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紙の本

始終低温な話

2021/09/17 05:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:やじやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネタバレあり

作者さんの和風オカルトティックな作品は好きです。
肌に合う感じというのでしょうか。

今回は相手が物の怪という。
でもおどろおどろしさはなく、
むしろ人同士よりも熱量が低い感じ。
作品自体も淡々というか熱量低いというか。
雪女の小吹雪ちゃんのせいばかりでもないでしょうが。

登場人物の割合が
人と物の怪が同じせいかもしれません。
淡々と語られて、淡々と物語が展開していく感じです。

なので了則が恋人に振られて死のうとしていたところも
そんな感じなのです。
「死んでやるー」みたいな感じではない。

一番熱量があったのが禍と小十郎の話
(了則が書いた原稿)
これは了則が書きながら涙ぐんだ気持ちが
ぐっとこちらにも寄ってきました。

了則は若干天然魔性?
真治が寄ってきてしまうのもわかるなぁと。
それにしても真治は繊細なと了則に言われていますが、
いきなりのプロポーズという行動はそうか?って感じですけど。
一応・・・お付き合いから始めないかみたいな。
でも、真治が了則に寄ってきたせいで
了則も禍との関係を直視できたので・・・まあ良しか。

始終低温状態の話ではありましたが
物の怪との話という分も含めて
わたし的には読み心地の良い話でした。
この温度感が一貫していたのと
私の肌感とあっていたのだと思います。

☆3.5評価の4です。

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