男女、あらゆる人が参加しているなかで、職場復帰を目標とする仲間が増えていく。
お互いを知り合い、触れ合っていくうちに、自信がつき、元気になっていくのが実感できる。
もとの自分に戻るというよりは、新しい自分になっていく。
病気について学ぶ。
なぜ病気になったか自己分析リポートを書く。
復職後のあらゆるケースを想定して、ストレスへの対応を学んでいく。
擬似職場での「業務」を通してそのスキルを実践する、ワークシュミレーションプログラム。
認知行動療法。
アサーション。
アンガーマネージメント。
キャリアの棚卸し。
セルフケア。
スキルアップタイム。
それは、おなかのすいている人に食事を出すのではなく、料理の仕方を教えるようなものだと、著者は語る。
元気になって復職するのがゴールではなく、働き続けることが目的なのだ。
本書は、プログラムの創設者と、プログラムの卒業生の元うつ患者の共著。
自立支援医療制度や、地方でのリワークプログラムの取り組み。
家族向けの講座。
復職後のフォローアッププログラム。
卒業生の体験談も掲載されている。
病気を治すのは、あくまで自分自身。
そして、たくさんの���との係わり合いの仲でこそ、本来人間が持っている「レジリエンス」を高めていくことができる。
2015年1月。プログラムを終了し、復職。
2017年1月。医師から「寛解」の診断を受け、通院が終了。
その後もいろんなことがあったが、順調に今日まで来ている。
「うつはは必ず治る病気です」
「もとの自分にはなれないかもしれないけれど、新しい自分になれる」
「これからたくさんの後輩たちがこのうつと闘う。あなたはその先駆者だ」
最も辛いときにお世話になったカウンセラーさんのこの言葉が、生命の底から実感できる。
冬は必ず春となる。
人生は勝つためにある。幸せになるためにあるのだ。
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復職と休職を繰り返すことが多いことを初めて知った。再休職しないようにできることがありそう。ただ、住んでいるところの近くにはリワークプログラムをやっているところはない。参考書として読ませていただいた。
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主な内容≫ 著者まえがき 「うつ」で休職している人たちを、再休職させないために
序章
うつの患者だった私が 「リワークプログラム」に出合うまで
■五十嵐所長の復職しても、また症状が出て、再休職してしまう
■五十嵐所長のコラム1 うつは脳の不調の病気です
第1章 うつの「リワークプログラム」とは
■五十嵐所長のコメント
同じ職場に戻っても、再休職しない対処方法を身につける
■五十嵐所長コラム2 うつは軽症化し、発症は若年化しています
第2章 準備編「リワークプログラム」を始める前に
□ふくいの体験談1
同じ病気の人たちに出会い、じわっと親近感を感じた初日
■五十嵐所長のコメント
生活リズムを整えるという「基礎工事」が、実は一番大切です
■所長のコラム3 うつは、治そうとしなければ治らない病気です
第3章
第1段階 リワーク・スクール 集団に慣れ、自分の課題を探る
□ふくいの体験談2 主治医とのやり取りで内容を深める
□ふくいの体験談3
何でも話せる仲間との出会い。何だか人間に戻った気分
■どういう環境が自分にとって危ないか、また自分自身に課題はなかったか
■コラム4 うつ症状が現れる、うつ病以外の病気もあります
第4章
第2段階 リワーク・カレッジ「疑似職場」でスキルを実践する
■五十嵐所長のコメント
職場のような環境で発生するトラブルこそがチャンス! ?
■五十嵐所長のコラム5 うつは心の風邪?
第5章 特別講座(「セルフケア」プログラムより)
「ストレスを、自分でマネジネントする」
第6章 認知行動療法
□ふくいの体験談4
書き出して整理すると、イヤな気分が改善する「コラム表」
第7章 その他のうつ 再休職を繰り返す「双極II型障害」「大人の発達障害」と、そのリワーク
1「双極II型障害」「双極II型障害」とはどういう病気?
2「大人の発達障害」「大人の発達障害」とは?
第8章 地方都市のリワークプログラム例
■所長のコラム6 余裕のない働き方が生む「職場結合性うつ病」
第9章 復職準備、復職後のフォローアップ
最終段階-「復職準備室」へ
□体験談5 復職直前、人事部相手に自分をアピール。しかし試練が待っていた!
■五十嵐所長のコメント ・同じプログラムに参加し、共に課題に向き合った仲間が助け合い、支え合うチカラに
第10章 家族向けプログラム「サポート・カレッジ」
□ふくいの体験談6
「僕は君に、何もできないと思われていることがつらかった」
■五十嵐所長のコメント
患者さんのご家族は、もっと孤独なのではないかと考えた
第11章 修了者体験談
付録 うつによる休暇と、リワークプログラム参加に関するQ&A
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うつ病治療の薬投与と並行して大事なリワークについて詳しく書かれていたので、非常に参考になった。僕自身が通っていた頃より、格段に進歩している内容だったが、実施主体が違うからかもしれないとは思った。僕の受けたものは、かなりゆるゆるだったが、この内容を受けるとなると、かなりハードだなと思う反面、ちゃんと受けられていたら、今頃はまだ前の会社で働けていたのかもなとも思った。
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休職者本人の目線が多く描かれており、難しい表現がなくとても読みやすい。
異動、仕事量の増加、外部のミス、といった環境の変化
私がどうにかするしか…といった思考パターンが書かれており、
休職にいたる経緯や現状が似ている人には参考になる部分が多いと思う。
また実際にリワークで行われている内容を知るにも具体的に書かれており良いと感じた。
ただ、認知行動療法でコラムを作成する部分では
【ある時 上司に無視されたように感じた】という出来事に関する具体例になっており、
休職者本人の過程とは関係のない例になっているように思った。
コラムについて本人の感想はあるものの、具体例がなくこの点は残念だった。
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虎ノ門リワーク研究所で行われているリワークの実際がプログラム修了生によってやさしく書かれています。
リワークは単に会社へ行く練習の場ではなく、自分を見つめ直し闘う武器や装具を手にいれる訓練の場だと分かりました。
けっこう大変かも。
リワークについてTVドラマ化されてもっと認知度が高まることを望みます。